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こまきのブログです。

好きなアルバム紹介25〜「SOLID STATE FUNK」(本田雅人)

ソリッド・ステイト・ファンク

ソリッド・ステイト・ファンク

サックス奏者本田雅人さんのソロとして9枚目のアルバム「SOLID STATE FUNK」が
昨年2009年12月23日にリリースされました。


リリースされてからもう一ヶ月以上経っちゃいましたが、
今回はこのアルバムについての感想を。
長いですよ〜(笑)




今回のアルバム「SOLID STATE FUNK」は久しぶりに
「本田さんらしい」というか、とにかく「元気め!」な感じです。
そしてタイトルの通りファンクな曲がいっぱい!かっこいい曲ぞろいです。


参加ミュージシャンは、


梶原順(G)・・6曲
鳥山雄司(G)・・2曲
松本圭司(P/Key)・・5曲
ボブ・ジェームス(P/Key)・・2曲
塩谷哲(P)・・1曲
櫻井哲夫(B)・・3曲
グレッグ・リー(B)・・2曲
則竹裕之(Ds)・・5曲
山木秀夫(Ds)・・2曲


と、超豪華!
梶原さんファンも買いですよ、もちろん!


それでは、アルバムの中で特に印象に残った楽曲について、
(といっても、今回ほとんどの曲がそうなんですが/笑)
感想を書いてみたいと思います。


数字はCDのトラックナンバーです。
楽曲の作曲者は全て本田さんです。


                                                                            • -

【1】Funky Monsters
男前なハンサム曲です。「ザ・ファンク!」って感じ。
なんといってもラストのメンバー全員のユニゾンがかっこいい〜。
このユニゾンのシーンはライブで聴いたらほんとかっこいいだろうなぁ。
メンバーさんにスーツ姿でびしっと決めて演奏して欲しいなぁ、とか
思っちゃう曲です。



【2】ロバートの肖像
久々に新鮮な印象を受けたフルート曲です。
もう胸にメロディーがきゅんきゅん来まくりです。
私の中で「好きな本田さんのフルート曲」第3位にランクインです。
(ちなみに第1位は「Mermaid Kiss」でこれはこの先もおそらくずっと不動、
第2位はFour of a Kindの「Alamode」。)


本田さんネットファンクラブ会報(以下NFC会報)での
本田さんご自身の曲解説によると、
この曲タイトルの「ロバート」っていうのは、ボブ・ジェームスの事なんだそうです。
ボブっていうのは、略称とかあだ名みたいなもんなんですって。
大概の「ボブ」という人は本当は「ロバート」なんだそうです。
(何度読んでも私には意味がわからない。。)
とにかくこの曲は「ボブ・ジェームスに捧げる曲」という事だそうで。


昨年2月にブルーノート東京で初めて聴いたボブのプレイには本当に感動しました。
CDで聴いても素敵だけど、なんといってもボブのプレイの本当の素晴らしさは
ライブで聴かないとわからないんじゃないかと思います。
同じ空間の中でボブのプレイを聴くと、魂が震えます。素晴らしい体験でした。。
「死ぬまでにもう一回ボブのプレイを生で聴きたいなぁ。。」と願っている私です。


さてこの曲「ロバートの肖像」、聴いてて一番に耳がいくのは
もちろん本田さんの愛らしいフルートなんですが、
私がこの曲で二番目に耳がいくのは・・ドラムス山木秀夫さんのスネアです。
なんてソフトなタッチの柔らかいスネアなんだろう、と思います。
私は山木さんと言うととにかく「ものすごくいっぱい叩いてる!」みたいな
テクニカルなイメージが強かったので、
ああこういう優しいプレイもされるんだなぁ〜、と新鮮でした。
山木さんのこの曲に対する理解と愛情がとっても伝わってくる素敵なプレイです。
聴いているとすごく心地いいです。


スネアが優しさを持って歌う。
柔らかさを持って歌う。
優しいメロディーにあたたかく寄り添って、とけ合う。
聴いていると自分の口元が自然と微笑んでいるのがわかります。
「音楽って素敵だなぁ」と思う瞬間です。



【3】Laughter of Dragon
このアルバムの中で私がいちばん好きな曲です。
もうほんとヘビーローテーション!よく聴いた〜〜。


サビのメロディーの爽快感、疾走感、前向きな感じが大好きでたまりません。
聴いてると「いえぇい!」ってぴょんぴょん飛びはねたくなっちゃいます。
サビのメロディーが本田さんと梶原さんお二人のユニゾンなのも嬉しいです。
私にとってはたまらない展開(笑)お二人ともかっこいー!


