It Will Be Fine!

こまきのブログです。

マリンバ発表会、本番!

komaki-13252005-08-21

ついにマリンバ発表会本番の日がやって来ました!
(写真は、開演前の会場内の様子です。)


朝の8:00から、
自分の部屋の雨戸をガラガラっと閉めて、
本番前の最後の練習をしました。


ああぁ、近隣住民の方、ごめんなさい・・・。
朝っぱらから、マリンバの音がするだけでも迷惑なのに、
しかもこんな不協和音ばりばりな意味不明な曲が鳴り響いて(泣)


でも本番前のリハーサルでは3〜4分しか
時間もらえないし。
本番前にしっかり手首を動かして、あっためとかないと、
もう本番までに弾ける機会ないし。


って事で、ぐっと集中して40分ぐらい弾きました。


練習を終えて、身支度をして、家を出ました。
会場まで、また迷子になる事も考慮して(爆)
かなり早めに家を出ました。


結果、早く会場に着き過ぎました。。。
私のリハーサルは12:30〜の予定なのに、
まだあと一時間近くもある。


リハ前に昼ご飯を済ませる事にして、
誰もいない楽屋で、一人でもそもそとおにぎりを食べました。
ホールの方からは、リハーサルで誰かが
マリンバを弾いている音が聞こえて来ます。
「あぁ、本番前だなぁ〜」って感じ。


自分のリハ予定時間の、10分ぐらい前から、ホールの客席に座って、
他の出演者の人たちの、リハの様子をじっと見てました。


みんな、緊張してるなぁ。
演奏している人たちの、どきどき感が伝わって来ます。
どの人も、「自分と戦いながら」弾いてるのが
ひしひしと伝わって来ます。


そういうの見てて、「気持ちわかるなぁ〜」って思いました。
不安なのは、怖いのは、私だけじゃないんだな、って。


予定通り、12:30頃から、私のリハがスタート。


マレット(←バチの事)を数種類持ってステージに上がって、
本番で使うマレットを決めます。


先生の、「もっと固めのマレットはないの?」の指示で、
思っていたより、かなり固めのマレットで
弾く事になりました。


ええぇ、こんなに固いやつでいいんですか?!
弾くと、すごくキンキンと
キツめに音が響く感触があるんですけど・・・(汗)


「アクセント部分だけ、柔らかめに弾くとか、できる?」と先生。
うわーん、急にそんな事、言われても〜(泣)
でも結局本番で使うマレットは、その固めマレットに決定。


あぁ、ちょっと不安。
柔らかく弾くトレモロ奏法のところとか、
すごく弾きにくいです。
このマレットだと、音の粒がまる見えな感じ。


で、リハの演奏どうだったかと言うと・・・
いやぁ、もう、気持ちのいいぐらいに大失敗です(爆)
(マレットが変わった事とは関係なく。)
最初のうちは良かったんだけど、
後半で混乱して、見失って、間違いまくり。きゃー。


でも、あれだけ間違いまくっても、
止まらずに弾けたなぁ。


あれだけひどく間違っても、
演奏がストップしない事は実証された!
だから大丈夫!(←レベル低)


「もう失うものは、何もないぜー」と、開き直る事にしました。
今さら、怖いとか言ったり、不安になったってどうしようもないし。
気持ちを明るい方向に持って行く事につとめます。


全ての出演者のリハが終了した後、
ステージ上にその日の出演者が全員集合して、
集合写真を撮ります。


「背の順に、並んで下さ〜い。」の声に、
「えっ、背の順?!(汗)」と過剰に反応する自分(爆)


でも背の順に並ぶのは、小学生の出演者の子たちだけでした。
良かった。。。(何が)


カメラマンの方が、写真を撮る為によじ上っていた椅子から
何かの漫画のシーンのように、上から下まで見事にころげ落ちる、
というハプニングもありましたが
(それでもカメラは手放さず守った!さすがプロ!
怪我がなくてよかったです。)
集合写真撮影も無事?終了。


