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こまきのブログです。

好きな本紹介⑦〜「キャッチボール」(イチロー×糸井重里)

WBC、日本が優勝しましたね〜。
普段野球にとくべつ興味のない私でも、決勝戦は見ちゃいました。
そして野球選手に全然詳しくない私でも、
イチローってかっこいい!!」と思いました。


普段は「クール」とか「冷静沈着」というイメージのイチローが、
もう今回は感情を思いっきりストレートに出してましたよね。
WBC優勝決定直後のイチローのインタビューなんて、
もう興奮のあまり、全然マトモな話になってなくて(笑)
その様子を見ていて、
「あぁこの人は、本当に子どもみたいに
野球が好きで仕方がないんだなあ」と思いました。
素敵ですよね、イチロー


って事で。
今回はイチロー関連の本をご紹介です。


キャッチボール ICHIRO meets you

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この本私、いつ読んだかなあ。二年前ぐらいかなあ。
私は特にイチロー選手の大ファン!とかいうわけではないのですが、
この本が出版された頃、
ほぼ日刊イトイ新聞」サイト(http://www.1101.com/index0.html)で
この本の事が大々的に宣伝されていたので、
それで「面白そうだな」と興味を持って読んだような気がします。


この本は、2004年春に企画されたBSデジタル放送5局
BS日テレBS朝日BS-iBSジャパン・BSフジ)
の共同特別番組『キャッチボール・ICHIRO MEETS YOU』
をもとに、再構成を加えて出版されたものです。


この番組『キャッチボール・ICHIRO MEETS YOU』は、
イチロー選手が、2003年のシーズンに放った安打数と同じ数にあたる
212人のファンの前で、直接の対話を行う趣向の番組。
糸井重里さんがインタビュアーをつとめたそうで。


番組内で、ファンがイチローに対して質問した時のやり取りや、
イチロー糸井重里さんが対談した内容が
まとめられて本になっています。


この本を読んでいて、強く印象に残った部分を
いくつか引用して載せてみますね。



ぼくの場合は、打つ感覚をつかむ大きなポイントが二回あったんですけど、
それはいずれも凡打です。
通常は、いい打撃をする、ホームランを打つ、ヒットを打つ、
そういうことによって、「あ、自分はこれで大丈夫だ」と思うらしいんです。
ぼくもそうしてきたんですけど、その感覚って、続かないんです。
長く続くもの、強いものというのは、
「凡打をして、その凡打の理由がわかったとき」なんですね。
こういう体の動きをしてしまったから、こうなったんだ。
そういう答えが見えたときは、かなり強い感覚ではないかと思っています。
イチロー

成功したときに「うまくいった理由」がわかった時より、
失敗したときに「うまくいかなかった原因」がわかった時の方が、
自分にとっては勉強になる部分が多いし、その時に得たものは
自分の中で長く強く続いて行く、という事ですよね。
(解釈間違ってたらごめんなさい。)
うん、なんかこの気持ちって、わかるかも。。




あのヒットを一本打つのに、どれだけの時間を費やしているか、
あのヒットの一本が、どれだけうれしいか・・・・・。
もちろん、そのそぶりは、見せないですよ。
でも、ヒット一本って、飛びあがるぐらいにうれしいんですよ、実は。
2003年の200本安打のときなんて、涙が出ましたから。
イチロー

イチローみたいに、何でもできちゃうように見える選手でも、
「ヒット一本は、飛びあがるぐらいにうれしい」んですねえ。




以前は、ぼくは、何かができたとき、達成したときに、
自分の可能性を感じていたんですね。
自転車が乗れるとか、何かをできるようになった瞬間に
「オレってすごいことができるかもしれない」と。
子どもは、みんな、そうかもしれません。
でも今は、自分がわからないことに遭遇するときや、
知らないことに出会ったときに、
「お、自分はまだまだいける」って思うんです。
そこに、たのしみがある・・・・・。
イチロー

うぅむ、深いです。。




<イチロー>ぼくが小さい子によく言うのは、「野球がうまくなりたかったら、
できるだけいい道具を持ってほしい。そしてしっかりとグラブを磨いてほしい」
ということと、「(学校の)宿題を一生懸命やってほしい」ということ、なんですね。


宿題をやる意味は、宿題そのものだけではないんですよ、実は。
なんでぼくがそれを大事だと思っているかといういうと・・・
大人になると、かならず上司という人が現れて、何かをやれ、
と言われるときがくると思うんですね。


子どもにとっていちばんイヤなことは、勉強することなんです。
よっぽど勉強が好きな人はおいておいて、
キライなことをやれと言われてやれる能力っていうのは、
後で必ず生きてきますよ。


