神戸といってもけっこう田舎な場所に住んでいるので、
この季節は日が落ちると、私の家の周りでは、
秋の虫たちが鳴く声が 一斉に いっぱいに聴こえ始めます。
「りーーん、りーーん、りーーん」
「りっ、りっ、りっ」
「…りりりりりり、…りりりりりり」
・・・などなど。
たくさんの虫たちがいろんな種類の音色で、いろんな種類のリズムで鳴いている。
私はそういう虫の声を聴くときに、
暗闇の中で振り下ろされる、無数の銀色の鈴を想像します。
まるでいろんなかたちや音色をした銀色の鈴たちが、いろんなリズムで、あちこちで、振り鳴らされているみたい。。
そんな虫たちの声に耳を澄ませていると、「世界はポリリズムで構成されているんだな。」と思います。
さらにじっと耳を澄ませていると、
虫や風などの自然の音の他にも、いろんな音が聞こえてきます。
近くの道路を、さあっ、さあっ、と車が走っていく音。
遮断機のかん、かん、かん。
電車がレールの上をがたん、がたん、と走っていく音。。
(他にもたくさん。。)
そうやって、じいいいっと耳を澄ませていると、
アンサンブルの音を下から上へと どんどん積み重ねて行くみたいに、
自分の中で、どんどんいろんな音が無限に重なってゆきます。
世界はポリリズムで構成されている。
そして、「私」というひとりの人間の動きが生み出す音やリズムも、
この世界を構成するポリリズムの中のひとつとして、しっかりと含まれている。
さらに言うと、そんな「私」というひとりの人間の身体の中にも、ポリリズムが存在している。
(心臓の鼓動や、呼吸や、ひとつひとつの細胞の動きや。。)
・・・そんな風に、この世界に存在する無限のリズムの絡み合いに想いをめぐらしていると、
「ひぇーー」と気が遠くなっちゃって、
何だか途方に暮れるような気持ちになったりもするのですが、
でもまぁたまには、
そんな風に「リズムの宇宙」みたいなものに、
じっと想いをめぐらしてみるのも、いいかも。いいかも。。
そんなに悪くないかも。。。