ここ数日、村上春樹さんの小説
「1973年のピンボール」を読み返していました。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1983/09
- メディア: 文庫
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自分にとって「すごく思い入れのある小説」ってわけではないんですが、
でもこの小説の中に流れているゆったりとした穏やかな空気感や、
時おり心にきゅっと来る切なさっていうのは好きだなあ。
小説の中で、少しずつ秋が深まっていく様子が
リアルに感じられたのも良かったです。
いろんなものの色合いが濃くなっていく季節・・・
「秋」がもうすぐ来るんだなー、と
自分の記憶の中の「秋」に思いをめぐらしながら読みました。
この小説のラストの文章、よかったです。
シンプルな文章なんだけど。
ほんと書いてあるように「すきとおってしまいそうな」気持ちになりました。
情景がさあっと頭の中に浮かびました。
電車の中でこのラストの文章を読み終えたんですけど。
「は〜、いいなぁ。」と思いながらその部分を五回ぐらい読み返しちゃいました。
文章を読みながら「すきとおってしまいそうな」気持ちになるって、
とっても幸せなことだと思うな。
本を読んで幸せになる時の気持ちと、
音楽を聴いて幸せになる時の気持ちっていうのは、
私の中ではすごく似ているな。。
さて、この「1973年のピンボール」を読んで
心に残った文章を、いくつかご紹介します。
「幸せとは暖かい仲間」
「僕は不思議な星の下に生まれたんだ。つまりね、欲しいと思ったものは何でも必ず手に入れてきた。でも、何かを手に入れるたびに別の何かを踏みつけてきた。わかるかい?」
「少しね。」
「誰も信じないけどこれは本当なんだ。三年ばかり前にそれに気づいた。そしてこう思った。もう何も欲しがるまいってね。」
彼女は首を振った。「それで、一生そんな風にやってくつもり?」
「おそらくね。誰にも迷惑をかけずに済む。」
「本当にそう思うんなら、」と彼女は言った。「靴箱の中で生きればいいわ。」
素敵な意見だった。
「僕はあるいは楽観的すぎるかもしれない。でもそれほど馬鹿じゃない。」
「知ってるわ。」
「自慢してるわけじゃないが、その反対よりはずっといいと思ってる。」
「ま、いろいろあったものね。」ジェイは戸棚に並んだグラスを乾いた布で拭きながら何度も肯いた。「でも過ぎてしまえばみんな夢みたいだ。」
「そうかもしれない。でもね、俺が本当にそう思えるようになるまでにはずいぶん時間がかかりそうな気がする。」
良い質問にはいつも答がない。
すべて引用は「1973年のピンボール」より、でした。
こうやってある部分だけを抜き出すと前後関係がよくわからないんで、
読んでも「は?」って感じかもしれないんですけど・・
とにかくこれらが、私の心に刺さった言葉たち、です。
7日に「1973年のピンボール」を読み返し終わって。
今はまた村上春樹さんの「羊をめぐる冒険」を読み返し始めました。
(面白いですよ〜。)
さて、この「羊をめぐる冒険」を読み終えたら、次は何を読もう。。
またまた春樹さんの「国境の南、太陽の西」(←大好き!)を読み返すか・・
あるいは、ずっと気になっている小説家川上弘美さんの作品を
初めて読んでみるか・・
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/05/15
- メディア: 単行本
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どっちにしようかな〜〜。