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こまきのブログです。

エイプリル・フール

4月1日。新年度スタートです。


そして今日は、エイプリル・フールですね。
「害のない嘘をついてもよい」という日。


子どもの頃って、このエイプリル・フール
「嘘をついてもよい」という響きに、ものすごくわくわくしたものでした。


子どもの頃って、たいてい親から
「嘘はついちゃいけません」って教えられるじゃないですか。
でも、この4月1日エイプリル・フール
「大っぴらに嘘をついてもいいんだ」と思って
なんだかどきどきわくわくしました。


幼い日の私は、4月1日にいったいどんな嘘をついてたんだろう?
いま一生懸命思い出そうとしているんだけれど、
どうしても思い出せません。
どうせたいした嘘はつけなかったんだろうな。


子どもの頃は「嘘をついてもいい」という事に憧れていたんだなあ。
大人になると、「嘘のない生き方」というものに、憧れるんだけどな。



大好きな詩をひとつ、ご紹介します。



「うそ」谷川俊太郎


ぼくはきっとうそをつくだろう
おかあさんはうそをつくなというけど
おかあさんもうそをついたことがあって
うそはくるしいとしっているから
そういうんだとおもう
いっていることはうそでも
うそをつくきもちはほんとうなんだ
うそでしかいえないほんとのことがある
いぬだってもしくちがきけたら
うそをつくんじゃないかしら
うそをついてもうそがばれても
ぼくはあやまらない
あやまってすむようなうそはつかない
だれもしらなくてもじぶんはしっているから
ぼくはうそといっしょにいきていく
どうしてもうそがつけなくなるまで
いつもほんとにあこがれながら
ぼくはなんどもなんどもうそをつくだろう


谷川俊太郎詩集「はだか」より)

共感する部分の多い詩です。


「いっていることはうそでも
うそをつくきもちはほんとうなんだ」とか。なんかわかるな。


「うそをついてもうそがばれても
ぼくはあやまらない」から
「ぼくはうそといっしょにいきていく」のくだりは
強い決意みたいなものが感じられて好き。


そしてやっぱりラストの


「どうしてもうそがつけなくなるまで
いつもほんとにあこがれながら
ぼくはなんどもなんどもうそをつくだろう」


この言葉がどーんと来ます。
そうそう、そうなの、って思う。
ものすごく共感します。



嘘について語りながら、ほんとうの気持ちを語ってる。
すごい詩ですよね。



今は午後の11時半過ぎ。


私に何かを思い出させようとするような、
そんな感触の雨が降っています。