梶原順ニューアルバム『Triple Acoustic Guitars』収録曲感想1~「An Extra」

 日本全国(いや、もう世界中が?)新型コロナウイルスで大変な事になっていますが、
皆様お元気でしょうか・・・。

なんだかもう、ずっと、悪い長い夢を見ているような状態が続いていますが。。。

私たち音楽ファンにとって、とても大切な「ライブ」を取り巻く状況も一変してしまいましたね。
ライブを行うミュージシャン、ライブを自粛するミュージシャン、
ライブに行くファン、ライブに行く事を断念せざるを得ないファン・・・
これから、それぞれの取る行動が違ったかたちで現れてくると思います。

どれもそれぞれの人の考え方、置かれた立場、状況など・・複合的な要素を合わせて考え抜かれた上で出される決断ですから、一概に「どれが正しい」とか「間違い」とかいう事は言えないのではないかと感じます。

そんな今のこの状況の中で、「誰もが共通してできる事」って何だろうな?と考えました。
最初に書いたように、ファンとして、これから当面の間、ライブに行く人、行けない人、に分かれていくと思います。
でも、ライブには行けなくても…CDを聴いたりしてそれぞれの場所で「音楽を楽しむこと」は、今のような状況の中でも誰もができる事なんじゃないかな、と思いました。

例えば梶原さんのライブに行った人は、ライブ後にまたその余韻に浸りたくて改めて梶原さんのアルバムを聴く事があるでしょうし、

一方で今回は梶原さんのライブに行く事を断念せざるを得なかった人も、また次に梶原さんのライブに行ける時に備えて自分の感性を豊かにするべくアルバムを聴き込んだりとか、
あるいは、こういう「非常時だからこそ」CD等でじっくりと音楽を聴く事で、改めて感じる音楽の素晴らしさ、のようなものがあるかもしれません。

それぞれ取る行動は違っても、「音楽を愛している」という想いはみんな同じなはず。。
そういうところで繋がっていけたら、重なる部分を見つけていけたらいいのにな・・と思います。
答えの見えない苦しい日々の中でもとにかく「音楽」を通して繋がっていけたら・・
そんな思いをこめて。

全曲演奏・・ならぬ、全曲感想なるか?(笑)
仕事が忙しいので、そんなにハイペースではアップできないかと思いますが、
こんな時こそ、力まず、リラックスして書けたらなと思います。
大好きなもののことを。
もし読んでいただけて、音楽に対する想いに共感していただける部分があったり、
梶原順さんの音楽に興味を持っていただける事があったら、とても嬉しく思います。
それでは、スタート!

 

 

Triple Acoustic Guitars

Triple Acoustic Guitars

  • アーティスト:梶原順
  • 発売日: 2020/01/29
  • メディア: CD
 

今年1月29日に、ギタリスト梶原順さんの10年ぶりの新譜「Triple Acoustic Guitars」が発売されました。
全編アコースティックギター、そしてタイトルからもわかるように、どの曲も基本的にはギター3本の演奏で構築されています。
アルバム10曲中2曲にDEPAPEPEが参加、その他は全て梶原さん1人でのダビングでレコーディングされています。
つまり、「どこを切っても梶原さん」という、梶原さんファンにとっては大変贅沢な内容のアルバムとなっています。

今日はそのアルバムの1曲目、「An Extra」の感想を。

以下、梶原さんのアルバム『Triple Acoustic Guitars』のライナーノーツより、「An Extra」について書かれた部分の引用です。

 

JDP用の曲ができるとすぐにDEPAPEPEの2人に譜面データを送っていました。朝に送る時には「朝刊でーす。」夕方にできれば「夕刊でーす!」と。朝刊を送った後、次の曲が追って直ぐに完成したので「号外(Extra)です!」とメールを送信しました。それがこの曲。DEPAPEPEに参加していただき、JDPとしての演奏になっています。ポップで明るく楽しい曲ですが少し切なさも感じられる仕上がりとなりました。

 

「JDP」とは、梶原順さんとDEPAPEPEのお二人で結成されたギターユニットの名前です。
梶原さんご自身がライナーノーツの中で書いていらっしゃるように、「明るい中にも切なさが感じられる曲」だと思います。
すごく前向きな曲なんだけど…その中から感じられる「前向きな気持ちの中にもある切なさ度合い」みたいなものが、すごく絶妙で、好きだなー、共感するなああ、と思います。
人生、どんなに前向きに歩いていこうとしている時でも、人の気持ちの中には常にこれぐらいの「切なさ」が含まれているものじゃないかなぁ。。

でもなんというかこう…このアルバムが発売された頃(1月下旬)に聴いたこの曲と、
いま現在の状態で聴くこの曲、というのはまた自分の中で印象が違ってきてて。。

1月下旬に聴いた時は・・・「前向き度8割、切なさ度2割」、といった印象だったけれど、
今この時期に聴くと・・・自分の中では「前向き度3割、切なさ度7割」、という感じです。。
自分の中で今はこの曲の「切なさ」の方がより濃く強く感じられます。
一方で、少ないほうの3割の「前向き」な気持ちが、より大切な、貴重なものにも感じます。


曲の印象っていうのは、発信側だけでなく、「聴く側」のその時の気持ちも多分に反映されるものなんだな…
そういう意味では、ライブだけでなく、CDに収録された曲だって生き物だ、と感じます。
ミュージシャン側の気持ちと、聴く側の気持ちがまじり合って「感想」となるんだな、と改めて思います。
どちらか一方だけでは成立しない。。

そしてこの前向きな中にも切なさが感じられる曲を、梶原さんがDEPAPEPEのお二人と一緒に演奏されている…という事にも、ものすごくぐっと来ます。
神戸チキンジョージで、DEPAPEPEのお二人が初めて、JとB(梶原順浅野祥之)のオープニングアクトとして演奏した日の事、今でも鮮やかに覚えています。
あれからずっと、梶原さんとDEPAPEPEのお二人の良い関係は続いているんだなと思います。


またJDPのライブも聴きたいですね。
そしてJDPのライブで演奏されるこの曲を聴きたいものです。
その時は、私の中でこの曲の、前向き度合いと切なさ度合いは、いったい何割ずつになっているのかな。。