It Will Be Fine!

こまきのブログです。

渡辺貞夫リズムワールドレポ2!(パーカッション詳細編)

渡辺貞夫リズムワールドレポ2!です。


渡辺貞夫リズムワールド」のステージでは、
各国ごとのパーカッションチームの演奏コーナーがありました。
そのコーナーについての感想を、今日は詳しく。


=====================================================


●トカルファ(ポルトガル)●
縦割りの、わかりやすい、非常に統一された種類のリズムです。
どこか明るい太陽の匂いのするリズム。
マリンバの先生が、
ポルトガルのリズムって、マーチングっぽいでしょ?」
って言ってたのですが、確かにそんな感じがしますね。
そのままマーチングができそうな感じ。とっても歩きやすそう。


指揮をするリーダーの女の子は、演奏の終盤では
手を高く挙げて「はい、拍手を大きく〜〜!」とか
手を低く下げて、「はい、今度は拍手を小さく〜〜」とかいう仕草で、
会場の観客の拍手を煽っていたのですが、
ラストに彼女が「ばんっ!」と手を鋭い動作で下げて
演奏が終わる瞬間の合図をしたとき、
この演奏チーム「トカルファ」のパーカッションの音と、
会場の拍手の音が、「ばちっ!!」と見事にひとつに重なった状態で
終わったんですよーー!全く何の打ち合わせもしてないのに!
これには、「トカルファ」チームも、会場の観客も
「おおぉ、すご〜い!!」と感動!



●N.Y.ハレルヤ・カンパニーJr.(アメリカ)●
ゴスペルグループのパフォーマンスでした。
ステージ上は、もう最初っから踊りまくりのお祭り騒ぎ状態!


洗練された都会的な雰囲気のリズムでした。
「魂」というよりは、やっぱり「ソウル」と言うほうがぴったり来る感じ。


13歳のジョーダンくんのソロ、すごかったなぁ〜〜。
彼はまだあどけない表情の、小柄な男の子なんですけど、
彼の声がEXPOドームの会場に響き渡った瞬間の感動は、すごかったですよー。
ハイビジョン放送で録画したものを見返したら、
そこまでは心に来ませんでしたけど。。。やっぱり生ですね、生がいちばん!
彼の歌には、音楽に普段さっぱり興味のないこまき母も感動しておりました。
あの瞬間、母と私で顔を見合わせて「すごいね〜〜!!」って言い合いましたもん。


ゴスペルって、歌いながら、歌い手の魂を解放して行くような、
そんな印象があります。
このへんは、ゴスペルという音楽が育って来た歴史的背景みたいなものが
そのまま反映されているのかもしれませんね。



●霧島九面太鼓 HARUKA(日本)●
握ったバチの先まで、神経を行き届かせている感じのパフォーマンスです。
(実際、そこまで意識して演奏していると思いますよ。
きっと、バチの先っぽまでが、あの人たちの「手」なんだと思う。)
「見せる」という事に、非常に重点を置いている事がよくわかります。
視覚的な美しさ、みたいなものをすごく追求しているんですよね。
大きなアクセント部分では、
統一して全員でぐっと身体を深く沈み込ませる仕草をしながら叩いています。
視覚的にもグルーブ感が伝わって来ますね。


なんだろう、日本っていうのは、やっぱり「統一美」を重んじるんですかねえ。
「一糸乱れぬ美しさ」みたいなのに、すごく重点を置いてる感じがするっていうか。
一人一人の個性とかいうよりは、
全員が少しも乱れず、全体がばちっと「揃う」事の美しさを重んじるというか。。。
これって日本の国民性??


あ、でも別に非難しているわけではないですよ。
これも日本にしか出せない、日本の「持ち味」だと思います。
気品みたいなものが感じられる、
見た目的にも音楽的にも美しいパフォーマンスでしたね。
一人一人の、凛とした立ち姿がとても綺麗でした。



●「オロドゥン」(ブラジル)●
ちょっと「部族」っぽい匂いのするリズム。
土のと太陽の匂いのするリズム。
野性味があるというか、ワイルドな感じがしました。
ざっくりとした大きな感じのするリズムです。
目を閉じて聴いていると、向こう側に
カーニバルの風景が見えて来そうですね。



●「ドゥグ」(セネガル)●
チーム名「ドゥグ」は、「真実」という意味なんだそうです。
かっこいぃー!
渡辺貞夫グループでもおなじみの
アフリカン・パーカッショニスト
ンジャセ・ニャン率いるパーカッションチームです。


もおおお、驚愕でした!やっぱりアフリカのリズムはすごい!!!
もうほんと「魂の会話」に聞こえました。
タイコで会話している感じです。


それにしても、ほんとこのアフリカン・パーカッションの
「譜割りのできない」感じ、「割り切れない」感じってものすごく独特です。
ほんっと解析不可能!わけわかりません。
思うがままに、感情のままに、魂のままにプレイしているようで、
それでいてキメは「ばちいいっ!!」と寸分違わず合うのです。
もう神業って感じ。何なんですかあれは?!
あのチームの人たちの中での、リズムの規則性っていうのはあるのかなぁ。。。


でもこんなにワケわからないのに、
私はこの「ドゥグ」の演奏がいっちばん心に来ました。
もう鳥肌ものでした。ずっとぞくぞくしてました!すごい!!
「魂にいちばん近いリズム」という感じがしました。
いのちに、一番近いリズム。
いろんな意味で、ものすごく原始的ですよね。


マリンバの先生によると、
「アフリカのリズム」と言っても、
アフリカの北の国のリズムと、南の国のリズムでは、
また全然性質が違うそうです。
ううぅん、いろいろ興味深いですねー。
知れば知るほど、奥が深いなぁ。


=================================================


こうやって各国ごとのパーカッションチームの演奏を聴いていると、
その国の歴史や文化や生活習慣や、その国の人の身体に流れる血とか
そういうもの全てが絡まって、その国のリズムを育てて来たんだ、
という事がよくわかります。


だから、その国のリズムの特色は、その国の人間の特色をそのまま表す、
というようなところがあるように思います。「リズム=人」。
(でも前にも書いたように、各国のリズムは、
それぞれ違うように見えても、根底では全て繋がっていると思います。)


リズムワールドの、最後の合同演奏では、
こんなにも様々な特色を持った、各国の違う種類のリズムが、
絡まって重なって、ひとつの熱いグルーブを作り出していました。


あの光景はまるで、
「たとえ生まれた国が違っていようと、文化や歴史が違っていようと、
宗教や言葉が違っていようと、私たち人間は、絶対わかり合えるはずなんだ」
という事の象徴であったように感じられました。
っていうか、しつこく書きますけど、
やっぱりもとはひとつだったと思うんですよ、私たちは。


そしてあの日、リズムワールドのステージで、
人がひとつになる為のリズムやグルーブを作り出していたのは、
未来を担っていく子ども達でした。
それもまた、ひとつの象徴だったと思います。


本当に素晴らしいステージでした。
参加できて良かったです。


皆様、今日のNHK BS2での「渡辺貞夫リズムワールド」の放送、
ご覧になられましたでしょうか?
皆さんの心や身体には、どの国のリズムが特に心に響きましたか?


私は何と言ってもセネガルでした!すごかったー!!
ちなみにうちの母は、ブラジルチームが
いちばんのお気に入りだったそうです。
こんな風に、それぞれ好みが分かれるところも、面白いですよね〜。