【Live】「渡辺貞夫グループ2014」@ビルボードライブ大阪 ライブレポ

●2014年7月18日(金)
渡辺貞夫グループ2014」(1st Stage)


【会場】
ビルボードライブ大阪


【出演メンバー】
渡辺貞夫 (A.Sax)
小野塚晃 (Pf,Key)
養父貴 (G)
コモブチキイチロウ (B)
石川雅春 (Ds)
ンジャセ・ニャン (Per)



                                                                        • -

私にとって、約二か月ぶりのインストもののライブでした〜。
なんだか緊張するやら楽しみやらで、異様にどきどきしながらビルボードの中に入りました。
「私はいったい今まで何回ライブに行ってるんだ。緊張するのもおかしいだろう。」と、
自分につっこみつつ、呆れつつ。。



でも、こういう風に、いつまでもどきどきできるっていい事かもな、とも思いました。
いつも、いつまでも、新鮮な気持ちで音楽にどきどきできる、そんな音楽ファンでいたいなぁ。


今回私は「とにかく久しぶりにンジャセのプレイが聴きたい!石川さんとンジャセの絡みが聴きたい!!」
という強い気持ちを持って行きました。
とにかくタイコ〜!私はタイコが聴きたいんだー!!という飢えたような気持ちで。


「貞夫さんと、ンジャセと、石川さんがばっちり見える席に座れたらいいなー、
でも予約番号30番台だし、無理かなー。。」と思っていたのですが。。


ラッキーにもその望みが完っ璧に叶う席に座る事ができて、ほんと嬉しくてありがたかったです。
(神様ありがとう!)




さて、貞夫さんのライブです。

ステージに現れた貞夫さん。
いつものあの仕草で客席に向かって大きく両手を広げ、
「わっはー!」という感じの大きなあたたかい微笑みを、客席に投げかけてくださいました。


「何あの、お日様が人間に姿を変えてこの世に降り立ったかのようなあの姿…!」と、
もうこの時点でものすごく感動しちゃって幸せになってしまう自分。
貞夫さんの笑顔は本当に素敵だなあ。。



ライブスタートです。


その場その場で、貞夫さんによって演奏曲目が決められていくので、
貞夫さんがメンバーの皆さんに曲目を告げる時や、
あるいは曲目を告げずに貞夫さんが演奏を始めて、
そのイントロで「む!この曲だな!」とメンバーの皆さんが曲目を探し当てていくその瞬間までに、
場に漂う緊張感がすごいです。


貞夫さんは、「演奏する曲決めてないんでね。はっはっはっ。」と素敵な笑顔で笑ってらっしゃいましたが、
あれはメンバーの皆さん、すごく緊張すると思うなぁ〜。
(そうでもないのかなぁ。どうなんだろう。。)
とにかくどんな曲が出てきても、ささっと迅速に対応されるメンバーの皆さん、本当にすごいなぁといつも思います。



ちょっとこの日のライブ、最初は客席の熱みたいなものが低めだったんですが、
そんな会場の雰囲気が変わってきたのが、
ンジャセのパーカッションのソロでのプレイや、
ンジャセ×ドラムス石川さんのものすごい競演があったあたりからだと思います。


冒頭でンジャセの長いソロシーンをフィーチャーした曲がありましたが、ンジャセのパーカッション、素晴らしかったです。
そのプレイの中には、パーカッションの楽器たちの音の中には、いろんなものがつまっていました。
風や光のきらめき、動物たちが駆けてゆく足音、
胎動、大地の響き、滴り落ちる水音。。。


そういうものが全部つまっていました。
「タイコって、そういう楽器なんだな。」って、聴きながら改めて思いました。



そしてやっぱりすごかったのが、石川さんとンジャセのパーカッションバトルです!!
すごかった〜〜!!!
以前よりもまた、音の深みというか、音楽的な深みが増している感じがして、ほんっとすごかったーー!!


いのちや魂を、ばしばしと熱くぶつけ合うような感じ。
大きな岩と岩をがつんっ!!と強くぶつけ合って、そこから火花が散っているような感じ。
聴いている私たちは、その熱くスパークしてクラッシュして飛び散る魂の火花を、身体いっぱいに浴びる感じ。
ものすごく熱かったし白熱してたし、そして、石川さんもンジャセも、本当に心から楽しそうだった!!


しばらくそうやってポリリズムでのリズムバトル(という言い方でいいのかな)が繰り広げられましたが、
やがて、高速のスピード感はそのままに、
石川さんとンジャセ(と小野塚さんのジャンベ/笑)が、全く同じリズムをプレイするユニゾンでのプレイになり、
このユニゾンのシーンがかなり長くて、これがまたすごくて…!!


譜面に起こしたら ものすごく複雑で大変な事になるであろうリズムを、
高速スピードの中で、ものすごく熱い一体感で、がっつんがっつん叩きまくり!


石川さんとンジャセ、理屈で合わせるんじゃなくて、
もう本能的に身体でがんがん合わせていっているようなものすごいプレイでした。
プロ…!ほんとプロ…!!!


