It Will Be Fine!

こまきのブログです。

「シンクロナイズドDNA@大阪BIG CAT」ライブレポ!

komaki-13252006-06-03

●2006年6月3日(土)
「Synchronized DNA コドモノココロツアー2006」



【会場】
BIG CAT(大阪)
http://www.arm-live.com/bigcat/


【出演メンバー】
神保彰(Ds)
則竹裕之(Ds)



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※注!ネタばれありです!!



今現在、梶原さんが出演される以外のライブでは、
おそらく自分の中で一番楽しみなのは
このシンクロナイズドDNAのライブだと思います。


だってだって、ライブの最初っから最後まで
ドラムスだけなんですよ?ドラムスしかないんですよ?
ライブ中ずーっと、ドラムスのプレイを浴びる程に堪能できちゃうわけです。
しかもプレイヤーは、神保さまと則竹さんという、最高のプレイヤーな方々!
こんな素晴らしい事があるでしょうか!いやっほう!!


・・・と無意味にライブ前にテンションが上がってしまうのが
シンクロナイズドDNAのライブです(^^;


こんな感じで、今回のライブはとーっても楽しみだったのですが、
この一週間は自分にとってなかなか激動の一週間だった為、
いろんな思いが自分の中でぐるぐる渦巻いていて
一週間ろくすっぽ眠れない状態だったので、
ライブ当日胃の調子が悪くて悪くて(涙)


私はシンクロナイズドDNAのライブに行くと
元気な時でも胃をおかしくするので
(あまりにプレイが凄すぎて圧倒される為)、
「ちゃんと私は今日のライブを最後まで見れるのかなー?」と
心配しながら行ったのですが、大丈夫でした。


なんだか今回のツアーは、とてもとても「楽しめる」感じだったのです。

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ライブは新曲からスタートです。
BIG CATはとても大きな会場な為、ライブハウスの音響ではなく、
ホールの音響に感じられ、そこに最初戸惑いを感じましたが、
時間が経つと慣れました。


ライブがスタートすると同時にリズムの洪水!
もー、幸せだぁ〜。気持ちいい!!
心地いいリズムを聴くと、体が喜ぶ、よろこぶ!
プレイしている神保さんの笑顔も、則竹さんの笑顔も、
リズムと共に明るく弾けています。


新曲は、大きながっしりした外枠の中で、
細かい様々なリズムを刻むようなタイプの曲。
大きな船がぐいぐいと自信を持って進んでいくような、
力強い印象の曲でした。



とても印象に残ったのはウェザー・リポートの「バードランド」。
好きな曲だし嬉しかったです。
なんだかこの曲、なぜかシンクロナイズドDNAにとっても合う!
アレンジが素晴らしい!
縦ノリシンプル系のビートと、神保さんのトリガーシステムで奏でられる
この曲のメロディーラインがぴったりマッチして、
爽やかで、かつ潔さみたいなものも感じられる
とても気持ちのいい演奏だったと思います。




シンクロナイズドDNAライブで恒例となってきた(?)
寸劇コーナー、ネタコーナーもバージョンアップしていました。
てゆうか、バージョンアップし過ぎでした(笑)


ライブの中盤で、「ちょっと忘れ物を取りに行ってきます・・・。」
とステージから姿を消す神保さん。
その間にステージ前方にセッティングされる電子ドラムたち。


そして神保さん再びステージに登場。
・・・が、その格好が!なんとお医者さんの白衣姿!!
(しかも似合ってらっしゃるし)


めがねに聴診器、白衣姿の神保さまを見て
もう私、唖然。そして爆笑。
もちろん会場も爆笑です。


則竹さんも白衣姿に着替えて登場。
聴診器に、太い黒ぶちのめがね。
なかなか怪しくて素敵です(笑)
神保さんに、「そのめがね、いいですねぇ〜(笑)」と
つっこまれる則竹さん。


さて、役者が揃ったところで、「リズム科医局長神保彰」による
リズムクリニック、スタートです!!


