It Will Be Fine!

こまきのブログです。

好きなアルバム紹介30〜「The Nightfly」(ドナルド・フェイゲン)



今回紹介するのは、
Steely Danのメンバー(という言い方でいいのかな)ドナルド・フェイゲンのソロアルバム
「The Nightfly」です。


もう、完璧なアルバムですね。
何から何まで。


私は素人だけど、聴いていると
「うわぁ、これは別格の作品だな。」って、なんとなく直感的にわかります。




あらゆる意味で、あらゆる面で、隅々まで凝りに凝って作られているのに(ものすごい完璧主義だなぁ。。)、
同時に最高にエンターテイメントな作品だと思います。
そこのバランスもすごいなぁと。


アルバム全体の長さもちょうどいいと思います。
通して聴き終えた直後に「あぁ、もう一回聴きたい!」と思わせる絶妙の長さ。


ジャケット写真もかっこいい。



参加ミュージシャンもすごいですね。


ジェフ・ポーカロ
アンソニー・ジャクソン
ランディ・ブレッカー、
マイケル・ブレッカー
ラリー・カールトン
マーカス・ミラー
ティーブ・ジョーダン、
ウィル・リー


などなどなど。。



最近私、このアルバム「The Nightfly」ばっかり聴いてます。


アルバムの中で特に好きな曲の感想を個別に書いていきますね。
(数字はトラックナンバーです。)


                                                    • -

●1. 「I.G.Y」
疲れている時によくこの曲を聴きたくなります。
どこか哀愁のあるこの曲のメロディーは、疲れた身体や心にじゅわっと染み込みます。
その感触にとっても癒されます。
(歌詞は別に全然癒し系じゃないんですが。)



●2. 「GREEN FLOWER STREET」
もう、ハードボイルドでめちゃくちゃかっこいいですね。
きゅっと引き締まってる。


ドラムのジェフ・ポーカロの、無駄なものを一切削ぎ落としたシンプルな深いビートも最高。


ほんの少ぅしハスキーなボーカルも、このハードボイルドな曲の雰囲気にぴったりです。
独特な手触りのボーカルだなと思います。
布の端っこが、ほんの少しだけざらついているような、そんな感触の絶妙なハスキーボイス。


歌詞もほんとにかっこいい。
・・とか書くと、「あなたこの難解な歌詞の意味本当にわかってるのか」と言われちゃうかもしれないけれど、
でもスティーリー・ダンとかドナルド・フェイゲンの曲の歌詞って、
一行一行意味を考えて「解釈」していくタイプの歌詞ではないように私は個人的には思います。
(解釈しようとしたって絶対わかんないと思う。)


歌詞をそっくりそのまま「感じて」「受け取れば」いいんじゃないのかな。
歌詞が発しているもの、醸し出しているもの、その世界観をそのままに。
なんとなくそう感じます。


この曲のラストでは、銃声が「ばきゅん!」と鳴り響くみたいに、
ギターが「きゅうん!」と鳴ります。
悲痛な声で。
その終わり方もセクシーでとても好き。



●4. MAXINE
もう夢のようにあまく美しい、です。
とろとろに素敵に甘いです。
恋の歌ですね。
聴いていると、うっとり酔うような感じになります。


ラストに鳴り響くホーンセクションも本当にきれい。
なんだか夢の世界みたいですね。


「だけどその日まで 我慢しようね マキシン」


だって。
うわあ。



●7. 「THE GOODBYE LOOK」
イントロが、よくできてるなあ。。エンディングも。
なんだか積み木遊びをしているような雰囲気で、面白い。。


goodbye look ・・・「別れる時の顔をぼくはしているんだね」っていう歌詞が、
なんだかとても切ない、です。



●8. 「WALK BETWEEN RAINDROPS」
2012年1月に「Plays Steely Dan」(メンバー:天野清継、梶原順、バカボン鈴木、鶴谷智生)のライブが三島アフタービートであった時、


この曲の演奏前に、MCで、
「WALK BETWEEN RAINDROPS・・って、どういう意味なんだろう?どんな感じなんだろう?」という話になって、


梶原さんがちょっと笑いながら
「こんな感じかな?」と、ひょいっ、ひょいっ、と雨粒をよけるような仕草をして、
それがもう壮絶に可愛かったです。はい。


(って曲紹介になってない。)



このアルバムの中で私、この曲がいちばん好きです。いちばんよく聴いてる。


なんなんだろうこのこの曲のこの楽しさは。ハッピーな雰囲気は。


ティーブ・ジョーダンのドラム素晴らしいです。
タイトなスネアの音、リスナーの身体のいちばん気持ちいい部分を確実に突いてくる。
聴いていると、喉のずっと奥の方、胸の真ん中あたり、を
「たんっ!」と心地よく叩かれるような感触がある。すごく気持ちいい。
「We vowed we'd never say goodbye」の歌詞の終わりで、「ぱしゅっ!」と鳴るシンバルも最高。
聴いてると「くう〜っ!」ってなります。


ギターは、曲の端っこ(ふち?)みたいな場所で、
終始気ままに楽しそうにぴょんぴょん跳ねたり、揺れたりしてる。


ウィルのベースが少しだけ微笑んでいるような低空飛行で、すべての楽しさをそっと引っ張って、支えてる。


ハッピーなミュージカルのように楽しい曲。
ほんとにたのしい。



「WALK BETWEEN RAINDROPS」って本当にどんな感じなのかな。。


最高に愛し合っちゃってるふたりには、そういうのも可能なのかもしれないな、って思ったりします。
この曲を聴いていると、本当にそんな風に思ってしまう。


聴いていると、雨粒をひょいっ、ひょいっ、と上手によけながら、雨粒の間を
手をつないで笑顔で走り抜けていくふたりの姿が浮かびます。