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こまきのブログです。

くらしとリズム

komaki-13252008-04-13

どれぐらい前の事だったか忘れましたけど・・


ある日、私はぼーっとテレビの料理番組を見ていました。
特に、目的も何もなく。
ただ、その時テレビに映っていたのが
たまたまその番組だったので、
なんとなく見ていたのです。


だけど、最初は「なんとなく」見ていたその番組を、
時間が経つにつれて私は「じっと集中して」見るようになりました。


そのテレビ番組で料理を作っていた講師の方の手の動きを見ていて、
「なんだかこの人の、料理を作る手のリズムは心地いいなあ。」
と感じ始めたからです。




包丁で材料をとんとんとんっ、と切るリズム。
ボウルの中で材料をさっさっさっ、と混ぜるリズム。
他にもいろんな動作があったけど、
見ていて聞いていて、すごく心地が良かったのです。
ほんとリズムがいいなって思って。
吸い込まれるようにじーっと見てしまいました。


誰かが料理を作る手元を見ていて、そんな風に
「リズムがいいな。」と感じたのは、たぶん初めての事でした。
そのリズムに惹かれて料理番組を終始見てしまった、とかいうのも
やっぱりその時が初めてだったと思います。


そしてでき上がった料理は、とっても美味しそうだったのでした。




以前勤めていた職場の近くにスーパーがあって、
私はそこに時々買い物に行きました。


品物を買うと、私はだいたいいつも
ある決まった店員さんのレジのところに並ぶ事にしていました。
その店員さんが、おそらくこのお店の中ではいちばん手際がいい方だという事を
知っていたからです。


その店員さんがレジを打つ指も、とってもリズムが良かったです。
まるでピアノの鍵盤を叩くみたいに、
たんたんたんっ、と素早くリズミカルにレジを打っていました。


その店員さんがお店の窓ふき掃除をしているのを見かけた事があります。
きゅっきゅっきゅっ、と窓を拭く手の動きは、やっぱりリズムが良かったです。



音楽の中で非常に重要な役割を果たしている「リズム」。
リズムは、音楽の中だけのものじゃなくて、
私たちの日常生活の中の、あちこちにあるものなんだなと思います。



それぞれの人の仕事の中にも、いろんなところに「リズム」が隠れていると思います。


私は事務職ではないけれども、仕事の中で事務的な事もやります。
そういう事務作業をする時にも、リズムを意識しながらやると、
けっこう楽しかったりします。
コピーをとる作業や、紙を揃えたりする作業の中にもリズムがあります。


事務っていうのは反復作業が多いと思うんですけど、
そういう反復作業を「よりリズミカルに」「リズムよく」という事を
心がけてやっていくと、なんだか音楽を演奏しているみたいで楽しいし、
「リズムよく」を心がけてやると、物事がスムーズに運ぶようになります。
もちろん事務以外の仕事の中にも、いろんなところにリズムがありますね。



「物事がスムーズに運ぶ」ときっていうのは、
いろんな物事が「リズムよく」進んでいる時ではないですか?


逆に、「なんだか物事が上手く運ばない」という時は、
物事の進む「リズムが悪い」という時ではないですか?
実際的な意味でも、比喩的な意味でも。



私はこの4月から新しい職場で働きはじめました。
まだまだ見習い状態で、たいした事はやらせてもらえていないのですが、
でもとにかくひとつひとつをなるべく「リズムよく」こなしていく事を
心がけたいなー、と思っています。
そういう事の積み重ねで、やがては仕事全体によいグルーヴが生まれるといいなって。
そう思っています。
だいぶ時間がかかるでしょうけれど。。



今私がこうして書いている文章の中にも、リズムは存在します。
小説家の村上春樹さんが文章を書く時に最も大切にしているのは「リズム」なんだそうです。
私はそれを知って以来、自分が文章を書く時にも、
「文章の中のリズム感」をすごく意識するようになりました。



いま外では雨が降っています。
ぱたぱたぱた、と雨が屋根を打つ音が聞こえてきます。
ここにもリズムがある。。


私が大切にしているウォーキング、「歩くこと」の中にもリズムがある。


私の身体の奥にある心臓は、終始ビートを打ち続けています。
生まれてから死ぬまで、私の身体はリズム楽器なんだなって思います。



そうやって意識してみると、本当に私たちは
無数の種類のリズムに取り囲まれて生活しているのだなあと思います。



「リズム」っていうのは、全ての基本なのかな。。



「音楽の中のリズム」とか、「くらしの中のリズム」とかいうふうに区別するのは、
もしかしたらおかしい事なのかもしれないな、とも思います。


私たちのくらしや人生自体が、音楽みたいなものなのかもしれない。
そこには境界線はないのかもしれませんね。