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こまきのブログです。

好きなアルバム紹介24〜「PLACE TO BE」(上原ひろみ)

久しぶりの、好きなアルバム紹介です。


プレイス・トゥ・ビー(初回限定盤)(DVD付)

プレイス・トゥ・ビー(初回限定盤)(DVD付)

9月2日に発売になった、
大好きなピアニスト上原ひろみちゃんの最新アルバムをご紹介します。


なんだか今回、この文章書いててすっごく楽しかったです。
楽しんで書いた文章、皆さんに読んでいただけたら嬉しいです。


それではGO!




今回発売されたアルバム「PLACE TO BE」は、
ひろみちゃん初の「ピアノ・ソロ・アルバム」です。


このアルバム、初回生産限定版にはDVDがついていて、
そのDVDの中にはひろみちゃんのインタビュー映像と
アルバムレコーディング時のメイキング映像が収録されているのですが、
そのDVDの中でひろみちゃんは、
「ピアニストなら誰でも、ピアノ・ソロ・アルバムを出すというのは夢だと思う。」と
語っていました。


そして「20代、30代、40代・・・と、それぞれの年代で1枚ずつ
ピアノ・ソロ・アルバムを出したい」と。。


今回のアルバム「PLACE TO BE」は、
ひろみちゃんが30歳の誕生日を迎える5日前に録音されたそうです。


ひろみちゃんが1対1の真剣勝負でピアノと向き合い、録音された
「20代のピアノ・ソロ・アルバム」。
「20代最後の音」。


アルバムに収録されている全ての曲が、とんでもないぐらいの
ものすごい気合と集中力で演奏されているのがびしばし伝わって来ます。


私は初めてこのアルバムを聴いた時は正直、
「ひろみちゃん、がつがつ演奏し過ぎじゃないかなぁ。
ちょっと聴いててしんどいなあ。」と思ったのですが、
そう思ったのは最初だけでした。


聴き込めば聴き込むほどこのアルバムの音世界に、ひろみちゃんの演奏に引き込まれるっていうか。
「これはすっごいアルバムだなぁ〜〜」と思うようになりました。
もうずーっと聴いてます。
もしかしたら、今までに発売されたひろみちゃんのアルバムの中で、
私はこのアルバムがいちばん好きかもしれません。


それでは、アルバムの中で特に印象に残った曲について、
感想を書いてみますね。
(数字はCDのトラックナンバーです。)


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【2】「CHOUX A LA CREME」(シュー・ア・ラ・クレーム)
この曲聴いて「ずいぶん男前なシュークリームだなぁ(笑)」と思いました。
なんかひろみちゃんらしい。
でも曲のいたるところで、ピアノがにこっと微笑んでいるような
かわいらしいフレーズもあります。
そういうところがシュークリームなのかな。
和音の響きは「とことんパリ!」な雰囲気。どこまでもパリ。
目を閉じて聴いていると、パリのおしゃれな町並みが目に浮かんで来そうです。



【5】「SOMEWHERE」(サムウェア)


大切な誰かがいなくなると、
哀しさに包まれ、気持ちのやり場を失う。
でも、その大切な誰かは、いってしまった後も、
あなたのそばにいつもいて、
あなたの幸せを思い、いつも見守ってくれている。


(日本盤アルバムインナーの上原ひろみ本人による楽曲解説より)


澄み切った優しい水のような曲です。
どこまでも澄み切った気持ちのバラードです。



【6】「CAPE COD CHIPS」(ケープコッド・チップス)
タイトルがおしゃれで好きです。
「ケープコッド・チップス」というのはボストンで愛されている
ひと口サイズのポテトチップスだそうです。
マサチューセッツ州最東端の半島の町、ケープコッド名物だそうで。
ひろみちゃんは同州のバークリー音楽院に在籍していた時、
このケープコッドチップスを食べながら
夜遅くまで音楽仲間と語り合ったんだそうです。


この曲に繰り返し出てくる、
あるフレーズの部分の和音が大好きです。もうぞくぞくするぐらい好き。
あぁ〜、こういう時、小説とかなら
「○ページの○行目の文章が大好き!」とかって説明できるんだけど、
音楽だとそういう風に説明できないなぁ。。


無理矢理説明すると、この曲がスタートしてから
1分5秒めに登場するこのフレーズ!
この部分の和音の響きが大っ好きなのです。凛々しい〜〜。


このアルバム持ってる方は、
「これがこまきの好きな和音か」と確認してみてください。
(そんなヒマな人いないか。)



【7】「ISLANDS AZORES」(アイランド・アゾレス)
「アイランド・アゾレス」はポルトガルアゾレス諸島の事。
大西洋の真ん中に9つの島からなる群島だそうです。


この曲の構成をものすごく大ざっぱに分けると、
ゆったりと美しい和音で歌うように演奏されるシーンと、
細かいリズムとフレーズを刻みながら演奏されるシーンの、
ふたつのシーンに分かれると思うんですが。


ゆったりと美しい和音で歌うように演奏されるシーンの部分が本当に大好きです。
本当に美しい。
聴いているとどこまでも澄んだ青い空が見えます。
澄み切った空気感も感じられる。
自分の心も澄んで行くよう。


ピアノの和音はダイアモンドの輝きです。
高貴な薫りのする響き。。
本当にきれい。


細かいフレーズを刻みながら演奏されるシーンも好きです。
1対1でピアノと向き合いながら、自分と向き合いながら、
一生懸命語るようにピアノを弾いているひろみちゃんの姿が伝わって来ます。



