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こまきのブログです。

映画「ライトニング・イン・ア・ボトル」

2003年アメリカでは、ブルース生誕100年の記念事業として、
「イヤー・オブ・ザ・ブルース」の名のもとに、
マーティン・スコセッシ製作指揮による
7本の長編ドキュメンタリー映画「The Blues Movie Project」が製作されたり、
ラジオ、CD、出版、学習教材など様々なメディアで
ブルースを再評価する試みが展開された。


そのプロローグにして、最大のイベントとなったのが
2月7日の夜にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで
行われたコンサート「サルート・トゥ・ザ・ブルース」である。
ブルースへの最大限のリスペクトが込められたこのコンサートは、
約6000人のキャパシティを持つ
ラジオシティ・ミュージックホールが満席となり、
B.B.キング、バディ・ガイといったブルース界の大御所から
エアロスミス、ネヴィル・ブラザーズ、
ソロモン・バークメイシー・グレイに至るまで、
総勢50人を超える一流ミュージシャンたちが
5時間にもわたる熱いステージを繰り広げた。


本作『ライトニング・イン・ア・ボトル』
ラジオシティ・ミュージックホール 奇蹟の夜〜は、
まさに“奇蹟の一夜”と呼ぶに相応しいこのコンサートの
興奮と感動を余すところなくフィルムに焼き付けた
長編音楽ドキュメンタリーである。
(映画「ライトニング・イン・ア・ボトル」パンフレットより抜粋)

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私はこのライブムービー「ライトニング・イン・ア・ボトル」を
今年の3月下旬に見に行きました。
もー、すっばらしかったです!!大興奮!!
「私みたいな、何の知識もない人が見ても楽しめるのかなー?」と不安でしたが、
そんな事、全然関係なかったですね。楽しかったー!
最初っから最後まで、すっごいミュージシャンが
じゃかじゃか出て来るんですよー!
そのミュージシャンに対する知識がなくても、
聴いて心で「すごい!!」と判断する事はできますからね。
もうほんとこれは、「奇蹟の夜」だね!って感じでした。
最初から最後まで、ずうっとどきどきしながら見てました。


特に印象に残ったアーティストは。。。


アンジェリーク・キジョー
彼女の歌声が会場いっぱいに広がった瞬間、
目の前にアフリカの広い広い大地が、ぶわーっと見えてくるようでした!


インディア・アリー
なかなか凄惨な内容の歌詞を歌っていたんですよね。
だけどその悲惨な内容の歌詞を歌う彼女の姿はとても綺麗で、美しくて。
それがすごく不思議で。
映像的にとても綺麗で心に残ったアーティストです。


ナタリー・コール
もうひたすら「素敵いいぃ〜〜」とうっとりしてました。
素敵すてき。


バディ・ガイ
すごく不思議な声でした。深い漆黒の輝きを持つ声。
自分の心への響き方が、すごく不思議な感じの声でした。
ギターがすんごくねちっこくていやらしくって、
聴いてて何だか「きゃあぁ〜」って赤面しちゃう感じでした。
かっこ良かったです。


●ルース・ブラウン
歌もかっこ良かったけど、彼女のキャラが大好きでした。
「葬式じゃないのに、こんなメンバーが集まったのよ!」のセリフ、
いかしてたなあ。


ソロモン・バーク
貫禄ですねえ。
ひたすら楽しいセッション!て感じでした。ほんと楽しかったです。


●B.B.キング
そして何といってもこの映画を見て良かったと思ったのは、
B.B.キングの歌に出会えた事!
この映画では、ラストのステージを彼が飾っていました。
もちろん彼の名前は知ってたけど、恥ずかしながら私はこの映画で
初めてB.B.キングのステージを見ました。聴きました。


ありふれた表現で申し訳ないですけど、もう彼の歌は本当に
「魂の叫び」としか表現のしようがないです。他に言葉が思いつかない。
彼自身が、本当に「魂のかたまり」となって歌っているような、
そんな感じだったんですね。すごかった。。。
もう私、すっかり圧倒されてしまって。
「歌の意味って、こういうものなんだな」とまで思いました。


私はインストものの世界に4年前に出会ってから、
それ以来自分の中で「歌」というもののステイタスって
どんどん下がっていく一方だったんですよ。
「器楽演奏を聴く楽しさに比べたら、歌なんて」って感じで。


でもB.B.キングの歌を聴いたら
「やっぱり歌って、すごいんだなああ」って、心の底から思ってしまいました。
その歌を、人間がつくり出しているっていう事にもすごく感動して。
人間って、すごいんだなあと思ったし。
なんかそう思えた事も、嬉しかったし。


ほんとこの映画で彼のステージを見れて良かったです。
私の中で「歌」というものの概念を、根底からひっくり返してくれた
B.B.キングに心から感謝!!


この映画「ライトニング・イン・ア・ボトル」を見て、
ブルースの深い長い歴史も感じる事ができたし。
その国の歴史的背景とか、文化とか、生活習慣とか、体の中に流れる血とか、
そういうのが、ぜんぶぜんぶ音楽に繋がっていくんだなあ、っていうのも
改めて実感したし。


ほんとこの映画、見てよかったです。
あっという間の二時間でした。
終わるとき「えっ、もう終わっちゃうの??」ってさみしかったですもん。
それぐらい夢中で見てたって事ですね。
実際のライブは5時間あったそうですけど、この内容なら5時間見ても
きっと全然長く感じなかっただろうなあ、と思いますね。
生でこの素晴らしいライブを見る事ができた人達が羨ましいです。
この映画のDVD出たら、絶対買うぞー!


映画「ライトニング・イン・ア・ボトル」公式サイトはこちら!
http://www.nikkatsu.com/movie/lightning/