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こまきのブログです。

のだめ中毒

のだめカンタービレ(14) (KC KISS)
以前もこのブログで、クラシック音楽漫画
のだめカンタービレ」について書きましたが、
http://d.hatena.ne.jp/komaki-1325/20060419


もうあれから、読み進めるごとに
この漫画にはまっちゃってはまっちゃって、
遂に14巻目に突入してしまいました・・・(^^;


巻数が進むごとにどんどん内容がシリアスになって、
音楽談義も深くなって行きます。


この漫画について、何かで
「音楽に関して特にマニアックな事は書いていない」
という評を目にしましたけど、とんでもない!
相当マニアックだと思いますよー。


指揮者志望の千秋真一が、師匠の指揮者シュトレーゼマンから
指導を受けるシーンでは、


ブラームスなめてんじゃないですヨ。
こことここのフレーズをつなく夢見るホルン、キミわかってる?!
6度の和音・・・第一楽章のこだま・・・
ブラームスは“交響曲”という大きな物語の中で
無駄な時間は一切使ってないんですヨ」


というセリフが出てきたりとか。


スコア(総譜)を見ながら曲の勉強をしている千秋が


「思わぬところで下の声部へ戻ってくる旋律・・・
オーボエの下降音型レ♯ド♯シが
戻ってきた旋律シラソ♯の三度上で重なる
まるで運命だったように
出会うふたつの旋律・・・」


とかいうセリフを心の中でつぶやいていたりとか。
曲の中で、音が重なる部分を
「運命だったように出会うふたつの旋律」
って表現しているのは本当に素敵だなぁと思いました。
そうかー、そういう捉え方もあるんだなーと思いました。



のだめ(野田恵)がピアノでシューベルトの曲に苦戦している時に、
千秋に


シューベルトは気難しい人みたいで
がんばって話しかけてもなかなか仲良くなれません。」


というメールを送って、それに対する千秋の返信が


シューベルトは本当に“気難しい人”なのか?
自分の話ばかりしてないで、相手の話もちゃんと聴け!
楽譜と正面から向き合えよ。」


という内容だったり。。
なんかもう、読んでると
「むむー!すごいっ!!」と思ってしまいます。



千秋が指揮者志望なんで、指揮者の世界の奥深さなんかも
この漫画から垣間見れて非常に興味深いです。
千秋の指揮者コンクールチャレンジ編、めちゃくちゃ面白かった〜!
指揮者コンクールって、こんな課題が与えられて、
こんな風に審査されるんだな、
指揮者たちはこういう風に楽曲に取り組んで勉強して行くんだな、とか
この漫画を読んで初めて知った事がいっぱいありました。
指揮者の世界も深いなあ。


漫画の絵柄自体は、そんなに「絵がうまい」って感じではないんですけど、
でもシンプルながらにも、とても「伝わる」不思議な絵なんですよ。
特にオーケストラの演奏シーンの絵は毎回けっこう感動してしまいます。
臨場感があるんですよ。
なんかこう、シンプルなのにそこで奏でられている音が
聴こえて来そうな絵なんですよねー。


かーなりマニアックな事も書いていると思うんだけど、
音楽にそんなに詳しくない人でも絶対楽しめる漫画だと思います。
私も、後半この漫画に頻繁に登場する、
専門的な音楽理論の話(平均律がどうとか、対位法がどうとか)は
チンプンカンプンです(^^;でも面白い!


なんでそんなに面白いかって言ったら、
やっぱりそれは、この漫画の中に常に明るい「笑い」の精神が
途切れる事なく流れているからだと思います。
この「笑い」のセンス、いいですよねぇー。ほんと面白い。
コメディなんだけど真面目、真面目なんだけどコメディ、って感じの
このバランスがなんともいいです。
ユーモアの精神ってほんと大事だな。



のだめカンタービレ」、音楽好きな方にはほんとオススメの漫画ですよー!
音楽が好きな人にとって面白いのはもちろん、
ふだん音楽に興味がない方でもきっと、音楽に興味を持っちゃう漫画。


読んでいて、作者の持つ「音楽観」みたいなものに
非常に共感する漫画です。
「そうだよね、音楽はそういう風に感じるものだよね」と思います。


マリンバの先生にもこの漫画、オススメしなきゃー!