言葉で上手く表現できなくてもどかしいけれど、もう、ほんっとうにこのパーカッションショーはすごかったです!!
私は、「間違いなくこれが、今の自分が聴ける最高峰のパーカッションのプレイだ。」と確信しながら聴いていました。
もう本当に楽しくて感動して熱くなって、ひと晩中でも聴いていたかったです。
聴きながら、自分の身体中の細胞が喜びまくっているのがよくわかりました。


でもそんな素晴らしい至福のプレイにも、終わりの瞬間が来るわけで。
石川さんとンジャセが、「だんっ!!」と最後の一音の四分音符を叩いた時には、
そのタイコのヘッドの音が、地球の中心部まで届いたような、そんな深い音がしました。
あまりにも圧倒的な音の存在感に、もう言葉もありませんでした。
本当にすごかったです…!!!


あー、楽しかったなーーーー。
聴けて嬉しかった〜〜〜
生きてて良かったーー。
生き返ったーー。



そしてそんな素晴らしいプレイを聴いて、客席も盛り上がり、
貞夫さんも、バンドの皆さんも、にっこにこの楽しそうな笑顔に。
演奏もどんどん熱くてハッピーなものになっていきました。



ステージ本編のラスト曲(曲名わかんない…)は、ややアップテンポの曲でした。


が、突然貞夫さんがその曲の途中で「ハランべ」のフレーズを吹き出して。


戸惑う表情の小野塚さん。
(たぶん小野塚さん的には「貞夫さん、そのハランべは遊びでワンフレーズだけ吹いたのですか?
それともここから本格的にハランべに切り替わっていくのですか?」という気持ちだったのではないかと。。)


で、貞夫さんも、
ハランべのような〜…
そうでもないような〜…


どっちつかずのフレーズをしばらく吹き続け(失礼ですいません)、
しばしバンド全体の演奏が迷走した後、


貞夫さんがある地点で「えいっ!」と思い切った感じで、はっきりとハランべのメロディーを吹き始め、
そこからは本格的に「ハランべ」の演奏に切り替わりました。


(…なんかこのシーン、とっても面白かった…
貴重でした。。。)



で、お決まりの楽しい楽しいハランべです。


お日様全開のにっこにこの笑顔で、貞夫さんが歌います。(貞夫さんの声、素敵だぁ!!)
バンドメンバーの皆さんも歌います。
客席の私たちも歌います。


みんな、にっこにこの笑顔笑顔。
音楽を通じて、あんなあたたかい光に照らされて、笑顔にならない人はいない。


本当に素敵な空間でした。



で、ハランべがの演奏が終わって。


これで本編終わり…と思いきや、貞夫さんがその場でそのまま「ショショローザ」(曲名あってるかな?)のフレーズを吹いてくださって。


続けてバンドメンバーの皆さんと貞夫さんで、「ショショローザ」をアカペラで歌ってくださる…という、
サプライズ的な、というか、客席へのプレゼント的な、嬉しいサービスもありました。


客席、拍手喝采〜〜〜!!
わー、たのしー、嬉しいー!
ありがとうございますーー!!



本編終了。
そして、アンコール。


貞夫さんのアルトサックスと、小野塚さんのピアノでのデュオで、「Smile」の演奏です。



もう、この演奏が、本当に素晴らしくて。。。



そのアルトサックスの音の中に、大切な全てがありました。


優しさも、切なさも、傷も、希望も、愛おしさも。
過去も、未来も、生き続ける今も。


貞夫さんが歩いて来た人生の道のりが、全てその音の中にありました。


たった一本のアルトサックスの音の中で、
貞夫さんはとんでもなく大切なものを、私たちに伝え、届けてくれました。


もうこれだけは、どうやったって文章では伝えられない。
その場で聴かなければ絶対にわからないものです。


「Smile」の演奏が終わり、貞夫さんがステージから立ち去った後には、
客席からは「ほうっ」というため息や、「うーん」という唸り声が聞こえました。
私も同じ気持ちでした。



素晴らしかったです。。。


どうしてあんなにすごい演奏が、できるのか。。。




今回も、素晴らしかったです。
本当に素晴らしかった。


それにしても、貞夫さんのライブに行くと、私みたいな年齢のものでも「超若手」になってしまいます。


これはもったいない事だなあといつも感じます。
紳士淑女の皆さんが貞夫さんのライブを楽しまれるのももちろん素晴らしい事なのですが、
もっともっといろんな年齢層の方々が幅広く、貞夫さんの音楽に触れるべきじゃないかなあ。。


「音楽的に」素晴らしいのはもちろんの事、貞夫さんの音楽の中にはそういうものを超えた、
「人として」大切な事が、いっぱいつまっているように感じます。



…そういう私も、ギタリスト梶原順さんが渡辺貞夫グループに参加していた、という事がなかったら、
こんな風に貞夫さんのライブに行くような事も、なかったかもしれません。


だから、貞夫さんとの出会いは、梶原さんからいただいた、本当に大切な出会いだと思っています。


これからもなるべく都合のつく時には、貞夫さんのライブに行きたいです。



そしてまたあの貞夫さんの素敵な笑顔に出会いたいし、


「言葉にできない、本当に素晴らしい大切な」ものがつまった、あの音楽を、
その場で一緒に感じ、味わい、共有しに行きたいなと思います。



貞夫さん、バンドメンバーの皆さん、素晴らしい時間を本当にありがとうございました!!



☆渡辺貞夫オフィシャルサイト