私は梶原さん以外の音楽を聴くときは、ピアノものを聴いている時間が圧倒的に多いです。
(と言っても、どこまでも「狭く深く」な人生なので、
そんなにたくさんのピアニストのアルバムを聴いた事があるわけではないですが。)
ジャズピアニスト山中千尋さん(以下ちひろさん)のアルバムを私は何枚か持っていますが、
自分が持っているちひろさんのアルバムの中でいちばん好きなのが、この「Living Without Friday」です。
- アーティスト: チヒロ・ヤマナカ・トリオ,Chihiro Yamanaka,山中千尋
- 出版社/メーカー: 澤野工房
- 発売日: 2001/10/05
- メディア: CD
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昨年の9月に、ちひろさんのライブを見に、サンケイホールブリーゼに行きました。
そのライブの中で、ちひろさんが演奏前にこう紹介して演奏を始めた曲がありました。
「私のいちばん最初のアルバムの、1曲目に収録されている曲です。『Beverly』。」
私はその曲・・「Beverly」の演奏に、自然とすううっと引き込まれていきました。
その演奏を聴いていると、
「その曲をつくった頃の」ちひろさんのピュアな想いとか、音楽やピアノに対する情熱とかが、
そっくりそのままの等身大の姿で、とても素直に、すっと伝わってくるような感覚がありました。
その日のライブが終わった後、私はすぐに物販コーナーに走りました。
そして、「『Beverly』が収録されているアルバムはないですか。」と物販係の方に聞きました。
残念ながらその日の物販コーナーでは、「Beverly」の収録されているアルバムは販売されていませんでした。
で、後日ネットで注文して買いました。
1曲目に収録されているアルバムタイトル曲「Beverly」はやっぱりとても素敵でした。
聴いていると、
海や空や草原や・・
そういう「広い空間」を渡っていくものの事を想像します。
それは人の想いだ。きっと。
とても大切な。。
あの日のライブで聴いたちひろさんの「Beverly」は、そういう演奏だったんだ。
だからずっと心に残っているんだ。
(今この文章を書きながら発見。なんだかとてもうれしい。)
この曲だけでなく、このアルバム「Living Without Friday」は、全体を通してとても「素直」な感じのする、
肩ひじ張らずに、ナチュラルな気持ちで聴ける、とてもいいアルバムだなあと思います。
日曜日の朝とかに聴くのにとてもいい感じ。
1曲目の「Beverly」以外にも・・・
情熱が怪しい宝石のようにきらりときらめく大曲「Living Without Friday」(アルバムタイトル曲ですね)や、
小鳥がまるい弧を描きながら、楽しくさえずりながら飛んでいるような情景が思い浮かぶ「Pablo's Waltz」など、
聴きどころいっぱいです。
何枚か持っている山中千尋さんのアルバムの中で、私はこのアルバムをいちばんよく聴いています。
とても好きなアルバムです。