大阪、十三のシアターセブンイベントホールで、
ドキュメンタリー映画「谷川さん、詩をひとつ作ってください。」の特別上映と、
映画監督杉本信昭さんと詩人谷川俊太郎さんのトークショー&サイン会があるという事で、行ってきました!
劇場内の座席数は約60、当日配布される整理券番号順の入場、という事だったので、
「ひぇ〜、整理券無事もらえるかなー。。」と心配しつつ、
朝早くから並んで、無事整理券をゲット!
特別上映会とトークショー&サイン会に参加する事ができました。
映画「谷川さん、詩をひとつ作ってください。」は、なんとも不思議な内容でした。
不思議で、良い映画でした。
見終えた後、
「私たちみたいな普通の人間の中に、詩はそのままあるんだなぁ。」と、すっと思う事ができました。
そして、映画上映後の杉本監督と谷川さんのトークショーは、なんと一時間もありました!
なんて贅沢な!
一時間、あっという間でした。
ものすごく興味深いお話ばかり。
あんなに近い距離で、谷川さんのお話を聞けて嬉しかった〜〜〜。
谷川さん、相変わらず軽やかだったなぁ。。
谷川さんの、
「詩は理性では生まれない。」
「自分は、“社会内存在”と、“宇宙内存在”として生きてると思ってて、
社会の中の存在として生きながら、同時に宇宙に何かを発しているような意識があります。」
「詩は人間を超えたものにも向けられている。」
・・といった言葉はとても印象的でした。
そしてトークショーの終盤では、
なんと私たち参加者が谷川さんに直接質問できるコーナーもありました!
Q:「詩が生まれる時のイメージは、視覚的ですか?聴覚的ですか?」
谷川さん:「視覚の中に聴覚もあり、聴覚の中に視覚もある。匂いも感触もある。分けられない。」
というやり取りは、なるほどなー、と思いました。
そしてそして、私も質問して、谷川さんに答えてもらっちゃいました!!
私:「数年前に谷川さんが兵庫芸術文化センターで朗読コンサートをされていた事があって私も行ったのですが、
その時に谷川さんが、『朗読で人の心に詩を届けるには、ものすごく抑揚をつけて読む、とかそういう事が大切じゃないんです。
人の心に届ける読み方、というのがあるんです。』とおっしゃっていました。
確かに谷川さんは詩の朗読をされる時、淡々と読んでらっしゃるように思えるのですが、でも聞いていてすごく感動するんです。
『人の心に届ける読み方』っていうのは、具体的にはどういうものですか。」
谷川さん:「(兵庫芸術文化センターって)佐渡裕さんのとこ?」
私:「はい、そうです。」
谷川さん:「あのね、人の『心に』届ける、とは言ってないんだよね(笑)」
私:「あ、すいません(汗)」
(人の「心」だけに限定するのではなく、もっと「人全体に」届ける、という意味あいでおっしゃっていたのかな。。)
谷川さん:「僕も外国の詩人(←っておっしゃってたと思う)から聞いたんですが、
『手渡す』ような感じで届けるのが大切です。
例えば、今ここには60人いるわけですが、『60人の人に手渡す』っていうのは実際には不可能なんです。
だから、目の前に何人の人がいても、『ひとりの人に手渡す』感じで届ける。
観念的な意味で、ですけどね。。」
私:「ありがとうございます。。」
もう素敵すぎるお答えに、腰が抜けそうになりました。
感動〜〜〜。
「手渡す」。。
なんて素敵な言葉なの。。
朗読コンサートの時、谷川さんはそんな気持ちで私たちに詩を読んでくださっていたのだなあ。
私はそういうものを受け取り、
谷川さんの詩の朗読を聴きながら涙が止まらなくなる。。という、
あの自分でも自分の感情が説明不可能な、あの貴重な体験をしたんだなぁ。。
…谷川さんからお答えいただいた後、いろいろと思いをめぐらしちやいました。
ああ勇気出して手を挙げて質問してよかった!
答えていただけてうれしかった!
谷川さん、ありがとうございます〜〜。
そしてサイン会では、大好きな谷川さんの詩集「はだか」にサインをいただき、これまた嬉しかったです。
谷川さんにサインをいただいたのは、4年ぶり。
相変わらずの素敵な字にうっとり。
はんこもかわいい〜。
…と、嬉しい事てんこ盛りで、ほくほくしながら会場を後にしました。
それにしても、渡辺貞夫さん(81歳)といい、谷川俊太郎さん(83歳)といい、80代男性かっこ良すぎるなぁ〜!
そして、今回の映画「谷川さん、詩をひとつ作ってください。」のラストで流れた、
この映画のための谷川さん書き下ろしのあの詩、素晴らしかった。。
あの詩のラストの一行に大感動。
「星空の沈黙に耳をすませて」だもんなぁ。。
すっと良い花の薫りがしてきそうな一行だ。
実際の星空よりも、もっとクリアな星空が、自分の中に浮かんできそうな一行だ。
とても美しくて優しくて温かい、心に染み入るような、涙が出そうなメロディーを聴いた時と、同じ気持ちになる一行だ。
こういう感動に、こんな風に不意に出会えたりするから、
谷川さんの詩を読むのはやめられないよね!と思います。
谷川さん、これからもどうかお元気で、素敵な詩をたくさん書き続けてくださいね。
私も読み続けます!