あなたの名前は
「この子は人々の愛に結ばれて育っていくんだ」
そんな願いをこめて 私の弟がつけた
あなたの名前の由来を聞いたとき 私は
「我が弟ながらなかなかやるじゃん」と
心の中で絶賛したものでした
名前はその人そのものだから（と私は思っている）
あなたはきっと名前の通りの子になるよ
たくさんの人に愛されて 結ばれて すくすく育ってゆくでしょう
まだあなたはこの世に たった2年と少ししか生きてない
抱っこすると確かな重み とても命に近い
その手の先にきれいに揃ってついている
ミニチュアのおもちゃみたいな爪に よくできているものだと 私は感心したりする
「子どもには過去も未来もないから 今を楽しむ名人なんだ」というのは
誰の言葉だったか
2歳のあなたは
過去を悔やむ事もない
未来を憂う事もない
いま この時 この瞬間を
思い切り 泣き 笑い 歓んで 精一杯生きる
あなたのちいさな手をきゅっと握って一緒に歩くと
何か手と手で 小さな大切な約束をしているようだよ
あなたのビー玉みたいにきれいに澄んだ
1点のくもりもない目に見つめられると
私はひるんでしまう
思わず自分で自分を見つめてしまう
あなたのそのきれいな目に
私の姿はどんな風に映るの
私があなたの名前を呼ぶ声は
あなたの中でどんなふうに響くの