13:30、マリンバ発表会開演です。


この日の出演者は、全員で28名。
私の出演順は、25番。
私の本番は、15:00以降になる予定。


発表会がスタートして、最初の10人ぐらいは、
私は客席内で演奏を聴いてました。


演奏を終えた人たちが、本番を終えた晴れやかな表情で
ひとり、またひとり、と客席内に戻ってきます。
それを見て「いいなぁ、私もとっとと終わりたい・・・(泣)」
と思う自分。


10人ぐらい演奏を聴いた時点で、私は客席を出て
楽屋に行きました。
楽屋で譜面を見ながら、マリンバを弾くイメージで、
両手で膝をぱしぱし叩きながら、最終確認。


あぁ、なんかやればやる程不安になる・・・(泣)
って事で、確認作業も、ほどほどに。


「あー、やっぱり怖いよう」の気持ちと
「いやいや、楽しむんだ!」の気持ちを、
行ったり来たり。
上がったり、下がったり。


本番までの気持ちのキープの仕方って、たいへんです。
楽屋でMDでJ&Bの演奏する「FOOTS」を聴いて、
楽しそうなメンバーの顔を思い浮かべて、
気持ちがふっと軽くなったり。


そうこうしているうちに、本番の時間が近づいて来ました。
衣裳に着替えて、いよいよ舞台袖に向かいます。


華やかなステージとは裏腹に、
ぶっきらぼうな、無機質な表情の舞台裏。
排気管(?)やら、機材やら、コードやら、
いろんなものが「むき出し」の状態でそこにあります。
暗くて、ひんやりとした空間。高い天井。
たくさんの出演者が、ここで、本番直前の
緊張の時を過ごします。


舞台袖で、以前私がマリンバの発表会に出た時に、
ピアノ伴奏でお世話になった方と再会しました。
笑顔の優しい、素敵な方。


「以前はお世話になりました。ありがとうございました。」
と私が言ったら、その方が
「もう10年前に、なるんだねー。」
とおっしゃったので、びっくり。


そうか、私がこの方にピアノ伴奏して頂いたのって、
私がマリンバ始めて2年目ぐらいの、まだ学生の頃だったもんなあ。
あれからもう、まる10年近く、経つわけだ。。。


「そうか、10年ですか・・・。」と言いながら、
ちょっと私、絶句。
ついこの間の事のような気がするんだけどなあ。


「早いよねー」
「早いですよねー」と、二人で苦笑して言い合いながら、
時の経つ早さを実感。



今日の私のピアノ伴奏をして下さる方も、
舞台袖に来られました。
その方も、口に手を当てて、はあーっとため息をついたり、
楽譜を見ながら、ぱたぱたとピアノを弾く仕草をしたり。
この方も、緊張してるんだなあ、と
その様子を見ながら思いました。


私もすごくどきどきしていたけど、
(舞台袖で、自分の前の2〜3人の出演者の演奏を聴いてる時なんて、
もう心臓ばくばく。自分の心臓の音が、人に聞こえそうなぐらい。)
「もう失敗さえも、楽しんじゃおう!」と
開き直って、気持ちを固めて、ステージへ。


暗い舞台袖から、
ぱっと明るいライトの当たる、ステージへ。
自分のいる場所が、一瞬で変わる瞬間。


いよいよ本番の演奏スタート。


去年よりは、落ち着いていたつもりだったけど、
やっぱり緊張してたみたいで、
もう前半ボロボロで、きゃーって感じでした(苦笑)


でも、「ここで、くじけてはいけない!!」と思って、
必死で曲に食らいついて行きました。
中盤以降は、何とか少し持ち直したかな?


