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こまきのブログです。

ドラムマガジン11月号

Rhythm & Drums magazine (リズム アンド ドラムマガジン) 2009年 11月号 (CD付き) [雑誌]

Rhythm & Drums magazine (リズム アンド ドラムマガジン) 2009年 11月号 (CD付き) [雑誌]

やあっと読みました〜〜、沼澤尚さんの特集記事。
3週間ぐらい前に買ったのに。。
ここんとこちょっと忙しかったもので、
読むのがこんなに遅くなっちゃいました。


今回は、私なりの沼澤さんのドラムへの想いとか、
このドラムマガジン11月号の記事の感想を書いてみます。


たぶんとっても長くなりますので、お時間のある人だけどうぞ(笑)




私は、J&Bで沼澤さんのドラムスに出会うまでは、
ドラムって「ソロ命、フィル命」だと思ってました。


「ドラムは、どれだけ華やかなソロやフィルが叩けるか、
どれだけ難しいパターンが見事に叩けるかでその価値が決まるんだ」って、そう思ってました。
人の演奏を聴く時もそういう事を基準にして聴いてたし、
中学〜大学の吹奏楽部のパーカッションで自分がドラムをプレイする時も、
そういう事に重点を置いてプレイしてきました。


でもJ&Bで沼澤さんのドラムスに出会って・・
そういう自分の考え方が見事にひっくり返ったというか。
ほんとドラムスに対する考え方とか、聴き方とか、根底から変わりました。



沼澤さんのドラムスの凄さをはっきりと意識し出したのは、
このCDを聴き出してから、だったかな。




このCDが出たのって、2002年の春でしたっけ?2003年?
非売品なんですよね、このCD。
確かFAB FOURのTシャツとセットでのみ買える、みたいな
そんな感じのCDだったと思うんですけど。。


このCDの2曲目、「Give me Love」の沼澤さんのドラムがほんっと気持ちよくって気持ちよくって。
耳ダンボにして沼澤さんのプレイを拾いながら、
延々と聴いていた覚えがあります。


「難しいパターンはひとつも叩いていない。この上なくシンプル。
それでいてこの気持ちよさは何?このグルーヴ感は何??」
って思って、目からウロコでした。


こんなにシンプルなのに、こんなに気持ちいい。極上のグルーヴ感。
その秘密は一体何なの〜〜??って思いました。
そこにはきっと目には見えない、高等技術がつまってるって。



J&Bのライブでの沼澤さんのプレイも、そりゃあかっこよくって。


沼澤さんのスネアが一発「だんっ!」と鳴ったり、
シンバルが一発「ジャンッ!」っと鳴ると、
もうそれだけで私は体中が「はっ!」としました。


たった一発でですよ。
4分音符一発叩くだけでですよ。
もう身体の芯まで感動しちゃうわけです。
その一発が突き刺さるわけです、本当に。
そんな感覚初めてでした。


同じ4分音符でも、
他のドラマーから受けるものとは全然違う。
8ビートしかり、16ビートしかり。。
沼澤さんの叩き出す音は、
沼澤さんのつくり出すグルーヴは、本当に「特別」なもの。
楽譜上には表れない「高等技術」がつまってる。


沼澤さんのドラムに出会って、
「ソロ命、フィル命、難しいパターン命」だった
私のドラムの聴き方が変わりました。


ドラムを叩く上で、もっともっと大事な事がある。


沼澤さんに出会って、「そうか、ドラムスってこういう楽器だったんだ。」
って、改めてドラムの魅力がわかったっていうか。
新しくドラムの魅力を発見したというか。
もうほんと、180度ドラムの聴き方ががらっと変わりましたね。
もともと好きな楽器だったけれど、
今までよりずっとずっとドラムを聴くのが楽しくなりました。
「私はドラムのいちばん大切なところを、全然わかってなかったんだ。」
って、沼澤さんのドラムスに出会ってそう思いました。
沼澤さんには大感謝です。



あの沼澤さんの
「『特別な音、特別なグルーヴ感』の秘密は、一体何なの〜??」って
ずっと思い続けて来ましたが、
今回のドラムマガジン11月号の沼澤さんの特集記事を読んで、
その「特別な音、特別なグルーヴ感」が生み出される秘密というか、
秘密を解くキーみたいなものを、ちょっと手に入れたような気持ちになりました。
すっごい興味深かったです。面白かった。。


記事の中で特に印象に残った部分を引用しながら、感想書いていきますね。
(以下 インタビュアー:I  沼澤さん:N)



I:スポーツの能力はドラムに結びついていますか?


