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こまきのブログです。

映画「崖の上のポニョ」

komaki-13252008-08-30

やあ〜っと見れましたー。
なんとか8月中に見たい!と思っていたので
見れて良かったです。


ここから先は
思いっきり映画の内容のネタばれですので、
読みたくない方はスルーしてくださいね。




まず「大丈夫だよ、僕が守ってあげるからね。」の
宗介のセリフにじーん。


そして、ポニョが初めて言葉を発した時の・・・
「ポニョ、そうすけ、すき!」の言葉を聞いた時の宗介の表情!
しびれるような、震えるような、体の芯まで感動しきったあの表情、
よかったなああぁ。
宮崎駿さんはどうしてあんな表情が描けるんだろう?
もうあの表情を描けるってだけで、
宮崎駿さんがどれだけ人間を愛している方か、っていうのが
伝わってくる感じです。



宗介とポニョの、お互いの「すきー!」が
ほんとまっすぐで強くて気持ちよくって。


「ポニョ、そうすけ、すきー!そうすけんとこ、いくーー!!」
になんだか共感(笑)


ふたりの間の感情ってなんなんだろ?
恋?友情?家族愛?兄弟愛??・・・とかも考えたけど、
でももう最終的には、そんなのどうでもいいじゃあん、と言いたくなるような
ほんとにとことんなお互いの「すき」っぷり。気持ちよかったなあ。


ラストの宗介の「試練」のシーン。
「魚のポニョも、半魚人のポニョも、人間のポニョも、全部すきだよ。」
の宗介のセリフに感動して、ちょっと泣いちゃいました。
そうだよね、どんなポニョでも、どのポニョでも、すきなんだよね。
あのシーンはよかったなあ。



それにしてもここまでファンタジー度の強い作品だとは思っていなかったので、
途中ちょっとあっけにとられて、ぽかーんとしてしまいました(笑)


ファンタジーは、もちろん宮崎駿さんがずっと描いてきた世界なんだけど、
なんていうのかな・・・なんか、ファンタジーの内容の種類が
ちょっと最近変わってきたのかなぁ、という印象を受けました。
ハウルの動く城」(←大好き!)のあたりから、なんかそういうのを感じますね。
上手く言えないんだけど。
その流れが「ポニョ」の中にもあったような気がする。


映画の中では不思議な事がたくさん起こるんだけど、
それらの不思議な事は「当然の事、当たり前の事」として
話がどんどこ進んでいくのも面白かったな。
登場人物も、そういう「不思議な事」に全然びっくりしてないし。
オタオタしているのは見ている私だけ、という。
なんかバーバパパの絵本みたい(笑)


そして、絵の色使い。
宮崎駿さんの映画って、
「世界にはこんなにたくさんの種類の色があるんだ!」って
びっくりしちゃうぐらいたくさんの色が使われているんだけれど、
今回は、あえて色使いを単調にしてみた感じだったのかな?
それも不思議ファンタジーの世界の色を濃くしていてよかったかなぁ。
なんか、映画のワンシーンワンシーンが、
おとぎ話の絵本の1ページ、みたいに見える感じがありました。


それにしても、ポニョの父の名前が「フジモト」って妙にツボりました。
なんでそこだけやたらとリアルなんだろう(笑)




映画を見終わった後、パンフレットも買いました。



これからゆっくり読むんですけど、最初のページを見たら、
宮崎駿監督の素敵なメッセージが載っていたので引用して載せますね。


〜監督企画意図〜


「海辺の小さな町」


海に棲む魚の子ポニョが、人間の宗介と一緒に生きたいと我儘をつらぬき通す物語。
同時に5歳の宗介が約束を守りぬく物語でもある。
アンデルセンの「人魚姫」を今日の日本に舞台を移し、
キリスト教色を払拭して、幼い子供達の愛と冒険を描く。
海辺の小さな町と崖の上の一軒家。
少ない登場人物。
いきもののような海。
魔法が平然と姿を現す世界。
誰もが意識下深くに持つ内なる海と、
波立つ外なる海洋が通じあう。
そのために、空間をデフォルメし、絵柄を大胆にデフォルメして、
海を背景ではなく主要な登場人物としてアニメートする。
少年と少女、愛と責任、海と生命、
これ等初源に属するものをためらわずに描いて、
神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである。


宮崎駿


(映画「崖の上のポニョ」パンフレットより)


そうですね、とても根本的な、根源的なものが描かれている映画だと思います。
だから、映画の中で描かれている根源的なものと、
自分の中にある根源的なものが共振するときに・・・
まるでお互いの中にある大切な鈴がりんりんと鳴り合って響き合って、共鳴するような感覚を感じる時に、
なんだか泣きそうになっちゃうんだろうな。


「これ等初源に属するものをためらわずに描いて、
神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである。」
っていう宮崎駿監督の言葉、かっこいいなあ。


この映画の全編に流れているようないっぱいの愛で、あふれるような愛で、
神経症と不安の時代に立ち向かっていけたらな、って思います。



シンプルであたたかい、素敵な映画です。
興味を持たれた方は、ぜひ映画館でご覧になってみてくださいね。