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こまきのブログです。

「沈黙」に衝撃

いま、村上春樹さんの短篇小説集
レキシントンの幽霊」を読んでいます。


レキシントンの幽霊 (文春文庫)

レキシントンの幽霊 (文春文庫)


仕事帰りに電車の中で、この短篇集の中のひとつの小説、
「沈黙」を読みました。



もんのすごい衝撃を受けました。
そこには、かつて私が味わった気持ちと、
全く同じ気持ちが書かれていたから。


私が読んだのは文庫版のほうなんですけどね。
この文庫版の78ページから、79ページ。
この小説の登場人物の大沢が、青木の顔を見ながら思う事。
これと全く同じ事を、私も思った事があって。


大沢がある強烈な経験を経た後に得た、プラスのもの。
そして失ったマイナスのもの。
これも本当に、全く同じだったんです。


大沢と私では、その経験の種類自体は違っているけれど、
でも「そこから感じた感情」みたいなものが、全く同じだったんです。
全てが寸分の狂いもなく、1ミリのずれもなく、ぴたりと同じでした。


もう読んだ後、あまりの衝撃に、私は電車の中で口に手を当てたまま、
しばらく動けませんでした。


その文章を読んだ事によって、
私は自分の中の傷を、自分の中を流れてきた時間を、
非常に客観的に見る事になりました。
それはとてもきつい作業でした。


でもそれと同時に、
「私はもうちゃんとこれを、クリアしたんだ」という事も
しっかりと実感できました。とても強く。


「なぜクリアできたのか?越える事ができたのか?」という理由も、
しっかりと見つめる事ができました。


ある人のあたたかい気持ちがあったから、だから私はクリアできたんだ、と。
そしてそれは本当に幸せな事なんだ、と改めて実感できたのです。


小説「沈黙」に登場する大沢は、その強烈な経験のあと
人を信じられなくなって苦悩します。
そしてそのまま小説は終わってしまう。


でも私は、そうじゃない。
一時期そういう状態になりかけたけど、今はそうじゃないんです。
戻って来れて、よかった。



・・・って、この春樹さんの小説「沈黙」を読んだ事がない方には、
「なんのこっちゃ」って感じの日記になってしまっているのですが。


昨日この小説を読んだとき、本当に衝撃で。


どうしてこんなに、私の気持ちと、ぴったり同じなんだろう?って、
ずっと思っていました。


家に帰ってからやらないといけない事があったんですけど、
全然何もできなくて。
もうずっと、ぼーっとしてました。


何の予告もなしに、突然いきなり強いパンチを顔に浴びせられて、
わけがわからず、殴られた頬に手を当てたまま、呆然としている・・・


昨日の私は、そんな精神状態だったような気がします。


何かとても強烈なインパクトのあるドラマや映画を見た後に
こういう状態になった事は、過去にもあるような気がしますが、
「本を読んで」こういう状態になったのは、私は初めてです。


あー、参った、参った。すごい衝撃でした。



それにしてもこの短篇集「レキシントンの幽霊」は
本当に怖い短篇集ですよ〜。


「怪談話が怖い」とか、そういう意味合いの
「オカルト的な怖さ」じゃないですよ。


そういうんじゃなくて。。。
人間の深層心理に、ものすごく強い揺さぶりをかけてくる、
そういう種類の「怖さ」なのです。


底の見えない、真っ暗な深い穴を、たった一人でのぞき込んでいるような、
そういう怖さなんです。
ああもう、ほんと怖い〜〜(泣)



梶原さんオフィシャルサイトのMovie「Scrap」第三弾も、更新されていて。


これもすごく、来たなぁ。。


梶原さんのメッセージ、しっかりと受け止めて、
自分の中で深めて行かないと。


なんかもう、いろんなものが心に「どーん」と
深く重く来た、一日でした。