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こまきのブログです。

【Live】上原ひろみソロ・ピアノ・ツアー2009「PLACE TO BE」@大阪

●2009年12月6日(日)
上原ひろみソロ・ピアノ・ツアー2009「PLACE TO BE」


【会場】
ザ・シンフォニーホール(大阪)


【出演メンバー】
上原ひろみ(Pf)





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【SET LIST】
☆1st Set
I Got Rhythm
Sicilian Blue
BQE
Islands Azores
Berne Baby Berne
Choux a la Creme


☆2nd Set
Green Tea Farm
Capecod Chips
Old Castle, By the River in the Middle of a Forest
Pachelbel's Canon
Viva! Vegas〜Show City, Show Girl
Viva! Vegas〜Daytime in Las Vegas
Viva! Vegas〜The Gambler


<Enc.>
Place To Be
The Tom and Jerry Show



                                                                            • -

年に一度のひろみちゃんライブ!でした〜。


今回の会場はクラシックの殿堂、ザ・シンフォニーホール
私はこのホールに来たのは本当に久しぶりでした。
大学生の時に東京佼成ウィンド・オーケストラ(有名なプロの吹奏楽団)の
コンサートを見に来て以来だなあ。


会場に集まる観客層の年齢は本当に偏りがなくて、
まさに「老若男女」な感じでした。
おじいさんおばあさんから、ちいさな子どもまで。
(いかにもピアノ習ってますって感じの小学生ぐらいの女の子が、
発表会風の服を着てめいっぱいおしゃれして、
お母さんと一緒にコンサート会場に来ている姿がたくさん見られました。
かわいかったなー。)

インストの音楽でこんなに幅広い年齢層の人に、
かつこんなにたくさんの人々に愛されるひろみちゃんって本当にすごいなぁ、と思いました。



会場内に入ると、ステージ上にはピアノが一台ぽつん、とたたずんでいました。
なんともいえない独特の光景。
「あぁ、本当に『ソロ・ピアノ』ツアーなんだなぁ〜」と思いました。


楽器っていうのは意志を持ってるなあ、と思います。
ステージ上のピアノはしっかりとした意志を持って、
ステージ上でたったひとり、しん、とたたずんで
ご主人様の登場をじっと待っているように見えました。
ご主人様に弾かれるのをじっと待ってる。。



客席は満席です。
立見の人までいます。すごいなあ。
シンフォニーホールのステージ後ろのでっかいパイプオルガンが綺麗で見とれます。


時間が来て、いよいよ開演!
ひろみちゃん登場です!


一年ぶりです!会いたかったよおぉ〜〜!


アルバム『PLACE TO BE』のジャケ写と同じ衣裳のひろみちゃん、
ピエロの人形みたいでかわいい!


まず一曲目は「I Got Rhythm」から。


マイクを通さないひろみちゃんのピアノの生音が、
シンフォニーホールに響き渡ります。
とても独特な響きに感動です。


なんて素敵な響き。
ひろみちゃんのピアノの音も綺麗。
シンフォニーホールの響きも綺麗。


ピアノって減衰音の楽器なはずなのに、
そういう事を感じさせないしっかりと「伸びる」ような、
「長さ」を感じさせるひろみちゃんのピアノの音に感動。


そして、クラシック漫画「のだめカンタービレ」の中で
「ピアノは一台でもオーケストラ」って台詞があるんですけど、
ひろみちゃんのピアノの音はまさしく「一台でもオーケストラ」な感じで。
すっごいなぁ、って感動しちゃいました。
なんて多彩な音の重なり。。。



「ピアノと一緒に世界旅行」をテーマにライブは進んで行きます。


「Islands Azores」聴けたの嬉しかったなー!
アルバム『PLACE TO BE』の中で大好きな曲なんで。

アゾレス諸島の情景を音で描いたこの曲、
聴いていると、真っ青な空と真っ青な海が心の中に浮かんでくるような曲。
とても澄んだ情景が浮かんでくる曲。


ライブではこの曲のイントロでステージ上が青いライトで照らし出されて、
バックのパイプオルガンも青い光に照らされてて綺麗で。
なんだかイメージにぴったりで感動。
何よりも生で聴くこの曲のひろみちゃんのピアノの透明感、美しさに
感動でしたーーー。



MCは、相変わらずたどたどしくって可愛かったです。
シンフォニーホールはステージをぐるっと取り囲むかたちで客席があるんですけど、
ひろみちゃんが
「どこを向いて話したらいいんだろう。くるくる回りながら話すわけにもいかないし・・・」
とおろおろと困っていたりとか(笑)
「MC中は何か適当に他の事しといてください。チラシぱらぱら見たりとか。」
と言うひろみちゃんにウケたりとか(笑)


「シュークリーム大使@ひろみちゃん」の話も可愛かった〜。
シュークリーム食べたくなりました(笑)


そして「そんなに楽な話はないので・・・」のひと言には、
「そうだよねぇ」と心の中でうなずいた私だったのでした。



休憩をはさんで二部スタート。
「Capecod Chips 」も大好きな曲なので聴けて嬉しかった!
「熱くジャムる」感じが良かったですねえ。
ごりごりとした質感。


そしてとても印象的だったのが、
「Old Castle, By the River in the Middle of a Forest」。
アルバム『PLACE TO BE』以外の曲が聴けて嬉しかったし、
本当に熱いドラマチックな演奏で素晴らしかったです!
聴いてていろんな風景が見えました。
会場も拍手喝采でした。


