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こまきのブログです。

村上春樹短篇集「中国行きのスロウ・ボート」

今日三宮に向かう電車の中で読み終えました。


中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

読み終えて、ぱたんと本を閉じた後、
思わずほうっとため息ついちゃいました。
すごーくすごーく良かったです。


今までに村上春樹さんの短篇集はずいぶん読んで来たのに、
なぜかこの「中国行きのスロウ・ボート」は
読んでなかったんですよね。ずっと気になってたんですけど。


この「中国行きのスロウ・ボート」は春樹さんの一番最初の短篇集。
「僕」という一人称によって語られる世界。
このなんともいえない読後感。孤独の感触。
初期の春樹さんの魅力がいっぱいです。


読みながら
「やっぱり私は、初期の春樹さんのこの世界が好きなのかなあ」
とか、ちょっと思っちゃいました。


あぁ〜、この短篇集もっと早くに読んでおけば良かったなぁ。
でも一方では「今読んだからこそ」良かったのかも、とも思ったり。


この短篇集の中で特に好きだったのは
中国行きのスロウ・ボート」と「カンガルー通信」と
「土の中の彼女の小さな犬」と「シドニーのグリーン・ストリート」の四篇。


シドニーのグリーン・ストリート」はフィクションの中でも
「超フィクション」の部類に入ると思うし、
受け付けられない人は全く受け付けられないと思うけど、
私は全然オッケーです。大好き。


虚構を語る事によって、語られる真実がある。
それが春樹さんのフィクションの世界。