【8】「PACHELBEL'S CANON」(パッヘルベルのカノン)
17世紀ドイツのヨハン・パッヘルベルの作品である有名なクラシック曲を、
ジャズ風アレンジで演奏。


なんかいいです。
昔の大切な思い出を、大切に思い返したくなるような。
上手く言えないんだけど、なんだかそういう大事な気持ちになります。



【9】「VIVA!VEGAS〜SHOW CITY,SHOW GIRL」(ビバ!ベガス〜ショー・シティ、ショー・ガール)
3部作「ビバ!ベガス」の第1曲目。
なんだかレトロな雰囲気の漂うメロディーライン。
昔の白黒フィルムの映画のような雰囲気もあります。
ハードボイルドな辛口な味もちょこっと入ってるかな。
とにかくなんともいえない「雰囲気」があって好き。



【10】「VIVA!VEGAS〜DAY TIME IN LAS VEGAS」(ビバ!ベガス〜デイタイム・イン・ベガス)
3部作「ビバ!ベガス」の第2曲目。
CDインナーに
「24時間眠らない街の昼間のけだるいような空気が見事に表現されている」
とありますが、本当にそうですね。


「夜に本当の顔を見せる街」ってあるじゃないですか。
夜に本領発揮の街。
夜になるときらきら、ぎらぎら輝く街。
そういう街って、昼間は「これはこの街の本当の表情じゃないんだ」って顔をしてるでしょ。
けだるいぼんやりとした空気感。現実感のない感じ。浮遊感。。
そういう街の雰囲気が見事に表現されたバラードだと思います。



【11】「VIVA!VEGAS〜THE GAMBLER」(ビバ!ベガス〜ザ・ギャンブラー)
3部作「ビバ!ベガス」の最終楽章。


子どもがきゃっきゃっと笑っているような、
トムとジェリーがおっかけっこをしているような楽しげなイントロ。


そしてひろみちゃんが、ミュージカルの幕をざああっと上げるみたいに
「ぎゅうーーん!」と熱いグリッサンドを弾いたら・・・


もうそこからはどうにも止まらない、超スピードのジェットコースターのような展開です!
超スピードで上がって、下がって、ぐるっと一回転して。
いっときも止まらずにものすごい勢いでぐんぐん突き進むジェットコースター。
聴いてると「いけいけー!ひろみちゃーん!」って気持ちになります。


この曲の演奏を聴いている時の気持ちは、
一瞬も目を離せない、どきどきはらはらの展開のアクション映画を、
手に汗を握りながらじっと見ているような気持ちにも似ているかも。


もう本当に、めっちゃくちゃかっこいいです!!
なんて熱い演奏なんだろう!すごい!


曲が終わった後は「ブラボー!!」って拍手したくなります。
ひろみちゃん、ブラボー!!



【12】「PLACE TO BE」(プレイス・トゥ・ビー)
タイトルの意味は、「居場所」。
「私の居場所」。。。


自分という人間をしっかりと見つめ、自分自身としっかりと向き合いながら・・・
それと同時に、世界じゅうの人々に対して大きく心を開き、
広く愛をこめて語りかけるような演奏です。


すごいなあ。
どうしてこんな演奏が、できるのかなあ。。


意外と(?)人に対して心を閉ざしがちなところがある私は、
このひろみちゃんの演奏には感じ入るところ、学ぶところが多いかな。。


ひろみちゃん素敵だなって思いました。



【13】「GREEN TEA FARM」(グリーン・ティー・ファーム)※日本盤に収録のボーナス・トラック
今回収録されているのは矢野顕子さんのボーカル入りトラックです。
インスト版はアルバム「BRAIN」に収録されています。
しかし実は、アルバム「BRAIN」に収録された当時から詞があったそうです。
この曲が誕生した時、ひろみちゃんの頭の中では
矢野顕子さんの声で歌われていたんだそうです。
その後、矢野さんと出会い、親交を深めたひろみちゃん。
今回は矢野さんのボーカル入りでの録音となりました。


ひろみちゃんが生まれ育った故郷静岡への思いがこめられたこの曲。
アルバム「BRAIN」に収録されているインスト版も大好きでよく聴いていましたが、
今回のボーカル入りトラックもすごく素敵です。
歌詞がシンプルで、気持ちがこもっていてとてもいいです。


いちばん私が共感したのはこの歌詞です。
聴いてたら涙が出そうになります。
私も今、こういう気持ちです。。


急いで過ぎ行く日々を
私は生きる 大地踏みしめて
あなたがいるから頑張れる
いつもありがとう ありがとう
本当にありがとう


(アルバム『PLACE TO BE』収録 上原ひろみ作詞・作曲「GREEN TEA FARM」より)

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以上で、楽曲ごとの感想終了です。



本当に素晴らしいアルバムです。
ひろみちゃんの音楽にかける果てしない情熱が、愛が、
「これでもか!」といわんばかりに熱く伝わってきます。


このアルバムは、「癒し」を求めている方にはあんまり向かないかも。。


ひろみちゃんの熱いパワーをがしっと受け止めて、
それを自分自身のエネルギーに変えていけるような人にオススメです。
(そういう過程もある意味「癒し」と言えるのかもしれないけど。)


ひろみちゃんのピアノと共に、世界旅行をしているような気持ちにもなれるアルバムです。


ご興味を持たれた方は、ぜひ聴いてみてくださいね。


12月のひろみちゃんのピアノ・ソロ・ツアーが今から本当に楽しみです!
ひろみちゃんはそのピアノを通して、今度はどんな世界を見せてくれるんだろう!
わくわくします。