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こまきのブログです。

「翻訳夜話」「ロング・グッドバイ」「ダンス・ダンス・ダンス」

翻訳夜話 (文春新書)

翻訳夜話 (文春新書)

村上春樹さんと、翻訳家柴田元幸さん共著の
「翻訳夜話」を先日読み終えました。
春樹さんと柴田さんが、さまざまな方からの質問を受けながら
翻訳に関して深く語っていくこの本。


すっごく、すっごく面白かったです〜〜!!
この本を読んで、まだ自分があまり読めていない
春樹さんの翻訳作品を読むのがますます楽しみになったし、
素人なりに自分が「文章を書く」上でも勉強になった事、いっぱいありました。


そして、この本の中には、春樹さんと柴田さんが
お互いに同じ作品を翻訳しあった作品なんかも載っているのですが、
春樹さん訳のレイモンド・カーヴァー著「収集」が素晴らしかった!!
読んでて私がいちばんしびれたのがこの部分。


私はお宅のマットレスの掃除だってして差し上げようと思っておりますよ、ミスター・・・・・、とにかくきっとびっくりなさいますよ。何ヶ月か、何年かのあいだにこんなにもマットレスにいろんなものが溜まるのかってね。私たちの人生において、私たちは毎日毎晩、体の一部をちょっとずつ落としていくんです。ひとかけら、またひとかけらとね。それらは、そういった私たち自身の細かい断片はいったいどこに行くのでしょうか。シーツを抜けて、マットレスの中に入ってしまうんです。そうなんですよ。枕にもです。枕だって同様です。


レイモンド・カーヴァー著/村上春樹訳「収集」より)


あっちょいいいいぃ。最高!
鳥肌ものです。


こういう文章を読んだ後にカーペットやらマットレスやらを見ると、
「ああぁ、この中にも私の落としたひとかけらが〜」とか思ってしまうわけですよ。


今までは特に意味を持たなかったものが、
深い意味を持って自分の目に、心に映るようになる。
あるいは、今まで自分が感じていた事と
違う意味を持って心に届いてくるようになる。


本を読む前と読んだ後では、少し世界が変わるわけですね。
こういうのって、本を読む醍醐味のひとつだと思うなぁ。



私はこの「翻訳夜話」で初めてカーヴァーの作品を読みましたが、
惚れちゃいましたね〜。
これからカーヴァー著・春樹さん訳の作品も少しずつ読んでいきたいです。
(私は春樹さんの翻訳作品がまだあまり読めていないので・・・)


春樹さんの翻訳作品といえば、
3月8日にレイモンド・チャンドラー著/村上春樹訳の
ロング・グッドバイ」という小説が出るのですが、
これも本当に読むのが楽しみです。


ロング・グッドバイ

ロング・グッドバイ



その前に、今読み返し中の「ダンス・ダンス・ダンス」を
読み終わらなきゃ〜〜。


ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)


ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)