まずは、「サムライスティック」というものの説明から。
「サムライスティック」とは・・・
二人のプレイヤーが同じパターンのリズムを少しタイミングをずらして叩く事で、
お互いのプレイヤーの休符部分に、
相手のプレイヤーのリズムを打つ瞬間がパズルのようにはまり、
組み合わさるリズムパターンの事。
(で解釈合ってるでしょうか。間違ってたらフォローして下さい。)


今日は『淀屋橋ブルース』の基本のリズムである、
「タン、タン、ターンタ、ンタ、ンタ、ンタタン」というリズムを使って
神保さんと則竹さんの実演で、この「サムライスティック」を解説。


スティックだけを持って、
自分の二本のスティックを打ち鳴らす感じで神保さんが
「タン、タン、ターンタ、ンタ、ンタ、ンタタン」のリズムを叩きます。
則竹さんも、少しタイミングをずらして同じリズムで入ります。


すごい!パズルみたいに見事に組み合わさってる〜!!


そのままだんだんテンポを早くして行って、早くして行って〜・・・


ラストは「ンタ、ンタ、ンタタン!」のリズムを
ふたりでぴったりのタイミングで合わせて
数度繰り返すかたちで打って、びしっと決めて終了!


すごーい!!こんな事ができるんだ〜!
何かのショーを見ているようです!
会場からも拍手喝采


で、次からおふざけが始まります(笑)
今度はスティックは使わずに
「タン、タン、ターンタ、ンタ、ンタ、ンタタン」のリズムで
「のっ、りっ、たーっけ、っひ、っろ、っゆき」(爆)と言葉を
神保さんと則竹さんがサムライスティック方式で組み合わせて発音。


ラストは、二人で揃って
「っひ、っろ、っゆき!」をぴったり合わせて繰り返して、
ばしっと決まりました!(笑)


もうこの時点で既に笑い死にしそうになっている会場ですが、
この後もさらに「駅名シリーズ」で
サムライスティック実演コーナーをやったりして、
ますます笑いを取っていた神保さんと則竹さんだったのでした。



あと、この電子ドラムの機能解説コーナーなどもあったりして。
この電子ドラムには、プレイヤーがリズムを刻む
「正確度」みたいなのを、数値で表す機能もついているんだそうです。


神保さんに「叩いてみてください」と言われ、
シンプルなエイトビートをこの電子ドラムで刻む則竹さん。
出た数値を見て、
「この数値だと、則竹くんはかなり正確にリズムを刻めているという事です。」
と神保さん。おぉ〜、さすが!


他にもこの電子ドラムには機能があって、
「正確なリズムを刻めていないと、音が鳴らない」
ようにも設定できるんだとか。


そしてこの設定には「イージー」「ノーマル」「プロ」の
みっつのランクがあるんだそうで。
ランクが上がるごとに機械の審査が厳しくなって、
音が鳴りにくくなるんだそうです。


神保さんにプレッシャーをかけられ、わなわなわな、と
お茶目に震える仕草をする則竹さん(笑)


まずは「イージー」ランクでプレイスタート。
エイトビートを刻む則竹さん。
見事に全ての音が鳴ってます!会場拍手。


次は「ノーマル」ランクでプレイ。
あっ、ほんの数発だけ、音が鳴らない瞬間が。
機械の審査が厳しくなってまいりました。


ラストに「プロ」ランクでプレイ。
わぁ、則竹さんでも音が鳴らない瞬間が結構ある!
ヤケになって、ハイハット部分のパッドを乱暴に叩く仕草をする
お茶目な則竹さん。ここでも会場爆笑(笑)
他の会場では、この怒るシーンで則竹さん、
スティック折っちゃったそうで(笑)


プレイ後に
「この“プロ”ランクだと、普通の人はまず全く音が鳴りません。」
と神保さんの説明が。
うっひゃー、めちゃくちゃ厳しいんだなあ。
しかしまぁ、いろんな機能がついてるんですね。面白いなあ。



もうひとつのネタコーナーは、
則竹さんが、歌を歌うというコーナーでした!


サイレントギター(ボディ部分が空洞になっています)を抱えて
ステージに登場した神保さん。
うっわー、神保さん、ギターがすっごくお似合い!!かっこいい!


