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こまきのブログです。

まどみちおさんの言葉

私の好きな作家、灰谷健次郎さんの小説に
砂場の少年 (角川文庫)」という作品があります。


この小説の中で、
主人公の葛原順(梶原順じゃないですよ/笑)が、知人の女性に、
まどみちおさんの「くまさん」という詩集に載っている言葉を
紹介するシーンがあります。


そのシーンで紹介されるまどみちおさんの言葉、
とってもいいんですよね。
私、この言葉を手帳に書きとめたりとかしてるんですけど。
引用して載せてみます。



もうすんだとすれば これからなのだ
あんらくなことが 苦しいのだ
暗いからこそ 明るいのだ
なんにも無いから すべてが有るのだ
見ているのは 見ていないのだ
分かっているのは 分かっていないのだ
押されているので 押しているのだ
落ちていきながら、昇っていくのだ
遅れすぎて 進んでいるのだ


一緒にいるときは ひとりぼっちなのだ
かましいから 静かなのだ
黙っている方が しゃべっているのだ
笑っているだけ 泣いているのだ
ほめていたら けなしているのだ
うそつきは まあ正直者だ
おくびょう者ほど 勇ましいのだ
利口にかぎって バカなのだ
生まれてくることは 死んでいくことだ
なんでもないことが 大変なことなのだ

タイトルがないし、これは「詩」というわけではないのかなぁ。
この言葉が載っているという詩集、「くまさん」が手元にないので、
この言葉がどういう形でその詩集に載っているのか
ちょっとわからないんですけど、素敵な言葉たちですよね。


どの一行も、心に深くどーんと来るなぁ。
考えさせられちゃう。



皆さんはどの一行が、特に心にきましたか?


私はどれも好きなんですけど・・・
「見ているのは 見ていないのだ」
「黙っている方が しゃべっているのだ」
「うそつきは まあ正直者だ」
「なんでもない事が 大変なことなのだ」
が特に好きかな。



あとはやっぱり、
「もうすんだとすれば、これからなのだ」
がすごく好きです。


いい言葉ですよね。


心の中で繰り返していると、勇気づけられるような感触があります。
未来に向かってる言葉だなぁ。



「もうすんだとすれば、これからなのだ」


二月スタートです。