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こまきのブログです。

マレット選びの道

komaki-13252010-01-25

今日はマリンバのマレット(ばち)について書いてみます。


マリンバのマレットにはいろんな種類があります。





こちらはゴムマレット。






ゴムマレットの中にもこういうまんまるな形のや、






こんな風に平べったいのがあったりとか。
他にもいろんな形があります。


ゴムの固さ、形、重みなど、いろいろな種類のものがあって、
どのマレットを使うかによってマリンバを弾いた時に出る音がそれぞれ違ってきます。





こちらは毛糸巻きマレット。






こんな風にやや縦長な感じのがあったりとか、






ぽてっとした丸い感じのがあったりとか。
他にもいろんな形があります。






毛糸玉の大きさもいろいろ。
(写真だとちょっとわかりにくいかもしれないけれど、
右へいくほど大きいものになっています。)



毛糸巻きのマレットも、芯になる部分の玉の大きさ、固さ、材質、
巻く毛糸の太さ、巻き方などによっていろんな種類があり、
どのマレットを使うかによってマリンバを弾いた時に出る音が全く違ってきます。


自分が演奏する曲によって、
「その曲の雰囲気に合う」と自分が感じるマレットを、その都度選んで演奏します。
同じ1曲の中でも、シーンによって数種類のマレットを使い分けるもあります。


だからマレットというのはなるべく多く持っているべき。
多く持っているほど音のバリエーションが広がります。


でも一気にたくさん買えるものではないので、
必要に応じて少しずつ少しずつ買い足していきます。


マリンバのマレットは2本1セットで楽器店で売られています。


以前マリンバの先生に、
「新しくマレットを買い足す時には、
たとえその時その曲では2本(1セット)しかマレットを使わないとしても、
一応4本(2セット)買っておくべき。
後にそのマレットで四和音の曲を弾く事になった時に困るから。
先に1セットだけ買って、
後から必要になってだいぶ時間が経ってからもう1セット買う・・という事をすると、
それぞれのマレットの固さが違って音のバランスがちぐはぐになるから。」
と言われた事があるので、
新しくマレットを買う時には必ず2セット買うようにしています。


マリンバマレットは使い込むとだんだん固くなってくるので、
同じ種類のマレットでも、時間が経ってからもう1セット買い足す・・という事をすると、
四和音の曲を弾く時に先に買ったものと後から買ったマレットの固さが違って、
音のバランスが違って困った事になる・・という事が起きてしまうのです。)




さて。
2月の発表会で梶原さんの曲「The Love Will Never Fade」を
マリンバで演奏するわけですが。





「The Love Will Never Fade」を演奏する時、
私は今までこのマレットを使って練習していたのですが・・


どうもこのマレットの響き方があまり気に入らない。
そしてこのマレット、とても重い。
「The Love Will Never Fade」は最初から最後までトレモロ奏法で演奏するので、
腕にかなりの負担がかかります。
こんな重いマレットで弾くのはつらすぎる〜。腕がつるー!


「もっとよく響いて、もう少し軽いマレットが欲しいなぁ・・」と思ったものの、
自分が手持ちのマレットの中にはちょうどいいものがなくて。
で、新しいマレットを買うしかないかぁ、と思いました。


が、新しいマレットを楽器店で買うときって「試奏」って一切できないんですよ。
全部袋や箱に入った状態で売られているから。
いちおう固さの分類みたいなものは大まかに袋や箱に表記はしてあるけれど、
「実際に弾いてどんな音が出るか」は、買ってから弾いてみないとわからないんです。
不便でしょー。不経済でしょー。
私は今まで、基本的に先生にオススメしてもらったマレットしか買った事ないですけどね。


で、今回「The Love Will Never Fade」で使うマレットを新しく買うにあたって
今のマリンバの先生にメールで相談してみました。


「先生がお持ちのマレットで、『The Love Will Never Fade』に合いそうなマレットを、
次のレッスンの時に何組か持って来ていただけないでしょうか。
レッスンの時に私がそれらのマレットを使って弾かせていただいて、
自分の気持ちにぴったり合いそうなものがあれば
そのマレットと同じ種類のものを楽器店で購入したいと思います。」って。


先生からは「わかりました。いいですよ。」とお返事が来ました。


で、その後のレッスンの時に、
先生が持ってきてくださったマレットをあれこれ弾かせていただきました。
さすがプロ!手持ちのマレットが多い!
もうマレット祭り状態で、「わーい」って感じでわくわくしながらいろいろ弾きました〜。


