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こまきのブログです。

「国府弘子@神戸ウィンターランド」ライブレポ!

komaki-13252006-10-01

●2006年10月1日(日)
国府弘子ピアノソロ・ツアー in 神戸
『音のおしゃべり、音のお料理』」


【会場】

神戸ウィンターランド
http://www.kobewynterland.info/


【出演者】
国府弘子(P)



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【※注!ネタばれあり!!】



憧れの国府弘子さんのライブを、初めて見に行きました。


私は今まで国府さんのCDは「ピアノ・ヴォイセス」を
一枚レンタルして聴いただけなので、
私が「憧れている」とかいう言葉を使うのは
おこがましいのかもしれないけれど、
でも、国府さんにはすごくすごく憧れていました。異様に憧れていました。


私が初めて国府さんの演奏をCDで聴いたときに感じた事は・・・
「なんて親しみを感じるピアノなんだろう」という事です。


私は国府さんの演奏を聴きながら、
「このピアノを弾いている人に、自分の悩み事を全部話してみたい」と
そんな気持ちさえ抱きました。


きっと国府さんは受けとめてくれるに違いない。
あたたかく包んでくれるに違いない・・・とそんな事を思いました。
それぐらい親しみを感じるピアノだったのです。


以前国府さんがパーソナリティーをつとめるラジオ番組に、
本田雅人さんがゲスト出演したことがありましたが、


☆2005/11/27の日記「きのうのテレビ&ラジオ」
http://d.hatena.ne.jp/komaki-1325/20051127


その時の国府さんの、本田さんに対する
細やかなあたたかい気遣いもとても素敵でした。


そのラジオ番組を聴いて、「なんて素敵な方なんだろう」と
ますます国府さんへの憧れの気持ちが高まりました。


友達なわけじゃないのに、「国府ねえさん」と
思わず親しみをこめて呼びかけたくなるような方。


そんな憧れの存在、国府弘子さんのピアノを、
地元神戸ウィンターランドで、今日初めて生で聴いてきました。


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小雨降る神戸。
神戸ウィンターランドには、開場を待つ人たちが並んでいました。


・・・なんか、客層がいつも自分が行くライブとは違う〜。
スーツ姿の男性も多く見かけます。「紳士淑女な方々」って感じ。
私みたいなのがいてもいいのか?とちょっとどきどき(^^;


開場してライブハウス内に入りました。
国府さんのスタッフらしき方が数人いらっしゃいます。
どのスタッフの方も雰囲気がどことなくシックで、
身のこなしや話し方も洗練されています。おおお。


そんな感じで、なんとなくいつもより「大人」な雰囲気漂う
ライブハウス内になっていたのですが、居心地悪くはなかったです。
落ち着いていていい感じでした。


驚いたのは、セッティングがセンターステージ形式だったこと!
客席スペースのほぼ真ん中に、グランドピアノ。
まさか国府さんのライブがこのセッティングで見られるとは
思いませんでした〜。


どこに座ろうかな、とさんざん迷った挙句、
国府さんの手の動きがしっかり見えそうな位置の席を選んで座りました。



開演の時間になりました。
私のすぐ横を通って国府さん登場!きゃ〜〜。


チャイナドレス風?の、赤色ベースの
小花柄模様の細身のドレスを着た国府さん。
長いふわふわの髪。
素敵です〜。


国府さんはピアノの前の椅子に座って、
自分の中で何かを統一させるように、しばらくじっと目を閉じていました。


少し時間が経ってから、ピアノを弾き始めた国府さん。
その指先からひそやかにひそやかに
奏でられ始めたメロディーは・・・


「ちいさい秋みつけた」でした。
ちょっと意表をつかれた感じで、会場のあちこちから小さな驚きの声が。


「ちいさい秋みつけた」の演奏が終わるかと思えば・・・
そのまま曲を繋げて、次の曲へ。
数曲がメドレー形式で演奏されました。
「ちいさい秋みつけた」「月の砂漠」「きらきら星」
見上げてごらん夜の星を」など。
どの曲もよく耳になじんだメロディーのものばかり。


星や宝石がきらめくように、音がきらきらときらめいて飛び散ったり、
和音が深い海を思わせるようなトーンで自分の心の深い部分に届いてきたり。
国府さんのピアノを聴きながら、私はいろんな景色や感情の中を、旅をしました。


しんとした空間の中で、ものすごい集中力でピアノを弾く国府さん。
「レディ・ムーンライト」も「サクセス・ムーン・ダンス」もすばらしかったです。
(「サクセス・ムーン」とは、「何でもうまく行くよ」という意味なんだそうです。)


本当に一曲一曲、心の、体のすみずみまでピアノの音が響き渡ってしみ渡って、
私はずっと目にいっぱい涙をためた状態で聴いていました。
一曲一曲に、ひとつひとつの音に、本当に泣きそうなぐらい感動したのです。
うわぁ私どうしたのかな、涙腺がぶっ壊れちゃったのかな、と思いました。