神保さん「則竹くんは、歌がお上手なそうですね?」
則竹さん「いえいえいえ、そんな事は・・・」
神保さん「“そして神戸”がオハコなんだそうですね?」


って事で。
神保さまギター演奏、則竹さん歌による「そして神戸」がスタート。
神保さんいわく「キーをCマイナーからCメジャーセブンスに変えて、
ボサノバタッチで明るいおしゃれな雰囲気にしてみました」との事。


歌い始めてすぐに、あまりのシュールな雰囲気に
思わず「ぶふっ」と吹き出してしまった則竹さん。
会場爆笑。


しっかし、則竹さんほんと美声!
昨年末の本田バンドカウントダウン@BAJの歌謡ショーコーナーでも
その美声には聞き惚れましたが、このメジャーキーだと、
則竹さんの声の美しさがいっそう際立つ感じ!


大笑いしつつ聞き惚れつつ、で
シンクロナイズドDNAによる歌謡ショーは幕を閉じたのでした。。




演奏コーナーとネタコーナーの順番が前後しているかもしれませんが、
再び演奏の感想に戻ります。


「サムライスティック」を多用して演奏された
淀屋橋ブルース」の凄かったこと!!
リズムの組み合わの妙技に、「すごい・・・!」と思いながら、
もうただ呆気に取られて見ているしかありません。
あんな早いテンポで、あんな細かいパターンで
リズムを組み合わせる事ができるなんて!ほんっとプロってすごい。
なんだかもう、まるでサーカスを見ているみたいでした。すご過ぎです。


新曲「そえもんちょうエレジー」(笑)もすごかった!
則竹さん作曲の新曲だそうで。
神保さんいわく、
「音数は多くないが、密度がすごくて超難曲。一ヶ月必死で練習しました。」
との事。
いやもうほんと、すごかったです。演奏中、固まってしまいました。。


あとジョン・レノンの「イマジン」が今回とても印象に残りました。
タムやスネアの「音の長さ」みたいなのが、しっかりと感じられて。


タムはまあ、少し残響がありますから「トーン」と響くのはわかりますが、
この曲ではスネアの音も、「タンッ」って感じじゃなくて、
「ターン」という長さを持って・・・というか
「長さが感じられる」感じで聞こえてきたんですよ。


「パーカッションという、音を伸ばせない楽器でも
“音の長さ”というのは表現する事ができるんだなあ。
ああいうのは、いったいどうやったらできるようになるんだろう。。」
と思いながら、ゆるやかに大らかに動く神保さんと則竹さんの手元を
私は羨望の眼差しで見つめていました。


本編ラストは超絶デュオ曲
ノルウェイの池」「デンマークの森」で終了。
ライブが重ねられるたびにパワーアップしていきますね。
今回も圧巻の演奏でした〜。


こういう、トリガーシステムなしで、メロディーラインなしで
本当にドラムスの音だけでプレイするタイプの曲を聴いていると、
周りの景色がすうっと消えて真空状態になって、
ドラムの音やリズムだけがその空間の中に浮かび上がるのを
見る瞬間、感じる瞬間があります。
「リズムの宇宙」を感じる瞬間です。ぞくぞくします。




アンコールでは、神保さんと則竹さん、衣裳を着替えて登場。
今回のツアーグッズであるDNAツアーTシャツをお召しです。


そして、注目すべきはお二人がはいているジーンズ。
これ、ドラマー仕様の「DNAジーンズ」なんだそうで、
ドラマーに便利な機能がいっぱいついているんだそうです。
(神保さんのはいているものと、則竹さんのはいているデザインは違っていて、
このジーンズのデザインには2タイプあります。)


ポケットにスティックを差し込んでも
スティックがずれたり落ちたりしないように、
ポケットの上部に革バンドみたいなのがついていたりとか。


あと、プレイ中にバスドラムのビーターが
ジーンズの裾に入り込まないように、
ジーンズの裾をきゅっと締められるようにボタン(?)が
ついていたりとか。


神保さんがはいていたジーンズは、
ポケットがいっぱいついているタイプのもの。
そのジーンズを見て
「すごくポケッティーな感じですね」と言う則竹さん。
(そんな単語あるのですか/笑)
このポケットの中にチューニングキーを入れたりする事ができて、
とっても便利なんだそうで。


このDNAジーンズ、まだ販売はされていないそうですが、
好評であれば今後販売するかも、との事でした。
DNAジーンズは、機能的にも優れているのはもちろんの事、
デザインがめちゃくちゃおしゃれでした!
ドラムスをプレイする機会がなくても、ちょっと欲しくなる感じのものでした。
個人的に、特に神保さまバージョンのデザインがかっこいいと思いました。
私も欲しい〜。



