It Will Be Fine!

こまきのブログです。

「はじめての文学 村上春樹」

はじめての文学 村上春樹

はじめての文学 村上春樹


自分の小説を読んだことがないという若い読者に、
まず手にとってほしい作品はどれか・・・。
文芸春秋が刊行を始めた「はじめての文学」シリーズは、
著者が自作の中から中短篇を選んで編んだ、一人一冊のアンソロジーです。


この「はじめての文学」は全12巻から成ります。
既に刊行した村上春樹村上龍のほか、一月にはよしもとばななが出版。
その後には、宮本輝宮部みゆき浅田次郎川上弘美小川洋子
重松清桐野夏生山田詠美林真理子と続く予定だそうです。


小説を読み慣れていない読者を意識してルビを増やし、
文字も大きくしているとの事。


☆文芸春秋「はじめての文学」



この「はじめての文学」シリーズ、
村上春樹さんのぶんが発売されているのはだいぶ前から知ってました。
この本装丁がかわいいし、
まだ読んだことのない短篇もけっこう収められているので
「買おうかな〜」と思っていたんですけど、
私の部屋の本棚には「買うだけ買って、まだ読んでない」という
控えバッターな本たちがたくさん眠っているので(^^;
買うにしてももう少し先になりそうだなー、と思っていました。


が!
21日に、地元紙、神戸新聞
この「はじめての文学シリーズ」が取り上げられてて。


その記事によると・・・
この「はじめての文学 村上春樹」に収められている短篇のひとつ、
「沈黙」には、「本書に再録するにあたって大幅に手を入れた」と
あるではないですか!


えぇー!
あの私にとっての大切な小説「沈黙」に、大幅に手が入れられているとあっては、
これはもう買わないわけにはいかないではないですかー!


って事で、21日の仕事帰りに、即買いしました。。。


春樹さんの短篇小説「沈黙」は、
ある事で多くの人から誤解を受けた主人公が、
まわりの人に対していっさいの弁解をせず、真実を説明する事もせず、
ひたすらに沈黙を貫き、ただ黙々と自分のするべき事をやり抜いて
つらい期間を耐え抜く話です。
春樹さんの短篇集「レキシントンの幽霊 (文春文庫)」に収められています。


あの「沈黙」が、「はじめての文学」シリーズの中では
どんなふうになっているのかなぁ。
読むのはもう少し先になりそうだど、楽しみです。



【「はじめての文学」・村上春樹/収録作品一覧】
シドニーのグリーン・ストリート
カンガルー日和
●鏡
●とんがり焼の盛衰
●かいつぶり
●踊る小人
●鉛筆削り
●タイム・マシーン
●ドーナツ化
●ことわざ
●牛乳
●インド屋さん
●もしょもしょ
●真っ赤な芥子
●緑色の獣
●沈黙
●かえるくん、東京を救う
☆かえるくんのいる場所(春樹さん書き下ろしメッセージ)



ラストに収められている短篇が「かえるくん、東京を救う」なのもいいなぁ。
これも大好きなお話です。
孤独な男片桐が、かえるくんに理解され、救われ、
心を開いて行くところがたまらないですね。
カンガルー日和」も「とんがり焼の盛衰」も大好きだしなぁ。


というわけで、この「はじめての文学」シリーズ、おすすめです。
「著者自身が収録作品を選んだ」ってところもポイント高いですしね。
私も春樹さん以外にも、村上龍さんとか山田詠美さんとか
興味あるので読んでみたいです。
よしもとばななさんは、初期の作品数冊だけ読んだことがあるんですけど、
「キッチン」とか「TSUGUMI」とか大好きです。
最近の作品はどんな感じなのかなあ。