私が弾かせてもらった中で、いちばん最初にピンと来たのは
「Rovert Van Sise(ロバート・ヴァン・サイス)」というメーカーのマレット。
なんか「ふわあっ」と柔らかく広がるような音がしたんですよね。
レッスン室で聴いていてくれた先生も、
「それ、すごくいい音がするねー。」と。


しかしこの「Rovert Van Sise」というメーカー、
私は今まで見た事も聞いた事もありません。
「これ、楽器店で取り寄せ可能なんでしょうかねぇ・・」と不安に思って先生に聞くと、
「ちょっと微妙かもしれないね・・」と先生もやや不安そう。


もし取り寄せ不可能だったら困るしな・・と思い、
他にはピンとくるマレットはないものかー、と引き続きあれこれ試奏。


そしたらもう1種類ありました!ピンとくるやつが!
こちらはメーカーは「PLAY WOOD」。
PLAY WOODなら大丈夫でしょー。まずあるでしょう。
たとえ店頭に在庫がなかったとしても、取り寄せ可能でしょう。


で、いちばん最初に気に入ったRovert Van Siseと、
後から気に入ったこのPLAY WOODのマレットを弾き比べてみると、
PLAY WOODの方がややマレットに重みがあって、そのぶん音に深みもある感じで、こっちの方がいい雰囲気。
先生にそう感想を伝えると、先生も同じように思ったみたいで、
「うん、そっちの方がいいね。」と。


で、レッスンの次の日に、このPLAY WOODのマレットの在庫があるかを
ヤ●ハ神戸店に早速問い合わせてみました。
そしたら、「2セットありますよ。」との事。やったー!!
早速受け取りにいってきました。





そしてやってきたこのマレット。
PLAY WOODのM-1005R。吉岡孝悦モデルです。
(昨年7月にコンサートで聴いた吉岡孝悦さんの演奏、本当にすばらしかったなぁ。。)


先日レッスンで先生に借りて弾かせてもらったマレットはもう相当弾き込んだ状態のマレットなので、
新品状態のものより少し固くなっています。
なので、今回新しく買ったものは同じメーカーで同じ品番といえど、
あのレッスンの時に弾かせてもらったものより多少柔らかい音が出るはず。
そのギャップの大きさがあまりに大きいと困るな・・とちょっとどきどきしながら、
新しく買ったマレットを使って家で弾いてみたのですが・・・


うん、確かにレッスンで弾いた時のものよりちょっと柔らかいけれど、許容範囲でしょう!セーフ!!
これから弾き込めばだんだん固くなってくるしね。




「The Love Will Never Fade」は四和音のトレモロ奏法で弾きます。
右手で弾く二和音がメロディーで、左手で引く二和音が伴奏的(?)な役割を果たします。
なので、メロディー部分を浮き立たせるために、
メロディー部分が埋もれないようにするために・・・





右手で弾く二和音は今まで練習で使ってたやや固めのマレットで弾いて、
左手で弾く二和音は今回新しく買った柔らかめのPLAY WOODのマレットで弾く・・・
という感じにしようかと思います。先生にそういうアドバイスをいただいたので。
家でこの組み合わせで弾いてみたらなかなかいい感じでした〜。






あるいはこんな感じで本当にトップの一音だけを固めのマレットで弾く、という組み合わせもアリかも。。
またいろいろ試して組み合わせを考えてみたいと思います。


でもいくら家やレッスン室で「これがベストだ!」というマレットの組み合わせを見つけても、
本番のホールだとまた全く響きが違ったりするんですよね。
で、急遽リハーサルでマレットを変更したり、とかいう事もあります。
マレット選びの道は深いのでした。。




・・・という感じで、ちょっと長くなってしまいましたが、
マリンバのマレットについて書いてみました。
どうだろ。退屈だったかな?だったらごめんなさい。


マリンバはまだまだ世間的にはあまりよく知られていない、マイナーな楽器です。
(「マンドリン」と間違われる事のなんと多い事か/涙)
マリンバって本当にいろんな魅力のある楽しい楽器だと私は思っているので、
この楽器の事をもっと皆さんに知っていただきたいです。


なので、これから時々このブログでこういう
マリンバまめちしき」みたいなのを書いていけたらいいなと思っています。


楽器をやっている人もやっていない人も、
音楽に興味のある方・・・音楽の好きな方に読んでいただけたら嬉しいです。


マリンバ」という楽器が皆さんにとって、少しでも身近な楽器となりますように。