ツアーグッズや最近発売されたシンクロナイズドDNAの教則DVD、
DNAジーンズの説明などの後、おふたりは再び素晴らしい演奏を繰り広げ、
アンコール終了。
今回のシンクロナイズドDNAのライブは幕を閉じました。


シンクロナイズドDNAのライブの中では、
神保さんと則竹さんというふたりのプレイヤーが、
全く同じリズムを寸分の狂いもなく同時に叩いてばちっと合わせたり、
あるいはひとりのプレイヤーがバッキングの役割を担当して
もうひとりのプレイヤーがソロを取ったり、
あるいはふたりのプレイヤーがパズルのようにリズムを組み合わせたり・・・
と、様々なスタイルのプレイがありますが、
そういうのをひとつひとつ見ているのが本当に楽しいです。


リズムパターンというのは本当に無限にあるのだなぁ、
という事を思い知ります。
ドラムスって、打楽器って、なんて面白い楽器なんだろうと思います。


そしてやっぱり打楽器のプレイは生で聴かなきゃ!とも思います。
ドラムスの音が空気を振動させて自分の体に届いてくる感じ、たまりません。
CDやDVDとは全然違います。
この文章を書いている今も、ライブで感じたドラムスのビートが、
まだ体の中に残っています。


シンクロナイズドDNAのプレイの特徴のひとつである
「ふたりのプレイヤーが、寸分の狂いもなくリズムをばちっと合わせる」
という発想は、日本人の特徴でもあるんですよね。


以前マリンバの先生からだったか、
「日本人は、リズムにおいても“統一美”を重んじる傾向がある」
という話を聞いた事があります。


昨年の渡辺貞夫さんのリズムワールドで、
各国のパーカッションチームの演奏を聴いていても、
それは感じました。


☆2005年6月18日の日記
渡辺貞夫リズムワールドレポ2!(パーカッション詳細編)」
http://d.hatena.ne.jp/komaki-1325/20050618


寸分の狂いもなく合わせ、その揃った感じを「美しい」とする日本人の価値観。
(音楽に限らず、他の物事でもそういう事がありますよね。)
その価値観は、ある意味日本人の面白くないところでもあると同時に・・
裏を返せば日本人の「長所」ともなり得ます。
ある意味、他の国の人にはできない、日本人にしかできない事かもしれない、
とも思うからです。


プロの技巧と誇りを持って、とことんまでリズムがシンクロする、
そこを頂点まで追求する、シンクロナイズドDNAのパフォーマンスの世界。


日本人の私達が見ても
もちろんそれは驚愕のパフォーマンスなんですが、
外国の人達にとっては、このユニットのプレイは
より驚きを持って受け入れられるのではないかと思います。
おそらく外国には、この発想はないのではないかと思うので。
日本国内ではもちろん、海外でのシンクロナイズドDNAの活躍も楽しみですね。



私は今回でシンクロナイズドDNAのライブは三回目でしたが、
今までの二回のライブは、必ずライブ途中で胃をおかしくしていました。
あまりにもプレイが凄すぎて、圧倒されてしまう感じがあって、
「もうこれ以上聴けない!無理!」って感じになったりしてたんですね。


でも今回のライブでは、そういうふうにはならなかったです。
もちろん今回のライブもプレイはとっても凄かったんだけど・・・
でも今までより「楽しめる」「リラックスできる」感じが
増えてきたような気がするんです。
だから聴いてて胃がおかしくなる瞬間もなかったし、
ラスト曲の演奏の時でも
「もっとずっと聴いてたいなあ。ずっとこのまま、リズムの中にいたい。」
という気持ちでいました。
シンクロナイズドDNAのライブでこの気持ちを味わったのは、
私の中では、初めての事でした。
それも印象深かったです。


いろんなものがぐんぐんバージョンアップしている
シンクロナイズドDNA、これからの活躍も楽しみです。


また次のシンクロナイズドDNAのツアーも必ず行きたいです!
リズムって、ドラムって、素晴らしい!!大好きです!



☆2005年10月8日の日記
「シンクロナイズドDNA@チキン」ライブレポ!
http://d.hatena.ne.jp/komaki-1325/20051008