N:〜(略)〜親父が、野村さんと一緒にコーチをやっていたりとか、日本一になったりっていうのを見ていて、
そのプロ野球界にいた人の話としてなんですけど、結局、「何のために何の練習をしているのかがわからないと
打てない」っていうところですね。その練習をすることによって、こういうことに結びつくんだっていうことが
自分の中でつながらない限り、いくら練習しても身につかないっていう考え方。
〜(中略)〜同じ練習を課せられたときに、それを自分がどれだけ理解して、信じてやるかで、結果は変わってくる。
そういうスポーツを通しての思考回路は、アメリカに行ってドラムを習い始めたときに役に立ったかもしれない。


ドラムマガジン11月号より)


これ私、以前に違う人からほぼ全く同じ意味合いのアドバイスを受けた事があるなぁ。。
「何のための」その練習なのかを、しっかりと意識する事。。
それを自分の中ではっきりさせて、目的意識を持っていないと、
どこにも繋がらないし、何も発展しない。


記事の中の「それを自分がどれだけ理解して、信じてやるかで、結果は変わってくる。」
っていうの、ほんといい言葉だなぁと思います。
これって音楽だけでなく、人生全般にも通じるような。
「信じてやる」って言葉、いいですよね。とても大切なこと。
読んでてじーんとしちゃいました。




I:でも譜面上はシンプルなリズムであっても沼澤さんはいろんな表情がありますよね。


N:それも自分が影響を受けた人達の存在以外の何ものでもないです。
「同じビートなのに、ハイハットのアクセントがこっちにくるだけで何でこんなに変わるんだろう?」とか、
「同じ8分音符が鳴っているのに、何でスチュワート・コープランドの音はこうで、
スティーブ・ガッドはこうなんだろう?どこを叩いているんだろう?」とか、そういうことが面白くなっちゃって。
譜面上ではやってることが同じでもまるで違う聴こえ方になっちゃうのはなんでだろう、って。
そういうことを彼らが意識的にやってるのか無意識にやってるのかわからないけど、
例えばギャドソンのここがすごい、って気がつくと自分でもやってみよう、みたいな。
その積み重ねでしかない。“ハイハットの2個目だけ長い!”とかね(笑)


ドラムマガジン11月号より)


私は沼澤さんのプレイを聴いて、「あの音の秘密は何??」って思ったわけだけど、
沼澤さんもご自分が影響を受けた人たちのプレイを聴いて、「あの音の秘密は何?」って思ったんだなあ。
それで、その音をとことん聴きこんで秘密を解明して、
それをご自分のプレイスタイルに反映させていったわけですね。そうかそうかー。
沼澤さんのお話を読んでいると、「やっぱり“聴き方”がすごいんだな」って思いました。
音を聴いて、それを分析したり解明したりする力がものすごいんだなって。


なんか、以前の梶原さんの音楽クリニックの時のお話を思い出しました。
今年2月のクリニックで、
「演奏において『歌心』を深めるためには、どうすればいいですか?」という質問に対して、
梶原さんは
「歌心を深めるためには、『発信者』である前に、
まず『リスナーとして』歌心を感じ取れるかどうかが大事。
曲の演奏者がその曲にこめた気持ちを、まずリスナーとしてどれだけ感じ取れるかが大事。」
って答えてらしたけど、今回の沼澤さんの記事を読んでても
「やっぱり『聴く力』って大切なんだなあ」って改めて思いました。
良い演奏をする為には、良きリスナーでなければならない。
私もリスナーとしての感性、もっともっと磨いていきたいなぁと思いました。


※今年2月の梶原さん音楽クリニックの内容詳細はこちらでどうぞ。
☆2009年2月14日の日記〜「梶原順ギター&音楽クリニック+JK Trio Live@三島」レポ!




