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こまきのブログです。

好きな曲紹介10〜「LEAVING HOME」

komaki-13252007-11-18

今日はギタリスト大村憲司さんの命日ですね。


私が大村憲司さんに出会うきっかけとなった曲、
「LEAVING HOME」について
今日は書いてみたいと思います。




2001年11月18日に、J&Bは『LEAVING HOME』というタイトルの
大村憲司さんのトリビュートアルバムをリリースしました。


[rakuten:asahi-record:11966444:detail]
アルバム収録曲は、
「LEAVING HOME」
「TOKYO ROSE」
「一期」
「Proud of You」
「Happy Puppy」
の五曲。


2001年の8月に初めてJ&Bのライブを聴いた私。
まだ「インスト」というジャンルにはまり始めたばかりで
何も知らない状態だった私は、J&Bの四人が敬愛する
大村憲司さんというギタリストの名前もそれまでは知らなくて、
このJ&Bがリリースした大村憲司さんのトリビュートアルバムによって
初めて知る事になりました。


大村憲司」という名前も、その人のギターも全く聴いた事がなかったのですが、
このJ&Bがリリースしたトリビュートアルバムの一曲目に収録されていた、
大村憲司さん作曲の「LEAVING HOME」を聴いて、
私はこの曲がいっぺんで大好きになってしまいました。


前向きで大きく力強く清涼感があり、
それでいて切なさみたいなものも感じられる
この楽曲のメロディーに、理屈抜きで私はとても強く惹かれたのです。


大村憲司という人がどんな人なのか、どんな人生をたどって来た人なのかも
この時はまだ全然知らなかったので、
そこにある「楽曲そのもの」自体を私は先入観ぬきで聴き、
何度も何度も繰り返して聴いて、深く愛しました。


とても前向きな曲だけれど、聴いていると・・・
「この曲の主人公は、心に痛みや切なさを抱えて、
新しい場所へ向かって行こうとしているのだ。」
と、何だかそういう事を感じました。
なぜだかわからないけれど、そう感じたのです。


その爽やかで力強いメロディーの中に含まれている「痛み」みたいなものを、
私は確かに感じ取る事ができました。
そしてそれが、私が「LEAVING HOME」という曲を大好きな、
大きな理由のひとつでもありました。


J&Bのライブで「LEAVING HOME」が演奏されると、すごく嬉しかったです。
大好きな曲だったから、演奏されると本当に嬉しかった。
どんなにつらい心境でいる時でも、J&Bのライブでこの曲が演奏されるたびに、
「またここから出発なんだ。」といつも新しい気持ちになる事ができました。
J&Bのライブ会場でこの曲を聴くときは、いつも涙目だったような気がします。



「LEAVING HOME」をライブで聴いていちばん感動したのは、
2003年8月の、渋谷AXでのJ&Bのライブでこの曲が演奏されたときです。
この日のライブで、私がいちばん聴きたかった曲でした。


あの日私は、J&B@渋谷AXのライブに参加するために乗った
東京へ向かう新幹線の中で、「LEAVING HOME」を聴いていました。
いろんな思いを重ねながら聴いていました。
そしてライブ会場へ向かう前に寄ったイシバシ楽器店で、
大村憲司展」で展示されていた憲司さんのギター達を見つめてきました。
「このギターで大村憲司は『LEAVING HOME』をよく弾いた」というギターを、
じっと見つめてきたのです。


「LEAVING HOME」は私にとって、本当に大切な曲でした。
だから、渋谷AXでのJ&Bのライブでこの曲が演奏された時は、
本当に本当に嬉しかったです。



あの渋谷AXのライブで、J&Bの演奏する「LEAVIG HOME」のメロディーが流れてきたとき・・・
私は無意識のうちに、自然と「歌詞を」口ずさもうとしました。
ごく自然に「歌おうと」しました。


そして口ずさもうとして、はっとしました。
「この曲には歌詞なんてないのに。」と。。
何やってんだろう私、と思いました。


そしてそのとき、
「私にとって憲司さんの曲は“歌”なんだな。」
と感じました。


私にとって、憲司さんの曲は「大きな歌」なのです。
気高く、誇り高い、大きな歌。。。



あの日渋谷AXで「LEAVING HOME」が演奏された時の空間は素晴らしかったです。
それは幸せでとてもあたたかい、勇気と希望と優しさに満ちた、
まるで光に包まれたような空間でした。
「大きいこころ」とはこういうものだと、ガンガン体感させてくれる、
本当に力強い、素晴らしい演奏でした。


私はあの空間で「LEAVING HOME」を聴きながら、
「これから、この時の演奏を思い出すたびに、
私は勇気をもらう事ができるだろう」と思いました。


そして、実際にそうなりました。
この時のあたたかい感情の記憶は、私をずっと励まし続ける事になりました。


あのライブで「LEAVING HOME」の演奏終了後に
沼澤尚さんが言った、「今、絶対憲司さん来てたよね」という言葉も
忘れる事ができません。



そしてその後2003年11月にリリースされた、
大村憲司さんの未発表ライブ音源集のアルバムを聴く事によって、
私は「大村憲司」という人の魅力に、より深くはまっていく事になります。



