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こまきのブログです。

梶原順ニューアルバム『Triple Acoustic Guitars』収録曲感想6~「The Courage」

最近、朝目覚める時のスマホのアラーム音(曲)を、この曲「The Courage」に変えました。
きっと今、朝目覚めるときに、「希望がいっぱいのわくわくした気持ちで目覚める」という人は、なかなかいないんじゃないかと思います。
私もそうです。こういう状況だし・・出勤するのも、正直とても怖いし。。。
朝が来ると、「ああ朝が来てしまった」と思ってしまいます。
そもそも夜もあんまり眠れなくて何度も目が覚めるし(そういう人も多いと思う)、でも朝は容赦なくやって来て、
スマホのアラーム音が鳴り始めると「あああ・・」と思いながら、重い気持ちと体をなんとか必死で持ち上げてベッドから出ていました。

 

でもこの「The Courage」をアラーム音に変えてから、朝いちばんのアラーム音を耳にする瞬間の強いストレスが、私の中でなくなったような気がします。
この曲のイントロのメロディーは、今の私に何のストレスも摩擦も与える事なく、心に体に、優しくすうっと自然と入ってきます。

 

この曲のいちばんの聴かせどころのシーンは、なんといっても中盤の、曲のダイナミクスがとても壮大な感じで広がっていくシーンではないでしょうか。
このシーンの演奏を聴くとき、「聴いている皆さんひとりひとりの心の中には、一体どんなイメージが広がっているのかな。。」と思います。


私はこの壮大なシーンを聴いていると・・
夜明けに、何もない広い大地の地平線の向こうから、ゆっくりと昇っていく朝日が見えます。
力強くぐんぐん昇っていく朝日と、その太陽の光が大地をだんだんと広く照らしていく光景が見えます。
朝日は高く高く、てっぺんまで昇っていく。。。

 

「音楽の魅力はダイナミクスにあると思う」と、梶原順さんは以前のライブのMCで語ってらっしゃいました。
演奏を聴きながら音楽のダイナミクスを感じるとき、
聴いている私の心もその音楽とともに、どこまでも大きく広がったり、小さく縮んだり、ものすごい幅で伸縮しているような気がします。
朝日のように、高い高いところまで昇る事もできる。何も物音が聞こえないような、深海の底まで潜る事もできる。
音楽と一緒に、横にも縦にも、その他のいろんな方向にも、いろんな角度で、いろんな温度で、いろんな感触で伸縮する。。

 

暗いニュースばかりの見通しの立たないつらい日々です。
気をつけていないと、心がかちかちの石ころみたいに小さく硬くなってしまいます。
今はライブには行けないけれど、今自分ができる方法で音楽を大切に聴きながら、
その音楽のダイナミクスとともに、自分の心をどこまでも大きく伸ばしたり、小さく縮めたりして、自分の心の弾力性を保っていたいと思います。
弾力性を失ってしまった劣化したゴム風船みたいに、ちょっとふくらんだだけですぐに割れてしまうようなものに、自分の心がなってしまわないように、
たくさん素晴らしい音楽を聴いていたいと思います。

 

この曲タイトル「The Courage」の意味は、「勇気」です。
シンプルにして奥深い、素敵なタイトルだと思います。

 

明日の朝もこの曲で目覚めよう。ベッドから出よう。
音楽に勇気を与えてもらいながら、この予測のつかない答えの出ない日々を、とにかく私なりに一生懸命に生きよう。

 

そしてまたいつかこの曲を、ライブ会場で聴きたい。
高く昇っていく朝日を、夜明けを、ライブ会場で感じたい。
今そこで鳴っている音が空気を震わす振動を、自分の心と身体で感じながら、音楽を愛する人たちと一緒に、またいつか必ずライブ会場で聴きたい。

そう強く思います。

 

 

Triple Acoustic Guitars

Triple Acoustic Guitars

  • アーティスト:梶原順
  • 発売日: 2020/01/29
  • メディア: CD