It Will Be Fine!

こまきのブログです。

好きな本紹介17〜「おとなになるってどんなこと?」(吉本ばなな)



今からたくさんすぎるほどの言葉を本文で伝えていきますけれど、たったひとつ言いたいことは、
「大人になんかならなくっていい、ただ自分になっていってください」ということです。それがみなさんがこの世に生まれてきた目的なのです。


(中略)


気持ちがぶれてしまったときや自分でも自分が信じられないほどに落ち込んでしまったとき、この本を手にとりしばらく読み返せばいつのまにか自分の内面が調律できる、もとの軸に戻れる。
そういうお守りみたいな本が作りたかったです。


(「おとなになるってどんなこと?」(吉本ばなな著)より)

…というしびれる序章から始まるこの本、本当に読んで良かったです。
(「自分の内面を調律」って、なんて素敵な言葉なんだ!)


昨年の夏に出版された本で、ずっと気になっていたのですが、なかなか読む時間が取れず。。
今年の1月に、やっと読めました。


“ばななさんの”価値観で語られているので、
読んでいて「私はそこはちょっと違うな」と思うところもありましたが、
でも読んでいてすごく励まされたし、
自分の歩いてきた道のりや価値観を見つめ直す事もできたし、
ばななさんに新しい価値観も与えてもらいました。


読み終えた後に、
「自分の内面を調律」するためのアイテムが、自分の中にしっかりと増えたのを感じました。



私がこの本を読んでいちばんぐっときた文章を引用して載せますね。



辛いことは、その場ではほんとうに辛いし自分を深いところまでゆがめるけれど、あとで必ずなにかの土台になります。そう思って辛抱するしかないんです。ポジティブ思考でも立ち向かえないし、ないことにもできません。みじめでちっぽけな自分と向き合い、砂を噛むみたいな毎日はきっと人生に必須な科目なんですね。


(中略)


いちばんだいじなことは、自分の中にいる泣き叫んでいる子どもを認めてあげることです。ないことにしないことです。そうすると心の中に空間ができて、自分を大丈夫にしてくれるのです。
どんな年齢になってもそれは同じだと思います。
大人になるということは、つまりは、子どもの自分をちゃんと抱えながら、大人を生きるということです。


(「おとなになるってどんなこと?」(吉本ばなな著)より)

…これは本当に読んでて、「きた」なぁ。。
これから先、何度も何度も読み返すと思います。



そして、ほぼ日刊イトイ新聞サイトで、
吉本ばななさんと糸井重里さんのおふたりによる、
この本「おとなになるってどんなこと?」に関連した対談記事が掲載されています。
こちらもとても興味深い内容です。



☆吉本ばなな&糸井重里 対談「ほんとうのおとなになるために。」



ばななさんがおっしゃるように、「隙間」、本当に大事だと思う。。。



このほぼ日の対談を読んでみてから興味が持てたら本を読んでみるのもよし、
本を読み終えてからほぼ日の対談を読んで、さらに自分の中でいろんな事を深めていくのもよし・・って感じです。


本当にうすい本だし、内容もとても読みやすいので(イラストも素敵)、
普段あまり本を読む習慣がないかたにもおすすめです。


読み終えた後に「あー、読んで良かったーーー。」って心から思えた本です。
読んでいる間、たのしかったし。
そういう本に出会えたときって、幸せです。


ご興味を持たれたかたは、ぜひ読んでみてくださいね。