今日のライブは、ソロピアノライブです。
ベースもドラムスも何もない、本当に「ピアノだけ」の世界。


ピアノの音が生まれて、
そして減衰してやがて消えていくまでの感触を、
他の何の音にも邪魔されることなく、
すみずみまで存分に味わうことができました。


一部最後の曲は「忘れないよ」。
国府さんがこの曲タイトルを言った瞬間に、
もう既に泣きそうになっている私。


「皆さんの中にもいろんな想いがあると思います。
私の中にもいろんな想いがあります。
自分の、たくさんの大切な人たちの事を思い浮かべながらこの曲を作りました。
その中の一人は、亡くなった方もいます。
私はピアノを弾く時、いつもその方が自分のそばにいてくれるような気がします。
みなさんも自分のいろいろな想いを重ねながら、この曲を聴いてください。」


演奏前にそう語った国府さん。
そして始まった「忘れないよ」の演奏。


もう聴いていて、いろんな想いが自分の中にこみあげてきて、
またまた涙目で聴いてました。
本当にすばらしかったです。感動しました。



休憩をはさんで、二部スタート。
二部は、一部よりリラックスした雰囲気の中で進んでいきました。


国府さんのジャズ・ピアノ教室「ジャズ男とジャズ子」(笑)のコーナーや、
観客が国府さんに弾いて欲しい曲をリクエストして、
国府さんがそのリクエストされた数曲を、
メドレー形式でつなげて演奏したりとか。
メドレーの中で、私がリクエストした「ムーン・リバー」も
弾いてくださいました。わーい♪


そういうくだけた楽しい企画ものコーナー(?)の後に、
また普通のスタイルで数曲演奏。
「サマー・タイム」よかったなぁ。渋かった。。


ライブのラストに演奏された曲はポリスの「見つめていたい」。
この曲は国府さんにとって思い出の曲なんだそうです。


国府さんがニューヨークに単身留学中(?)に、
いろいろ上手くいかなくてしんどかった頃、
家に帰ってMTVをつけるとずっと流れていたのが
この「見つめていたい」だったんだそうです。
なのでこの曲を聴くと、その頃のことを思い出す、と。。


いろんな想いがこもった国府さんの演奏を聴いて、また私、涙目に。



ライブは約二時間で終了しました。
どれも本当に素晴らしい演奏でした。


国府さんのピアノを聴きながら、
国府さんのピアノの音と自分の心があたたかく絡み合い、
とけ合っていくような感触を、何度も何度も感じました。
その感触を感じるたびに、私は涙目になりました。


国府さんのピアノを、音楽を聴くことを通じて
私は国府さんと親密な気持ちでたくさん語り合い、
たくさんわかり合ったような気持ちになりました。


国府さんは、親しみを感じさせてくれる方であると同時に・・・
品格を兼ね備えた方でもありました。きりっとした品格がありました。
国府さんは、そういうのを決してひけひらかしたりはしないけれど。
(そこがまた素敵)


国府さんは、たくさんの時間と経験と想いをかけて、一生懸命努力して、
自分自身というものを打ち立ててきた方なんだろうな、と思いました。
演奏を注意ぶかく聴いていると、何となくそういうのがわかるのです。
国府さんにもきっと、いろんな道のりがあったんだろうな。。と思いながら
国府さんのピアノを聴いていました。



ライブ会場で、今日のライブで演奏された「忘れないよ」が収録されている
国府さんのベストアルバム、「ウェルカム・ホーム」を買いました。


ライブ終演後にサイン会があったので、国府さんにサインも入れていただきました。
嬉しかったです。


今日のライブで「忘れないよ」を聴いて感動した時の気持ちを、
ずっと覚えていたいなと思います。



初めて国府さんのライブに行けて嬉しかったです。


CDを聴いて私が想像していたとおりの人柄の国府さんが、そこにいました。
初めて会った人のような気がしませんでした。
前からよく知っていた大好きな人に、再会したときみたいな気持ちでした。



ライブハウスを出て、帰り道に思いました。
私が実際に国府さんに自分の悩み事を相談するような機会は
もちろんないだろうけど・・・
でも今日、国府さんのピアノを聴く事を通じて、
私は国府さんにたくさん自分の話を聞いてもらったんだなあと。
国府さんにあたたかいあいづちを打ってもらい、
大きく包み込んでもらったんだな、と。
そのピアノで、音楽で。


これが音楽なんだな、と思いました。
音楽ってすごいな。本当にすごい。


そんな幸せなあたたかい気持ちを、自分の中で大切に抱きしめながら、
私は駅へ向かって歩きました。


ああもう何だかとってもメロドラマな文章ですいません。恥ずかしい。
上手く気持ちが伝えられません。
何だかいま、感無量なんです。



地元神戸で、憧れの国府弘子さんのピアノを初めて聴く事ができて、
本当に嬉しかったです。


また素敵な国府さんに、会いに行きたいと思います。


国府さん、本当にありがとうございました。



国府弘子オフィシャルサイト
http://kokubuhiroko.net/