上原ひろみちゃんのニューアルバム『VOICE』のラストに収録されている曲です。
ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ 第8番 悲愴 第2楽章」を、
ひろみちゃんがジャズアレンジでカバーしました。
じっと聴いていると、
薄い夕暮れ色のあたたかな柔らかな毛布に身体と心を大事に包んで、
そっと静かに穏やかに微笑んでいる女性の姿が
心の中に浮かびます。
嬉しかったことも、幸せだった事も、
くるしかった事も、つらかった事も、
ぜんぶそのあたかい優しい笑顔で、穏やかな感情でくるみながら、
懐かしく思い返しているような。。。
この曲で ぶううぅん、と静かに響き続けるアンソニー・ジャクソンのベースがとても素敵です。
「今そこで」、「今ほんとうに」、私の身体を静かにあたため続けてくれている、
電気ストーブみたいなあたたかさ。。
こういう、「肉体的な感触」を実際に感じさせてくれる、
思い起こさせてくれるプレイっていうのは
本当にすごいと思う。
そういうプレイヤーってすごいと思う。
(青木さんも、私にとってはそういうプレイヤーだったな。。)
心のラインを、そっと優しくなぞっていくようなベース。
そんな風になぞられたら、泣きたくなるよね。。