It Will Be Fine!

こまきのブログです。

あの日から一年。そしてラストレッスン。

去年のこの日、8月19日。
職場でとんでもない事件が起こりました。
詳しい内容はここには書けないけれど、
この事件で、私も、私の職場の人たちも、
とても深く傷つきました。
今でもすごくトラウマになっています。


あの日から一年。
今年は、誰も傷つく事のないように、
無事にこの日を終えるんだ、と朝から緊張。
ずっと張り詰めた気持ちの状態で、一日を過ごしていました。


そして無事に終える事ができました。
今年はこの日を、笑顔で終える事ができたんです。


すごくすごく、嬉しかったです。
仕事を終えて、職場を出た時、走り出したい気持ちになりました。
(実際、走ったけど/爆)


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仕事を終えてから、マリンバのレッスン。
今日が、マリンバ発表会本番までの、最後のレッスンの日。


大事なアクセント部分の最終確認をしたり。
複雑なパターンで上がっていく部分の音階のとらえ方について、
「こういうかたまりで感じると、楽になるよ」
と先生にアドバイスを受けたり。


レッスン終了後、楽譜を片付けている時に、私が
「本番中に3回ぐらい止まりそうで、不安なんです。」
とこぼしたら、
先生が、私の事を、励ましてくれました。
たくさん、たくさん。
以下は、先生の言葉です。


「こういうワケのわかんない音階の曲だから、
演奏が途中で止まったりとかの
“事故”は確かに起こり得るよ。
でも、“事故を起こさない”事よりも、
“事故が起こった後に、自分がどう対応するかを考える”事の方が
大事だよ。」


「たとえ本番中に演奏が止まって、うわーって思ったとしても、
それは自分自身がその演奏が止まっている時間を
異様に長く感じるだけで、
実際は聴いてる側にはほんの一瞬だから、大丈夫。」


「仮にあなたが本番で失敗しても、あなたの人生に何の支障もない(爆)
あなたは演奏でお金を取るわけじゃ、ないんだし。
ステージは楽しむ為のものであって、
そこに向かうまでやそこに立つ時に、辛くなってはいけない。」


先生は、
「自分の経験内でしか、人にはアドバイスできないからねー・・・。
自分が経験した事のないステージとか、
自分がやった事のない曲に関しては、本当の苦しさは、わからない。
たとえそういう事に関して人にアドバイスしたとしても、浅いものになる。」
とも、おっしゃていました。
(ちなみに先生は、今回私が発表会で演奏する
クレストンの「コンチェルティーノ」を過去に演奏した事があります。)


で、先生のその言葉を聞いた私が、
「・・・なんか、人生みたいですよねー。
やっぱり、自分が経験した事のない苦しみは、
本当のところは、わからないですよね。
自分が経験した種類の苦しみでないと、わからない。」
って言って。
お互い、うんうん、そうだよねー、頷きあって。


先生「ある意味、この意見は人には
冷たく聞こえるかもしれないんだけど、
でも、人の気持ちを勝手に“分かった”気になっているのも、
おごりのような気がする。」


私「そうですよね。もちろん、人の気持ちをわかろうと、
最大限努力はするんだけど、
でもその一方で“私は、この人の気持ちを、本当にわかれているのかなー?”」
という、疑いの気持ちを持つ事も、大事ですよね。」


とか、いろいろ話しました。
お互いのプライベートの事も、話したし。



先生が話してくれた、話の内容も嬉しかったけど、
でも私が何より嬉しかったのは、
先生が、本当に心から私の事を思って、
私の事を励まそうとして、ひとつひとつの話を
心をこめてしてくれた事です。
そういう先生の気持ちが、先生の話を聞いてて、
ひしひしと伝わって来たんですね。


先生は、私の抱えている不安を、
「そんなの、考え過ぎだよ、気にし過ぎだよ。」
「誰もが持つ悩みだよ」
と軽く扱ったり、ばかにしたりは、しなかった。


私の不安を、過去に自分が経験した不安と重ねて、
私の気持ちを理解しようとして、
そしてその私の不安を減らして、私を勇気づけようとして、
本当に心から、言ってくれたんです。


私はたったひと事、「不安なんです」ってポロって
もらしただけだったんですけど、
先生は、私の声のトーンと表情で、
私がかなり精神的に、きちゃってる状態なのが、
わかったんでしょうね。



こういう事があると、「人っていいな。」と心から思います。


世の中には、素晴らしい人もいれば、
くだらない人(←言葉キツくてごめんなさい)もいっぱいいて、
そういうくだらない人・・・例えば
今の私の職場の上司みたいな人と一緒に仕事をしていると、
もうほんといろんな事で傷ついたり、嫌な思いをしたりで、
去年の後半は、私は相当人間不信な状態に陥ってしまったりしたんだけれど、
でもそれでも私が歩いて行けるのは、
こういう風に、人のあたたかさに触れたときに、最終的には自分の中で
「人って素晴らしいな」という思いの方が、勝つからです。


嫌な人と一緒にいて、嫌な思いをして、
「人間には、こんな汚い部分があるのか」と、
人間に絶望するような事もたくさんあるけれど、
でも、そういう思いよりも、
人間の素晴らしさに触れて感動した時の、
「人って素晴らしいな」という思いの方が、
最後には、最終的には、自分の中で、勝つんです。


だから、歩いて行ける。そう思います。
人って、すばらしい。
人の愛ってすごいんですよ。




この日レッスン後に、
マリンバの先生とたくさん話をした時間は、
本当にいい時間でした。


お互いの、本当の気持ちを、差し出し合ってましたからね。
本当に、心がこもってた。


先生には嘘がなくて、好きだなぁ。
この人のもとでやって来て、本当に良かったなあ、って
思っちゃいました。
こんな人に出会えて、本当に良かったなあ。


私は幸せ者じゃないか、と思いました。
出会いに感謝です。


先生、ありがとう。