全体としては、どうだったんでしょう。。。
自分としては、さっぱりよくわかりません。
あんまり覚えてない。


でも、最後まであきらめずに食らいついて行った感覚と、
「間違おうが何だろうが、とにかく思いっきり行こう!」と心に決めて
攻めの姿勢で弾いた音が、
ホール内に「カァン!」と響き渡って気持ちよかったあの感覚だけは、
覚えています。


後半のブレイク後の入りで、入る場所を一拍間違えた時は
冷や汗もんでしたが、
「きゃー、私はもう止まる事は不可能なんで、
ピアノの方、合わせてくださ〜い!」と
心の中で念じながら弾いていたら、
見事ピアノの方がつじつまつけて、合わせて下さいました。
ピアノの方も、あの瞬間は冷や汗ものだったと思います。
あぁ〜、本当にごめんなさい。
もうこれは、ピアノ伴奏者の方に本当に感謝です。
ありがとうございます!(感涙)


そんなこんなで、ハプニングはありましたが、
なんとか最後のAの音まで、
止まらずに、無事にたどり着く事ができました!
やったぁ〜、嬉しい!!


もうホント、
「最後まで止まらずに弾けたら、それだけでいい」
っていうのが、それだけが、今回の目標でしたからねー。


何レベルの低い事言ってんだよ、って感じかもしれないけど、
もーう本当に今回は、難曲を前に、いっぱいいっぱいの状態で。
本番の演奏中に止まって、自分がステージ上で棒立ちになっている姿を、
本当に何度リアルに想像した事か・・・。


去年の発表会みたいに、「人に伝えたい」とか、
そんな事考える余裕なんて、全然なかったです。
ホント、自分自身との戦いでした。


本番の3日ぐらい前は、
「もうこんなに辛い思いをするぐらいなら、
来年は発表会なんて出たくない」って
そう思ってたんです、本当に。


でも今日本番のステージを終えたすぐ後に、
「来年もまた、出たい!」って思ったんです。
すごく明るく、強い気持ちで。


不思議だなー。
やっぱり音楽は、やめられない!
あんなに怖い思いをしても。



自分ではさっぱりわからないんだけど、
たぶん本番の演奏の出来って、ボロボロだったと思うんですよ。


まあ、「2ヶ月で仕上げるには無理のある曲だった」というのが
最終的な結論だと思うんです。
でも、実際に練習始めて、
弾いてみるまではわからなかったんですよね・・・。
曲決めの段階で、音源を聴いた時点では、
ここまで難しい曲だとは、思わなかったんです。


でも実際に弾いてみたら、これが弾いても弾いても身体に入ってこない、
ワケのわかんない曲で。
自分の譜読み能力が落ちたのかとも思ったけど、
どうもそうではなくて、この曲は非常に音階の難しい曲だったんですね。
音楽理論的な事は、私はよくわからないんですけど、
マリンバの先生いわく、
「これはクラシックの曲の音階ではない。
完全に、ジャズ系の音階の曲。」
との事でした。
不協和音もオンパレードでしたしねー。


とか書いても、言い訳かな(苦笑)


でも、本番の演奏の出来はボロボロでかっこ悪かったかもしれないけど、
それでも必死で食らいついて、
最後まで自分なりに攻めの姿勢を貫いて、
諦めずに、最後までちゃんと弾き切れたのが、
すごくすごく嬉しかったんです。


私は今すごく自分なりに満足していて、スカッとしていて、
「これでいい」って思っているんですよ。
練習の時の、5割ぐらいは弾けたと思う。
それで十分じゃないか、と。


今日のステージみたいな、ああいう生き方で行きたいな、と思うんです。
ボロボロでも、かっこ悪くても、
必死でくらいついて行く、諦めない、止まらない、そんな生き方。


「不安で怖くて仕方なかったけど、
私はちゃんとあのステージに立って、最後まで弾けたじゃない」
って、そう思います。


これから先の人生で、自分が何かの壁にぶつかった時、
今日のステージの経験は、きっと支えになるような気がします。
音楽に限らず。
自分が何かに立ち向かうときの、勇気になるんじゃないかな。
「不安だけど、でもあの時だって、ちゃんと最後まで弾けたじゃない」
って、そういう風に。


それにしても、本当に怖かったなあ。
音楽以外でも、人が生活していく中で、
「緊張する」場面っていうのは、たくさんあると思うんですけど、
でも何ていうのかな・・・
ステージに立つ時のあの緊張感っていうのは、
他のものの緊張の種類とはちょっと違う、
「特別な種類の緊張」という気がします。
うまく言えないんですけど。