曲全体に梶原さんのシャープなカッティングが効いてます。
(いろんな種類のカッティングがあるなぁ。。)
則竹さんのタムの「どぉん!」っていう音も、音抜けが良くてすごく気持ちいい。


ラストの本田さんのソロは、自由に大空を飛び回っているような感じ。
音が空間を飛び回ってる。
あるいは私がこの本田さんのソロを聴いている時の気持ちは・・
高い高いところを飛んでいくジェット機を、
地上から「うわぁ、すごいなぁーー」って憧れを持って見上げている時の、
そんな気持ちに似ています。
いつまでも高いところを自由に飛んで行って欲しいものです。


そしてこの本田さんソロの終盤、
バックで梶原さんがこの曲のサビのメロディーを「がっ!」と男らしく弾いて(惚)、
弾き終わりには本田さんと梶原さんのメロディーがひとつに合わさる・・というこの展開がもう!
これまた私にとってはたまらない展開(笑)
聴きながら毎回「きゃあああぁ」ってなってます。
お二人ともかっこいー!
ライブでぜっったいに聴きたい大好きな一曲です。



【5】僕のこいのぼり
タイトルいいですよね。「僕のこいのぼり」。。


それにしてもヘンテコな曲ですよねぇ。。
私はコードの知識をほとんど持ってませんが、そんな素人の私にも
「たぶんすごく変なコードが次から次へと出てきてるんだろうなぁ」とわかります。
で、このヘンテコな曲のところどころに、私をふわっと幸せな気持ちにさせてくれる
不思議なコードが隠れてます。
そのコードに出会うと、身体と心がなんともいえない幸せ感に包まれるのです。
「うわぁ〜〜」って感じで。上手く言えないんですけど。


本田さんNFC会報の本田さんご自身による曲解説では、
「実はBメロ、自分的には『屋根より高い・・・』なんですよね。」
だそうですが、えぇ〜っ、そうかなぁ。
そう思って聴くと、そう聴こえない事もないかな(笑)
NFC会報には
「この子どもじみたセコセコ感が僕のこいのぼりたる所以ですかね。
子どもの頃って、これくらいのテンポ感でいってたと思うんですよね。」
ともありました。うん、これにはなんとなく共感。そうかも。


則竹さんのリムショットは、身体の、心のいちばん気持ちいい部分を突いてくる。
「かんかか、んんかか、んかんか、かんんか・・・」
則竹さんのリムショットの音を集中して聴いていると、
リムショットのパターンってこんなに色々あるんだなぁ」ってびっくりします。
そしてすごく心地いい。気持ちいい。
いろんな種類のお話の仕方があるんだなぁ。
無数なんだな。無限なんだな。すごいなあ。
そんな事を思いながら則竹さんのリムショットの音に耳を澄ませていると、
星空の中にいるみたいな気持ちになります。
音楽の世界は無限。。。



【6】Your Birthday
この曲は本田さんのアルトサックスと、塩谷哲さんのピアノでのデュオです。


塩谷さんのピアノって、音を聴くとすぐに
「ああこれは塩谷さんのピアノだ」ってわかりますよね。
そういう音を出せる人は、もうそれだけですごいと思う。


以前ピアニスト国府弘子さんのブログで、
「ピアノは木の楽器」って書かれていたのを読んだ事があります。
それまで私は「ピアノは木の楽器」という事をあまり意識した事がなかったので、
「ああそうかぁ」って思って、その文章がとても印象に残りました。


