今日三宮に向かう電車の中で読み終えました。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1997/04/01
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 43回
- この商品を含むブログ (182件) を見る
思わずほうっとため息ついちゃいました。
すごーくすごーく良かったです。
今までに村上春樹さんの短篇集はずいぶん読んで来たのに、
なぜかこの「中国行きのスロウ・ボート」は
読んでなかったんですよね。ずっと気になってたんですけど。
この「中国行きのスロウ・ボート」は春樹さんの一番最初の短篇集。
「僕」という一人称によって語られる世界。
このなんともいえない読後感。孤独の感触。
初期の春樹さんの魅力がいっぱいです。
読みながら
「やっぱり私は、初期の春樹さんのこの世界が好きなのかなあ」
とか、ちょっと思っちゃいました。
あぁ〜、この短篇集もっと早くに読んでおけば良かったなぁ。
でも一方では「今読んだからこそ」良かったのかも、とも思ったり。
この短篇集の中で特に好きだったのは
「中国行きのスロウ・ボート」と「カンガルー通信」と
「土の中の彼女の小さな犬」と「シドニーのグリーン・ストリート」の四篇。
「シドニーのグリーン・ストリート」はフィクションの中でも
「超フィクション」の部類に入ると思うし、
受け付けられない人は全く受け付けられないと思うけど、
私は全然オッケーです。大好き。
虚構を語る事によって、語られる真実がある。
それが春樹さんのフィクションの世界。