N:ダニエル・ラノワとか、ジョニ・ミッチェルでやっているブライアン・ブレイドなんかを見ていると、
あんなとてつもない馬鹿テク・ドラマーがはっきりと1つ1つの音を表現している。
あんなに自由なのに、絶対にボヤけない。ジェフ・ポーカロもそうだし、スティーヴ・ガッド
ティーヴ・ジョーダンもそうだけど、「今の何だったの?」ということが絶対にない。
伝えたいことを明確にプレイする、ってこと。“今やったことはこうです!”ってわかりやすく
ハッキリと伝える。シンプルかどうかってことではなく、すべての音に意識が伝わっているという
ドラマーが好きっていうのはありますね。そういうふうになれたらいいなって思います。


ドラムマガジン11月号より)


確か以前は沼澤さん、
「どれだけシンプルなプレイで、どれだけすごい事ができるかという事に挑戦してる。そこを極めたい」
みたいな事をおっしゃっていませんでしたっけ。
確か何年か前のドラムマガジンの記事に、そういう言葉があったような気がするんですけど。
(私の記憶違いだったらごめんなさい。)
今回の記事では「シンプルかどうかってことではなく」とありますね。考え方変わったのかな。
「すべての音に意識が伝わっているドラマー」・・うん、私もそういうドラマーが大好きです!!




N:シャッフルって譜面上での表現が不可能ですから。例えば、簡単に3連符だと思っちゃうと、
50年代のBBキングには16分音符に近いまったく別のグルーヴもあったり。
つまりその合間が無限にあるということですから。しかも、そのグルーヴ・コントロールは、
他の楽器との絡み方で成り立っているものばかり。シャッフルっていうのはこうですっていうのがない。
ライドをプレイしているときにハットをどこで踏むかによってまるで違うグルーヴになっちゃうし。
例えば2拍4拍にハイハットを踏むとスネアの長さも変わる。どこか1つの音の長さを変えるだけで、
全体のグルーヴが全然変わってくるから、両手両足4つのコンビネーションを変えただけでもものすごいことになりますよね。
特にハイハットは音の長さと音色を変えやすいから、この曲で僕もやってますが、
ガッドもよくやるウラで踏むパターンでも、その強さ/長さの変化でまるで別のグルーヴを表現できちゃう。
そういうところがヤバくて、困っちゃうわけです。そんなに変わっちゃうんだ!って。
50〜60年代のものを聴くとみんながそういうことをやってる。
そのあたりに気がつきだすとこれは大変なことになったぞ、と(笑)


ドラムマガジン11月号より)


へええぇ、こういう風な事を意識して、あのドラミングはつくり出されるんだなぁって、
すっごく興味深かったです。
そしてほんと、大変そうだな〜〜。深すぎる〜〜〜。
(でもだからこそ、面白い!)




・・・と、こんな感じでインタビュー記事もすごく濃かったし、
「漆黒のニューキット」の写真、これもすごいですね!かっこいい〜〜!!
生で見てみたい!ほんとなんてかっこいいんだろ。
どんな音がするんだろうーー。
スナッピーまでブラックに塗装されてるんですって。すごいなぁ。


付録のCDもかっこいい音源ばっかりで。
譜面も一部載ってたので、見ながら「おおおお」と思いながら聴きました。
音源、iPodに入れてこれから聴き込みます〜。楽しみです!




それにしても、私が以前ライブで沼澤さんのプレイを聴いたのっていつなんだ?と思い、
ブログで検索してみたら・・・


なんと、2005年12月のライブ以来、
沼澤さんのプレイを生で聴いていない事が判明しました。


これがその4年前のライブレポ。
(沼澤さんめちゃくちゃかっこ良かった!このライブは今でもよく覚えてます。)


☆2005年12月3日の日記〜「沼澤尚+勝井祐二 with 益子樹、大儀見元@チキン」ライブレポ!




それにしても4年前って・・・あかんやろー、自分!!


あぁ〜、今回のドラマガ11月号の記事を読んだら、
すっごくすっごく沼澤さんの生のプレイを聴きたくなりましたー。


でも大体いつも、梶原さんのライブがいっぱいある時期と、
神戸で沼澤さんのライブがある時期が重なるので、
いつも見送ってしまうんですよね。。
(ブルース・ザ・ブッチャーのライブもまだ一度も生で見れていない私)
とりあえず年内は無理そうかなぁ。


でも近いうちに!必ず!
ライブで聴きたいです。沼澤さんのプレイ!
聴かなくては!




・・・と、だらだら長く書きましたが、ドラムマガジン11月号、
ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
(って、もう発売からかなり日が経ってるから店頭にはないかな。アマゾンとかで買えるかも?)



それにしても表紙の沼澤さん、素敵な笑顔〜〜。
友人が恋焦がれる気持ちもわかります。


梶原さんがこんな感じで表紙になったら、部屋に飾って拝むな私(笑)