「Pachelbel's Canon」ではピアノの弦の上に定規?のような物を置いて、
チェンバロ風の音を出す独特の奏法をしてました。


なんともいえない音色でしたね。
とても雰囲気があって・・・聴いていると、
あったかいような、懐かしいような、切ないような、優しいような、
不思議な気持ちになりました。


この曲中客席からは手拍子が起こったんですけど、
正直私はこの時
「えぇ、今って手拍子すべき時じゃないんじゃないかなぁ?
じっと聴くべき時だと思うし、ひろみちゃん弾きにくくならないかな?」と
思ったんですけど、
ひろみちゃんは客席の手拍子に対して嬉しそうににっこりと微笑んで、
客席の手拍子を生かすような演奏をしてくれました。
さすがひろみちゃん、人間の大きさが違いますー。
私なんてほんとちっさい、ちっさい。


そしてやっぱりなんといっても圧巻だったのが、
組曲「Viva! Vegas」より「The Gambler 」!!!


この曲のイントロで、ひろみちゃんは
張りつめたフレーズを弾いた後に、
「はい、はずれ〜〜」って感じの
ふにゃにゃにゃ〜〜という感じのフレーズを弾いて。
客席からはその「はずれ〜〜」フレーズにウケて笑いが(笑)


それを三回〜四回ぐらい繰り返した後・・・
ひろみちゃんは心を決めたようにぎゅうんっ!!と熱いグリッサンドを弾いて、
そこからはジェットコースターのような熱い熱い怒涛のピアノ・ショー!!


あの「スタート〜〜!!」って感じの瞬間、かっこ良かったなあぁーー!!
「うぉー、ひろみが旅に出たーー!!」とか思って感動しましもん。
心を決めてスタートを切ったときのひろみちゃんの背中の
かっこ良さったらなかったのでした。



「The Gambler」の素晴らしい演奏で、
熱く熱く盛り上がって会場からは拍手喝采


アンコール一曲目は「PLACE TO BE」。
自分自身としっかりと向き合って演奏するひろみちゃんの姿。
でも決して孤独そうではありませんでした。
そんな彼女の姿を見ながら私は、
「孤独っていうのは、周りがつくり出すものではなく、
自分自身がつくり出すものなのかな・・。」と
思いをはせたりしました。


「PLACE TO BE」の最後の音、綺麗だったな。
ちいさな透明なクリスタルの星が、
きらきらっと暗闇の中で二、三回瞬いて、
すっと空間に溶けて消えていくような、そんな綺麗な音でした。
宝石のような音でした。


ラストは「The Tom and Jerry Show 」!
もう私我慢できなくなって、立っちゃいました!
会場は熱い手拍子の音でいっぱいです!!


ひろみちゃんの熱い演奏と、観客の熱い手拍子がひとつになって、
シンフォニーホールの空間を満たしていました。


演奏を終えて去っていくひろみちゃん。
なんだかオットコマエな表情でした(笑)
かっこよかったーー。


観客は割れんばかりの拍手を彼女に対して送り、
ステージを去っていく彼女を見送ったのでした。



ひろみちゃんのソロ・ピアノ・ツアー本当に素晴らしかったです。


いつもはバンド編成なので、正直
「ソロ・ピアノで二時間半〜三時間っていうのはどんな感じなのかなぁ。
寂しい感じになったり、退屈な感じになったりしないのかなあ。」
と思っていたのですが、全っ然そんな事ありませんでした!
たった一台のピアノで、私たちに本当にいろんな世界を見せて、届けてくれました。


ソロ・ピアノツアーという事で、
会場の雰囲気はやっぱりいつもより大人しめなんですけど、
でも「静かな中にも盛り上がる。ステージと客席であたたかく愛し合う。」感じが
しっかりと、ひしひしとあって。


あの雰囲気がすごく良かったなぁ。
ひろみちゃん、愛されてるなーーって思いました。
彼女の音楽の強さがたくさんの人を魅了し、惹きつけるのでしょうね。


謙虚な姿もそのままで素敵でした。
そういうところも大好きです。


そして何よりも、ひろみちゃんが本当に「楽しそうに」弾いてるのが
良かったなーー、と思います。
見ているこちら側まで楽しくなってきちゃうぐらい、本当に楽しそうに弾いてる。


美味しいものを食べれば食べるほどもりもり元気になっていく子どもみたいに、
弾けば弾くほどどんどん元気になっていくひろみちゃん。
自分で自分をどんどん元気にしていくひろみちゃん。
素敵だなーと思います。


はち切れんばかりのひろみちゃんの想いが
いっぱいいっぱい伝わってきた素敵なライブでした。



この日は本当に寒い日でしたが、
帰り道、いつもつめたいはずの私の手はぽかぽかでした。


良い音楽は私の手を、身体を、あたたかくしてくれます。


この頃マリンバの練習ですっかりどんづまっていた私は、
本当に楽しそうにピアノを弾くひろみちゃんの姿を見て
なんだか気持ち的にふっと浮上できた感じがして、それもとても嬉しかったのでした。
やっぱり「楽しまなくちゃ!」ですね!



ひろみちゃん、今年も会えて嬉しかったよ!
素敵なライブをありがとう。


来年も絶対会おうねーー!!