ぼくが宿題を一生懸命やってよかったなと思うのは、そこなんですね。
プロ野球選手という、個人が優先される場所であっても、
やれと言われることがものすごくあるわけです。
だったら、一般の会社員になって、そんなことは毎日のことのはずです。
だから、小さい頃に訓練をしておけば、きっと役に立つと思うんです。
やれと言われたことをやる能力っていうのは、かならず役に立つ。
「自分は野球が好きだからそれだけやってればいいや」といって
宿題を放棄してしまったら、後で大変な思いをすると思うんですよね。
宿題をやると、そりゃ、ストレスになりますよ。イヤなことですから。
でも、そうするとこんど、体を動かしたくなるんですよね。<糸井>なるほど。<イチロー>すると、バッティングセンター行って、
ちょっと打とうか、って思うわけなんですよ。
そういう練習っていうのは、意外と効果的なんですよね。<糸井>やりたくてしょうがない練習になるわけですね。<イチロー>そうです。やらされる練習じゃないから。
そうすると、いろんなことが、こう、うまくまわってくるんですよ。


<糸井>買えば買えるグラブを、ずーっと手入れする気持ち。<イチロー>そうですね。そこにやっぱり、気持ちが芽生えてきますから。
グラブを手入れするっていうのは、それだけの意味ではないんですよね。
作ってくれた人に対する感謝、小さい子なら、
買ってくれた人への感謝の気持ち。自分のプレイに対する愛情。
こういうところが、グラブを磨くことで、とても変わってくるんですよ。
ですから子どもたちに、グラブの手入れをしろ、っていうのは、
決して「きれいにしろ」というだけの意味ではありません。
そのグラブで練習したことっていうのは、
体に、かならず残るわけですよ。記憶が体に残っていく。
でも、何も手入れしていない汚いグラブでプレイしていたら、
その練習は、記憶には残らないですよね。
そういう意味もあるんですよ。

なるほどなぁー。
「宿題」の話も、「グラブの手入れ」の話も、
どっちもすごくいい話だと思います。




<糸井>ひとつは、野球をやり続けていながら、
億万長者みたいな人になっているわけですよね。
そこで、イチローっていう人が考える、お金っていうのは何でしょうか。<イチロー>うーん。
・・・野球をすることによって発生してるものは、対価ともいえます。
今回、四年という長い契約をしましたけど、すごい金額ですよね。<糸井>ええ。<イチロー>あれは、この三年間、ぼくがやってきたことへの評価も
当然あると思うんですけど、
野球ファンだけではない人たちに影響を与えている、
そのことへの評価だと、ぼくは思っているわけです。
野球ファンや、球場に来てる人だけをたのしませるだけでなく、
チームの勝利に貢献するだけでもない。
そうじゃないと、あんな評価は絶対に出ません。
だからぼくは、そのことをすごく重く感じています。
野球ファンじゃなくても、ぼくの姿を見て、
励まされる人たちがたくさんいるかもしれない。
ひょっとしたら、犯罪を犯して立ち直れなくなった人たちがぼくを見て、
勇気づけられてるかもしれない。立ち直るきっかけになってるのかもしれない。
・・・そうやって考えると、ぼくにとって、お金というものは、
ものすごく重いんですよね。


(「キャッチボール・ICHIRO MEETS YOU」より)

これ、読んで感動しました。
まさしく今回のWBCでは
「野球ファンじゃなくても、選手たちの姿を見て励まされた人」
っていうのがたくさんいたわけですよね。
そういうの、イチロー選手はきちんと認識してて。
そういうのも、自分の年俸の評価になっている、と。


それを自分で自覚する事って、
ものすごく重責を感じる事なんじゃないかなぁー、と思います。
だけどそんな中でもしっかりと「結果」が出せる。
なんかやっぱり、イチローって神様レベルで
すごい人なのかなぁ、と思ったりします。


                                                                    • -


WBCが終わった後に、この本
「キャッチボール・ICHRO MEETS YOU」を
ざっと読み直したんですけど、とっても面白かったです。


最近すごく思う事なんですけど。。
プロの人、本当にすごい事をやっている人、
何かを究めた人の話の中には、
「全ての物事に通じる大切な事」っていうのがあるんですよね。


ジャンルは違っても、「本当に大事な事」というのは、
どの職種でもきっと同じなんじゃないかと思います。


この本の中でイチローは野球の話をしているわけですが、
でもその話の中には私達の日常生活や仕事にも通じる話が
いっぱいあるように思います。
だから野球に詳しくない私がこの本を読んでも、面白いんですよね。


これは梶原順さんの
4CREATOR.COMサイト内のブログ(http://www.4creator.com/blogs/
を読んでいても思う事です。
梶原さんはあのブログの中で、音楽の話をしているわけだけど、
やっぱりその中には私達の日常生活に通じる「大切な事」が
あるように思います。


・・・って、話がちょっとそれちゃいましたけど。
とにかくこの「キャッチボール・ICHIRO MEETS YOU」という本は
いろんな意味でとっても面白い本だと思うので、
ご興味を持たれた方は、ぜひ読んでみて下さいね。