本番のステージを終えて、舞台袖に戻ったとき、
私のマリンバの先生ではない、他のマリンバ講師の方が、
「難しい曲を、よく頑張ったね〜」って
ぱちぱち拍手しながら、言ってくれて。


私が「いえもう、ボロボロで・・・(汗)」って言ったら
その方は「いや、そんな事ないよ。また来年も、ぜひ出てね。
終わったばかりでこんな事言うのも、何なんだけど(笑)」
って言って下さって。
それがとても嬉しかったです。


その講師の方の「来年もぜひ出てね」っていうセリフは、
「これからもずっと音楽を、続けて行ってね」という意味合いに、
私には聞こえました。


うん、これからもずっと続けて行きたいなあ、
愛して行きたいなあ、音楽を。



本番までの練習の過程で、弾いてて不安で怖くなって
ぽろぽろ泣いてしまうなんて、
学生の頃の吹奏楽部時代も含めてたぶん初めての経験で、
ここまで追い詰められたのは、初めてです。


間違いなく、今まで音楽やって来た中で、
今回が一番「怖い」ステージでした。


不安でつらくて怖かったけど、でも今はその思いも、
「経験してよかった」と心から思えます。
自分にとって無駄な事は、ひとつもなかった。
全部、必要な事だった。


来年はもうちょっとマシな演奏がしたいけど、
でも「すごい演奏をして、人にすごい感動を・・・!」
とか、そういう事は、全然思いません。
だいたい、そんな事、できっこないし(笑)
私、アマチュアなんだし。


自分なりに、ひとつひとつ一生懸命やって、
その結果、「あ、去年よりはちょっとは良くなったかも」
と思えれば、それでいいや、と思います。
これからは、そういう生き方で行きたいな、と思うんです。


だいたい私は、たいした力もないくせに、
理想像を高く持ち過ぎるんですよ。
そんな事、できないくせに。
そして自分で自分にストレスをかけて、しんどくなる。
やたら、ひとつひとつ深刻に捉えすぎる傾向もあるし。


だからまずは、音楽に限らず、何をやるにしても、
「自分自身が、思いっきり楽しめるようになる事」が目標かな。
等身大の自分でいいじゃない、と思います。
もっと楽に行こう、と思います。



不安で愚痴る私に、あたたかい励ましのメールを送ってくれる、
友達の存在も嬉しかったです。


ラストレッスンの時の、マリンバの先生の励ましも、嬉しかった。


12日に神戸文化ホールで見た、
貞夫さんのライブにも、勇気づけられた。


不安な時にはJ&Bの音楽をたくさん聴きました。
J&Bは、梶原さんは、やっぱりいつも私の心の支えでした。


たくさんの人の気持ちに支えられて、
私はひとつ何かを越えられたんだなあ、と実感です。


やっぱり、人が何か苦しい局面を超えようとする時には、
傍に誰かのあたたかい気持ちが、必要なんですね。


その壁を越える本当の瞬間には、その時は、
やっぱり自分自身の力で、自分ひとりの力で、
最終的には越えなければいけないと思うんだけど、
でも、その「何かを越えようとしている自分、もがいている自分」の姿を
傍で見守ってくれる、励ましてくれる誰かの存在っていうのは、
やっぱり必要なんです。
これは作家の灰谷健次郎さんが言っていた事でもあるんだけど。
なんかそういうのを、今回改めて、すごく実感しました。



苦しかったけど、
「来年もまた、やりたい!」と思えた事が、
本当に本当に、うれしい。


満足しています。じゅうぶんです。


「何かに精一杯取り組んだんだ」という、
この心地よい疲れの感覚は、気持ちいいです。


音楽に感謝。人に感謝。全ての時間に感謝。
いい夏でした。


私を励まして下さった方々、
そして発表会を見に来て下さった
ペン助、ミーママさん、めみちゃんさん、
本当にありがとうございました!
感謝の気持ちでいっぱいです。


最後までやり切れて、本当に良かったー。