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こまきのブログです。

「渡辺貞夫グループ2005@大阪ブルーノート」ライブレポ!①

komaki-13252005-07-28

●7月28日(木)「渡辺貞夫グループ2005」

 @大阪ブルーノート(1st Stage)
http://osaka-bluenote.co.jp/


【出演メンバー】
渡辺貞夫(Sax)
小野塚晃(Pf&Key)
梶原順(G)
松原秀樹(B)
石川雅春(Ds)
ンジャセ・ニャン(Per)
ティーブ・ソーントン(Per)


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楽しみに楽しみに待っていた、
渡辺貞夫グループのライブの日が遂にやって来ました!!


ステージにメンバーの皆さんが現れた瞬間、
白の長袖シャツ+ジーンズ姿の梶原さんに、「!!!」と
釘付けになる私。素敵〜〜!!


今まで私は「梶原さんは黒シャツ!」推奨派でしたが、
この7月28日を境目に、「梶原さんは白シャツ!」派に
鞍替え致します。


「男は白シャツ!!」(そうか?)



・・・演奏面の話に戻ります(汗)


去年の8月のツアーの時とは全く印象が違ってびっくりでした!
とにかくとってもファンキーなステージでした!
やっぱりこれは秀樹さんのベースの影響なのかな、と
個人的には思いました。


青木さんがベースの渡辺貞夫グループも、
秀樹さんがベースの渡辺貞夫グループも、
どちらも全然違う魅力があります。
どちらのベーシストの方がいい、とかそういう事じゃなくて
ベーシストが変わると、こんなにも音楽の雰囲気が
変わるという事に驚いてしまいました。
バンドの中でベースが担う役割の大きさを痛感しました。


確かな重心を持った、まるいゴムまりみたいな秀樹さんのベースの音が、
まるで子どもが放り投げたボールのようにステージ上を自由に弾んで、
そしてメンバーの皆さんが、その秀樹さんのベースの上で、遊ぶ遊ぶ!!


今日のメンバーの皆さんは本当に楽しそうで、
まるで野原に集まって、野球をやって、みんなでひとつのボールを
わあわあと歓声を上げながら追いかけている男の子のようでした。
あるいは悪ふざけして、お互い顔を見合わせて
「にっ」といたずらっぽく微笑む子ども・・・キッズの表情でしたねー。


ほんと「次は何して遊ぼうか♪」みたいな、そんな感じでしたね。
自由度の増した、遊びゴコロあふれる、
男の子っぽい、男っぽいステージでした。


ある曲では、バンドメンバーが火の玉みたいに
一丸となって、熱く熱く突き進むシーンもあって、
男の子が「大人の男の人」に変化する瞬間を見るようで、
本当にドキドキしました。


この曲での梶原さんのソロが、すごかった・・・!
渡辺貞夫グループのステージで、
そんなにオラオラしちゃっていいんですか!って感じでした(笑)
あのソロ、あっつあつでかっこ良かったなあ。
曲の随所で効きまくっている、梶原さんの
シャープでクリアなカッティングもかっこ良かったです。



「I'm with You」という貞夫さんのバラードにとても感動しました。
この曲の演奏前のMCで、
貞夫さんの口から阪神大震災の事が語られました。


なのでやっぱりどうしても、阪神大震災の事を思い浮かべながら
この曲に聴き入ってしまいました。


神戸といっても私の住んでいる地域は、
阪神大震災の直接的な大きな被害は受けなかったので、
(家も知人友人もみんな無事でした。)
あの震災に関して偉そうに語るような権利は
私にはないと思うんですけど、
でもそれでもやっぱり、あの震災当時、
TV等で自分の愛する街や、愛する人達が
ずたずたに傷ついている様子を見る、という事は
相当につらく悲しい事でした。
震災の後しばらく続いた、
数分おきに来る大きな余震も本当に怖かったし。
震災から一ヵ月後に、阪神電車の中から見た、
沿線の町並みの悲惨な光景は今も忘れる事ができません。


直接的な被害を受けなかった私でさえも、
これだけのショックを受けましたからね。
大事な家族や友人、家を、実際に失った人々の悲しみは
もう本当に、言葉にできないぐらい
想像を絶するぐらい大きな深いものだと思います。
十年前に、阪神地域は、大きな深い傷を
ざっくりと負ったのです。
そして今もまだなお、その傷は完全には癒えていません。


だけど、この日のライブで、
貞夫さんがサックスで奏でる
「I'm with you」のメロディーを聴いていたら、
傷ついた神戸の街や人の気持ちに、
貞夫さんの、優しくあたたかい気持ちのヴェールが
そっとかけられていくような、
そんな光景が心の中に浮かびました。


そのヴェールにくるまれる事によって、
傷ついた街や、人の心がそっと静かに癒されていくような、
そんなイメージ。


私も、貞夫さんのサックスを聴きながら、
自分の心が確かに癒されていくのを感じていました。


「音楽ってすごいなあ」って、静かに感動した瞬間でした。


貞夫さんのサックスは、まるで
「僕は、あなた達と同じ気持ちで、
悲しむ用意があります。
僕は、あなた達と同じ気持ちで、
悲しいと思っています・・・。」
と、語りかけているかのようでした。


私が勝手にそう受け取っただけなのかもしれないけど、
貞夫さんのサックスを通して、
貞夫さんの誠実なあたたかい気持ちが伝わって来て。
貞夫さんってすごいなぁって思いました。



ライブの終盤では、ンジャセ・ニャンの
ジャンベ・ソロがありましたねー。
去年もこのソロを聴いてものすごく感動したけど、
今年もやっぱり大感動。


何がすごいって、
タイコで「会話」をしているところですよね。
リズムワールドのステージを見た時に思ったんですけど、
アフリカのパーカッショニストは、
本当にタイコで「会話」をするんですよ。


ここからは、私の勝手な感じ方なんですけど。。。
他の国のパーカッショニストっていうのは、
まずある場所に「自分の感情」っていうのがあって、
で、また別の場所に「楽器」というものがあって。


「自分の感情」を、「楽器」をいうものを
“くぐらせる”作業をする事によって、
聴く人に気持ちを伝えているような感じがするんですよね。


だけど、アフリカのパーカッショニストの演奏っていうのは、
そういう間接的な感じじゃなくて、
もう彼らにとっては、
「楽器を叩くこと」=「会話をすること」を
意味している感じがするんですよ。
いろんな段階を踏んだりとか、間接的な作業をする必要はない。
すごく“直接的”な感じがするんですね。
彼らはまさしく「楽器でしゃべる」のです。


愛知万博での貞夫さんのリズムワールドで、
セネガルチームのソロ演奏を聴いた時、私、
「すごーい!この人たちは、タイコでしゃべってるー!!!」
って驚愕しましたもん。


あああ、すごくわかりにくいですね・・・。
上手く言えないよー。ごめんなさい。


とにかくアフリカのパーカッションは「魂の会話」!!
いのちとダイレクトに繋がっているリズムです。



ラスト曲(でしたよね?)の「ハランベ」では、
イントロをみんなで歌って楽しくスタート。
貞夫さんも、バンドメンバーの皆さんも歌ってます。
とてもあたたかい和やかな空間。


笑顔笑顔で、この日のステージは幕を閉じました。


この日のライブって、私は曲名のタイトルがわかる曲が
ほとんどなかったのですが、
全然問題なく楽しめました。



あぁー、本当にファンキーでびっくりしたなぁ〜。
また去年とは全く違う表情の
渡辺貞夫グループのステージが本当に新鮮で、
「明日も楽しみだあ♪」と、
にこにこしながら家路に着いた私だったのでした。