その時の経緯はこちらの日記にて。


☆2005/11/18の日記〜好きなアルバム紹介9「Leaving Home〜best live tracks2」(大村憲司)



「LEAVING HOME」は、私が大村憲司さんに出会う
大きなきっかけとなった大切な曲でもあるし・・・
その事を抜きにしても、私はJ&Bのアルバム『LEAVING HOME』に収録されていた
「LEAVING HOME」という楽曲自体が、本当に大好きでした。


落ち込んだりつらくなったりすると、
CDやMDウォークマンで、
J&Bのアルバム『LEAVING HOME』に収録されている
「LEAVIG HOME」をよく聴きました。
いつもこの曲に励まされ、勇気をもらってきました。
自分の中で本当に大切な、特別な一曲になっていました。



だけど、今年の4月に浅野祥之さんが亡くなった後、
自分にとっての大切な曲、この「LEAVING HOME」が聴けなくなってしまいました。
J&Bがもう二度と聴けないんだと思うと・・・つらくてとても聴けなかったのです。



そんな状態がしばらく続いていたのですが・・・


ライブで再び「LEAVING HOME」を聴く日が、やってきました。


今年の8月19日に広島JIVEで行われた『JIVE7周年記念ライブ』で、
地元広島のミュージシャンSmoky Kondoさんが「LEAVING HOME」を選曲し、
演奏してくださったのです。



☆2007/8/19の日記〜「JIVE7周年記念ライブ@広島JIVE」ライブレポ!



聴きながら涙をこらえるのに必死でした。
いろんな記憶が自分の中で鮮明に蘇りました。
2003年の渋谷AXのライブでこの曲が演奏されたときのこと、
地元神戸チキンジョージでこの曲を聴いたときのこと。。


自分でもびっくりするぐらい覚えていました。
過去にライブハウスでこの曲を聴いた時の、
ライブハウスの空間の雰囲気も、その時の自分の気持ちも。
つらい時にはいつもこの曲を聴いて勇気をもらっていた自分の気持ちも、
思い出しました。


そしてこの広島JIVEでのライブを境にして、
また私は再びJ&Bの演奏する「LEAVING HOME」を聴けるようになりました。
「今までと同じように、これからも大切にこの曲を聴いていこう」
と思えるようになったのです。


あの日広島JIVEで、浅野さんを、憲司さんを大切に想う人たちの演奏を聴いて、
またこの曲「LEAVING HOME」は私の中で力強く蘇りました。
それは私にとって、とても大切な意味のある事だったと思います。



あの広島JIVEでのライブ以来、ほんとうによく「LEAVING HOME」を聴いています。
つらくなった時や、何かを決断しようとする時に
真っ先に聴きたくなるのはこの曲です。
以前と同じように。



そして聴くたびに、
「憲司さんの曲は“大きな歌”だなあ。」
と思います。


憲司さんは、ちまちました歌は歌わない。
いつもとても大きな、高らかな歌を歌います。



不思議なことなんだけれど、憲司さんの楽曲っていうのは・・
誰がカバーしていても、奏者が誰であっても、
そこには「憲司さんのこころざし」というものがはっきりと感じられるような気がします。
大村憲司」というひとりの人間の主張が、
その楽曲からはっきりと聞こえてくるような感じがします。
奏者が憲司さんでなくても、そこに憲司さんがいる事が感じられるのです。


そういう事を感じるときに、
「憲司さんは生きてるんだなぁ。」と思います。
この気持ちを上手く言葉にはできないけれど。。


そして憲司さんの楽曲を聴きながら、その中に生きている憲司さんと、
私は心を交し合う事ができます。
「過去のもの」ではなく、生きた新しい影響を受け続ける事ができます。



J&Bがリリースした憲司さんのトリビュートアルバム『LEAVING HOME』で、
「LEAVING HOME」のメロディーラインを弾いているのは浅野さんです。
J&Bが演奏する・・浅野さんが弾く「LEAVING HOME」を聴きながら、私は
憲司さんを愛していた浅野さんに、思いをはせたりします。




「LEAVING HOME」は大村憲司さんが
故郷の神戸を“再出発”する時の思いがこめられた曲だそうです。


私が初めて「LEAVING HOME」を聴いた時に感じた、
「痛みや傷や切なさを抱えながらも、
大きなこころで新しい場所へ向かっていこうとする主人公の姿」・・・
それはおそらく、憲司さんという人そのものの姿だったのかもしれない、と思います。


そして憲司さんにとっての故郷神戸は、私にとっての故郷でもあります。
「神戸」は大切なキーワードです。
勝手に憲司さんと自分の繋がりを感じています。



いろんな意味で大切な曲「LEAVING HOME」。
これからもずっとずっと、大事に聴き続けていきたいと思います。
勇気をいっぱいもらいたいと思います。


自分の中の憲司さんを、浅野さんを、J&Bを、大切にあたためながら。。


一緒に生きていきながら。。。