It Will Be Fine!

こまきのブログです。

初合わせ

インターホンを押すと先生がドアを開けて出迎えて下さいました。


「迷わなかった?」
「はい!地図がわかりやすかったんで、助かりました。」
(バスを乗り間違えましたけど・・・)


予定の時間より30分ほど早く着きました。
同じ発表会に出る中学一年生の男の子が、
ちょうどこれからピアノ伴奏との合わせを始めるところでした。


私も彼の演奏を聴きながら自分の合わせの番を待ちます。
彼にはお母さんも付き添いで来てました。
うーん、すごいなー。将来期待されてるんだろなー。


彼の演奏する曲はハッチの「ジムノペディア」。
発表会で耳にする事の多い有名な曲です。
私も久しぶりに聴きましたが・・・
「この曲って、こんなかっこいい曲だったんだ〜」と思いました。
ジャズやカントリーの要素も盛り込まれた、
こんなバラエティに富んだ曲だったんだなぁと。


ジャズ・フュージョンの世界に出会う前の私は、
この曲を聴いても、この曲のそういうかっこよさには全然気付かなかったな。
何だか全然違う曲に聞こえる・・・。
すごく新鮮な気持ちで聴いてました。面白かったです。


彼は結構ダメ出しの嵐を先生からくらってしまい、
「演奏を録音したいから家に一度戻ってMD持ってきて。
ついでに後半部分をしっかり練習してから、
もう一回この後ここに戻ってきて。」(彼の家はすぐ近くらしい)
と先生に言われてました。ひぇー、厳しいなあ。


彼とお母さん、いったん帰宅。
その間に私のピアノ伴奏との合わせが始まります。


ピアノ伴奏をして下さるのは、
去年の発表会で伴奏をして下さったのと同じ方です。
程よい親密さを、すっと笑顔の中に入れてあいさつして下さる素敵な女性です。


「今年もお世話になります。よろしくお願いします。」とごあいさつ。


「どっちの楽章からやる?」とマリンバの先生。


合わせにくいのは三楽章かなー、って事で、
三楽章から合わせを始める事に。


電子メトロノームマリンバの先生がこの曲のテンポを鳴らします。


「テンポ138だっけ?」
「はい、138です。」


部屋に鳴り響く、テンポ138の電子音。
あれー、先生以前、「テンポ138は早いから、120ぐらいでいいから」って
言ってませんでしたっけ〜(汗)
インテンポでやるんですか。わー、入るかな。。


マリンバの先生は「録音機器取ってくるから、先に合わせてて。」と
部屋から出ます。


ピアノの方と「お願いします。」って感じで
お互い小さく目を合わせて初合わせスタート。


うー、なんかノリが出にくいなー?
途中でマリンバの先生が部屋に戻ってきました。


「Yさん(←私のこと)、休符の後の食い付きが悪いよ。乗り遅れてる。」
と先生から注意が。確かに・・・。


もう一回頭から。でもやっぱり乗り遅れています。


「最初の入りの部分はマレットあんまり上げないようにして。」
と先生からの指示。なるほど。
そこに注意しながら弾くといい感じになりました。


時折空中分解しながらも、なんとかかんとか合わせは進んで行きます。


先生から受けた注意で印象深かったのは・・・



ここのカデンツァの終わりの部分のリズムと



そのカデンツァの後にすぐ出てくるここのMaestosoのはじめのリズムを
きちんと関連づけて弾きなさい、という事。


カデンツァ終盤のこのリズムは、
Maestosoのはじめのリズムのためにあるのだから、
きちんとそのリズムを連想させるように弾かなければならない、と。
なるほどなー。


で、そういう風にやってみるんですが、
Maestosoのはじめの、ピアノとのユニゾンの入りのタイミングが合わない。


んー?入りの合図となる私のマレットの上げ方が
悪いのかなー?・・・とか思っていたら、先生からアドバイス


「入る時に拍感がしっかり感じられてなくてあいまい。
Yさん、そこのリズム“ンチャチャチャチャチャ”を
二回心の中で繰り返して拍感感じてから弾いて。
今はそこで変な余白ができても構わないから。」とのこと。


なるべく拍感をしっかり感じる事を心がけながら、
“ンチャチャチャチャチャ”と二回自分の心の中で繰り返してから、
実際に音を出してそのリズムを弾きます。


「じゃあ次は一回だけ心の中で繰り返してから弾いて。」と先生。
一回だけ“ンチャチャチャチャチャ”と心の中で繰り返してから、
音を出して弾きます。


で、次は普通に弾いてみます。
おぉ!ピアノと合ったー!!


そうか、マレットの上げ方うんぬんじゃなく、
私がちゃんと拍感感じられてなくてリズムやテンポに迷いがあったから、
ピアノの方も合わせづらかったんですね。なるほどー。


それにしてもマリンバの先生の指示、的確だぁ。わかりやすいです。


人の演奏を聴いて、問題点を分析して、
その問題点をどういう風にしたら修正できるかを、
その場でぱぱっと考えて、的確で簡潔なわかりやすい言葉で
表現して指示して下さるんですよね。
頭の回転の早い、頭のいい方だなあ、と改めて思いました。


アドバイスを聞く側の自分も、
先生の話をぐっと集中して意識を研ぎ澄ませて聞いて、
先生が言っている事の意味をしっかりと理解して、
なるべく短い時間でその場で先生のアドバイス
演奏に反映する事を心がけなきゃなー、と思います。


そこで時間くうと時間の無駄だし。
そこにかける時間が短いほど、より効率がよくなって、
高いレベルのレッスンが受けられるわけだし。


村上春樹さんが「人の話を“聞く”のと“聴く”のでは全然違うんだ。」
って言ってたけど、私も人の話をしっかりと「聴く」事を心がけたいです。
音楽に限らず。


私は性格的に「話し上手」になる事は不可能だと思うけど、
「聞き上手(聴き上手)」になる事は、
努力すれば可能かもしれないと思うので・・・。


あぁ話が脱線しまくりです。ごめんなさい。



そんな感じで何点かアドバイスを受けながら合わせは進み、
一度三楽章を通して演奏して、録音する事に。


「何が起こってもとにかく最後まで行ってね。」と先生。
ひー、頑張ります〜。


で、三楽章を通して録音。
数ヶ所危ないところはあったもののー・・・
なんとか止まらずに通せたー!やったー!


その後、二楽章も通して録音しました。


先生から「なんとか大丈夫そうだね。」という言葉を頂き、
とりあえずほっ。


でもピアノとの絡みが複雑で、
弾いてて見失いそうになる箇所がけっこうあるので油断はできません。


今日録音したMDを聴きながら、ピアノとの絡み方をしっかり頭に入れなきゃ。