この曲「Your Birthday」での塩谷さんのプレイは
「ピアノは木の楽器」である事を存分に感じさせてくれる、ぬくもりのあるプレイです。


夢見るようなあたたかいピアノです。
ピアノが夢を見てる。
そんな話を私たちに伝えてる。
素敵。。



【7】A Week
梶原さんの素敵カッティングで始まるこの曲、
メロディーが都会的でクールでおしゃれで大好きです。
ブラスセクションばりばりなのも嬉しいですしね。


この曲、ライブで演奏されるとしたら、どんな風に演奏されるんだろう・・・。
「ひとりでどこまでいけるでしょうか」みたいな「催しもの」コーナーっぽくやるんじゃなく、
普通にまじめに(笑)演奏して欲しいな〜、個人的には。
だってこんなにメロディーがおしゃれなんですもん。


それにしても本田さんのNFC会報でのこの曲の解説にウケました。
いろんな楽器が次から次へと出てくる曲なので、
「♪月曜日は仕事に出かけ・・」でおなじみの、
「チュラチュラチュララの一週間な感じ」で、
それで曲タイトルが「A Week」なんですって。
厳密には楽器数は一週間には足りないけれど、とにかくそういうイメージで、
ブラスがメロディーをとる辺りが「週末」って感じなんだそうです。
そんなのこのNFC会報の曲解説読まなきゃ絶対にわからない〜(笑)
本田さん面白過ぎです。



【8】Triangle Moon
初めてこの曲を聴いた時、櫻井さんのベースラインのあまりのすごさに音酔いしました(^^;
すごすぎですから〜〜。
梶原さんの熱いカッティングとの掛け合いもかっこいい!


この曲はライブ映えするでしょうねぇ!ライブで聴くのが楽しみだ!!


そしてこの曲、なんかところどころ「メガリス」を彷彿とさせるところがないですか?
(そう思うのは私だけ?)
なんか聴いててふっと懐かしい感触が蘇ったりしました。



【10】Angel Smile
優しいゆりかごみたいな曲です。
「こんなにあったかい優しいゆりかごの中で揺られているんだったら大丈夫だろうな、幸せだろうな。」
ってそう思えるような。


この曲は本田さんのソプラノサックスと、梶原さんのアコギのデュオでです。


どこまでもあたたかく澄み渡った本田さんのソプラノサックスの音色と、
一音一音が真綿で丁寧にくるまれたような梶原さんのアコギの音色。
そんなお二人の織り成す、どこまでもあたたかく優しい、愛情に満ちた世界です。


本田さんのNFC会報であの例のお知らせがあった時、嬉しかったなあ。
自分でも「どうしてこんなに嬉しいんだろう?」って思っちゃうぐらい、本当に嬉しかったです。
(思わず何年ぶりかで本田さんNFCのBBSに書き込みしちゃいました。)


本田さん、良かったです。本当に良かった。
これからの本田さんの音世界に期待しています。
これからも頑張ってくださいね。


                                                                                  • -

以上で楽曲ごとの感想は終了です。


今はこんなにも梶原さんファン(笑)の私ですが、もともとは本田さんファンでした。
本田さんに出会った事によって、このインストの世界にはまりました。
そして本田さんの音楽を通じて梶原さんを知り、梶原さんのファンになり、今に至ります。
だから本田さんは、本田さんの音楽は、私の原点なんです。
2001年4月27日の神戸チキンジョージで本田さんに出会っていなかったら、
その後の梶原さんとの出会いもないし、
ここまで音楽を好きになる事もなかったかもしれないし、
音楽を通じて友だちになれた多くの人との出会いもありません。


私が本田さんの音楽に出会って、
もう延々と繰り返し繰り返し本田さんのアルバムをずっと聴いていた頃の気持ちを、
今回のアルバム「SOLID STATE FUNK」を聴いて、何だか少し思い出しました。
あの頃の感覚、懐かしいです。


本当にかっこいいアルバムなので、興味を持たれた方は、ぜひ聴いてみてくださいね。


今月末のツアーも楽しみです。
遂に本田バンドが帰ってきます。迎えに行かなくちゃ!!



☆本田雅人オフィシャル・ウェブサイト
(2月末の本田バンドツアーのスケジュール確認はこちらでどうぞ。)